趣味Web 小説 2006-04-25

失業率5%未満時代

ざっと読んだが、よくわからない。どうせ失業率は5%かそこらなんだから、心配しないでもみんなどこかに入社できる。ていうか、企業側だって、(就職を希望する人の)95%を採用しなきゃ人手が足りない。むしろこっちの方がつらいよね。だから就職を希望する人は「君なら喜んで採用するよ!」という会社を探せばいいだけの話で、最も簡単な方法は高望みをやめること。そうはいっても、なかなかそれが難しいので、書類だけで落とされたりするのだろう。で、数打っている間に、実力ちょい上のところに滑り込むという算段、というか結果的にそうなる。運がよければ。

関係ないけど、私が就職した頃は就職氷河期とかいわれていたのに、入社してから同期の人に聞いたら、きちんと SPI の問題集を買って勉強などしていたのは数人だけだったので驚いた。「いちおう、うちの会社もペーパー試験あったじゃない」「全然できなかったけど、友達も全然できないっていってたし」つまり低いところで馴れ合っている、と。何社落ちても SPI など勉強する気はなかったのだそうで、それで就職氷河期もあったものじゃないだろう、と思った。

それが一人二人ならともかく、過半なのだから情けない。一部の人は、勉強するまでもなく楽勝だった、という。ところが、入社後の漢字テストは私がダントツの成績。「楽勝」の基準が低かっただけなのか。ともあれ、同期の出身校のレベルはバラエティに富んでいる。また、私が一番「こいつすげーなー」と思った人は、出身校のレベルでいうと真ん中くらいだった。(参考

面接の練習さえ全くしない、ぶっつけ本番だったという人も多いのだが、入社後の活躍では、私など中の下(辞めなかった分、会社にとって最悪ではないだろう)。面接官は偉いものだ。理系企業だけに、昔から縁のある大学の教授推薦は有効なのだけれど、先生も無理筋の生徒を送り込んでくることはない。さすがにいい線を突いている。

何のために働くか 何の為のニュース

オバタカズユキさんの「何のために働くか」「何の為のニュース」は学生時代に何度か読み返した本。不況が続く中、大企業に入社したってしょうがない、なんて嘘だ、といった内容。今にして思えば、それほど実証的でもないし、何せ軽い本だったのだけれど、とかく印象に残っている。以来、今でもオバタさんはひいきのライター。

会社図鑑! 2007 天の巻 会社図鑑! 2007 地の巻

そのオバタさんが書く就職活動用情報書籍が「会社図鑑」で、基本的に有名企業しか載っていない。私はこの本に載っているような会社には通らなかったけれど、まあそれも当然だろうなあ、と学生時代から納得はしていたことを思い出す。高校受験の受験校選びでもそうなのだけれど、本まで買ってまじめに進路研究に取り組むのは、基本的には成績上位グループ。下位グループの人は、パンフレットを眺めたりするだけ。面接で志望動機を聞かれて口ごもるのも当然ではある。

私が就職したのは、それでも大企業ではあった。引越しのときにアパートの内見のため不動産屋の担当者と電車で移動などしながら話をしたのだけれど、やはり世の中、ひどい待遇の会社は珍しくないな、と。まあ、とくに考えがないなら、大企業を目指すに越したことはない。

それにしても、いずれ景気浮揚に成功すれば、もっともっと失業率は下がる。これから地獄なのは採用する側だ。というか、就職氷河期ということでここ数年、中小企業は勇んで幹部候補生の採用を狙ったというが、あまりいい結果になったという話を聞かないな。そりゃそうだろう、と、私などは思わないでもない。

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