経済本の理解度チェックで落第
なるほど……。新春鼎談2004も興味深かったです。
ところで、「デフレは終わるのか」(安達誠司 東洋経済新報社)の理解度チェックのつもりで手を出した「虚構の景気回復」(水野和夫 中央公論新社)を読了しました。
- 史上最大のデフレ対策でもデフレを解消できない事実は、金融政策の限界と構造デフレの存在を示す→マッカラム・ルールによれば資金供給はまだ足りないのでは? 経済規模が大きくなっているのだから絶対額で史上最大云々というのは的外れ
- 為替で物価は調整できない時代となった→為替以外の要因もあるので、為替変動と物価変動だけを見比べて従来の経済学はもう通用しないと考えるのは早計
- デフレ下でも経済成長は可能。デフレと景気は関係ないので、デフレは悪くない→経済成長=経済規模の拡大ならば、世界的に緩やかなインフレ状態にある方が望ましい
いちいち著者の主張に異論・反論(の枠組)を考えながら読むのは非常に疲れます。「近代化経済圏」と「ポスト近代化経済圏」の話が出てきたあたりから頭が痛くなってきて、思考停止に陥りました。付け焼刃ではダメですね。
水野さんは「意外なデータ」を素直に「常識に対する反証」とみなし、すぐに旧来の理論を捨てて新理論を考えてしまう。でも私には、安直の指摘はできても、安直でない考え方は示すことができないのでした。下手の横好きでは「旧来の理論」の知識が足りない。応用力が足りない。あーあ、試験問題はもっと簡単で素朴な(立ち読みした限りではそう思われた)デフレ擁護論(例えば長谷川慶太郎さんの一部著作など)にすべきだったかな……。ぐったり。
いろいろ経済本を読んだ感想などは、また後日。
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注意書き
- 筆者は徳保隆夫(とくほたかお)です。1980年愛知県生まれ。千葉県成田市育ち。メーカーに技術者として就職後、関東各地を転々としています。……という設定です。
- 私の文章は全て実記ではなく小説なので、客観的事実と異なる記述を多々含みます。
- 著作権は主張しません。詳細はInfoで、過去ログなどはNoteでご案内します。