趣味Web 小説 2005-02-09

ニュースサイトによる記事タイトルの改変に学ぶ

当サイトの記事はかなりの頻度でニュースサイトに取り上げられますが、その際、タイトルの改変は珍しくありません。

例えば「Amazon カスタマーレビューで一将功成りて万骨枯る」という記事をRinRin王国は「Amazon カスタマーレビューの法則」として紹介しました。また「otsune さんの記事の感想いろいろ」は「『嫌われないようにする』アプローチはアクセス増の効果が期待できない」として紹介。

変更後のタイトルには、いつも感心させられます。ズバリ内容を示唆するフレーズ、この鋭さを見よ! 孫引きニュースサイトがみなRinRin王国のつけたタイトルでリンクしたのも当然のことでした。その点、凡人のブログはみな私のつけたタイトルをそのまま使ってリンクします。一流のニュースサイト管理人と凡人ブロガーの決定的な差が、そこにはあります。

といっても、私のつけたタイトルがまるでダメだった、とは思いません。「Amazon カスタマーレビューの法則」はたしかに記事の適切な要約タイトルですが、私にとってそれは末尾一段に記した慨嘆の前フリに過ぎませんでした。「『嫌われないようにする』アプローチはアクセス増の効果が期待できない」は「otsune さんの記事の感想いろいろ」というタイトルそのまんまの記事中にある余談でしかない。当サイトの記事としては、元のタイトルでよかったのだと思います。

そもそも私が書いているのは自分のための備忘録です。著者は自分自身なのだから、本文の概要は頭にあります。自分の記事を読み返すのは詳細を確認するためだから、タイトルは索引に使えれば十分です。未読の読者への配慮よりも、「自分にとってその記事がどんな存在か」を明確にすることが重要です。だから「Amazon カスタマーレビューで一将功成りて万骨枯る」とか「otsune さんの記事の感想いろいろ」といったタイトルになるのです。

それにしても、読者の注目ポイントと作者の思いは、なぜこうもずれていくのか。ニュースサイトによるタイトルの改変は、しばしば私に読者の視点を思い出させてくれます。

名言集のリンクが、カトゆーから一回りして、かーずSPまで到達した。それはいいんだけど、同時に昨日のなっちに関するエントリもピックアップされていた。↓こんな具合だ。

★なっちはデスノート所有者かも[九十九式]

いや、ちょっと待った!! それ、オチだから!

これではまるで、推理小説のあらすじに犯人の名前が書いてあるようなものだ。いや、本の題名が『本格推理小説・犯人はヤス』となっているようなものである。取り上げてくれること自体はありがたいのだが、これでははっきり言って台無しである。

なるほど、と思うけれど、ニュースサイトのセンスも理解できます。

ある種のエッセイは、一部の推理小説と異なり、本文は同じでもタイトルの工夫ひとつで、「犯人当て」にも「いかにして探偵は犯人にたどりつくか=倒叙もの」にもなります。常連読者なら、「なっち復帰会見」という無味無臭のタイトルであってもワクワクしながら読むでしょう。しかしニュースサイトの利用者は、宮本さんをご存じない。期待値ゼロといっていい。だから、何らかの方法でうまく読み気を誘う必要があります。

作者の組み立て・意図とは異なる読み方を提示しているわけですが、「なっちはデスノート所有者かも」というタイトル改変は「技あり」だと思います。台無しとは言い切れないのではないでしょうか。

参照すべき情報

RinRIn王国カトゆー家断絶でも取り上げられました。

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