私の予想は大外れ。花岡信昭さんの予想も外れてしまいましたね。ただ、400議席を自民と民主が奪い合うという構図はピタリ。ところで、抑制した主張が売りの花岡さんが投票日当日の記事で突然(?)「夢」を書かれたことには驚かされました。驚いたといえば私が暮らす東京19区で自民候補が勝っ(てしまっ)たのも衝撃。まさかなあ……。
自民圧勝か……。イデオロギー対決が過去の物となりつつある時代に与党が国会の3分の2を押えたわけで、これは無二の機会です。小泉首相と次期首相には憲法改正と財政再建を頑張ってほしいです。年金と消費税の論議を進めて財政規律の再建に目処をつけ、日銀の不安を払拭して国債引き受けを迫る道筋が現実的視野に入ってきたので、リフレ政策もいよいよ日の目を見そうですね。
一方、投票率は小選挙区が67.51%、比例67.46%で確定。いずれも前回と比較して7.65%増で、やはり選挙に行かない人は行かないらしい。あちこちのブログサービスの最近投稿された記事一覧などを見ても、選挙がたくさんある話題のひとつに過ぎないことがよくわかる。明日の報道で世代別投票率が出ますので、その概要を私的なメモとして追記する予定。20代投票率が35%を突破するかどうかに注目。会社の同僚と話した感じでは、前回の選挙よりもますます投票率が低下していそうなのですが……。
ま、とりあえずは郵政民営化。自民圧勝なので政府案通りでしょう。一昨日読んだ跡田直澄さんの「郵貯消滅」は当サイト読者の方には面白いと思う(私の記事と同傾向なので)。その他、17年4月に施行されることがほぼ確定した政府案をベースに語っている本を何冊かご紹介。いろいろ読んで、将来に備えてください。
私の立場を簡単に書きます。田中先生(+bewaad さん)と跡田先生の意見の違いは、世界観の違いによります。田中先生は日銀と財務省がインフレをコントロールでき、市場も日銀と財務省の能力を信頼するとの見通しを持っています。しかし当の日銀と財務省は自身の能力を信じていない。跡田先生も同様の立場なのです。
読者の方にご紹介いただいた日本銀行金融市場局の資料です。日銀のインフレ調整能力と市場の信頼に不安があるとの世界観を前提に、リフレ政策に黄信号の評価を下しています。
bewaad さんの試算では、少子高齢化の進展により社会保障費の増大圧力が続く中、現行程度の収支状況を維持することが前提です。厳しい緊縮財政の継続が必要なのです。国債を日銀が直接引き受けても財政規律を維持できるか? 議員さんに相当の覚悟がなければ難しい。
また bewaad さんは国債残高が膨らんだのは貯蓄と資金需要のアンバランス解消のためだったと解説されましたが、跡田先生の発想は逆。貯蓄から他の商品へお金が流れるよう改革すべきだったという。(私の解釈は保留)
私は田中先生や bewaad さんほど日銀と財務省が強いと思いません。国民に選ばれる政治家は社会保障費を十分に抑制しがたく、増税抜きの財政規律維持は難しい。それでも跡田先生は日銀によるリフレ政策の先行を期待されていますが、リスクを高く見積もっています。しかし今回の選挙で財政規律を重んじる(であろう)小泉首相が勝ち、財政出動派が敗退したので、ようやく日銀が決断できる環境が整ったのではないか。