趣味Web 小説 2007-01-09

許せるレベル

1日1冊の本を読む方法を指南する本田直之「レバレッジ・リーディング」(東洋経済新報社)という本が一部で話題になっている補足)のだという。

年間1200冊以上を読む弾さんは、年間400冊という著者の読書量は「多読」といえないのでは? とのご意見。年間3000冊以上本を読んでいる日垣隆さんはすごいけど、読書にたいして蘊蓄を垂れるには、このレベルが基準点なのではないだろうかというのは、一般的には厳しすぎると私は思う。

絶対的な差異はトップクラスの中にある、という(よくある)話でしょう。仮に上位1%と上位10%に10倍の差があるにせよ、上位10%の読書家を多読者と呼ばないのはオカシイのではないか。

2005年の出版物総販売部数は約36億冊であり、日本人は1年間に書籍・雑誌(コミック含む)を1人あたり平均30冊消費していることになります。古書業界の影響力は新刊販売の約1割と予想されている[pdf]けれども、それを加味しても33冊ですか。厳しく判定しても、平均の10倍も出版物を消費する人は多読者と呼んでよい、と私は考えます。

私の読書量など大したことはありませんが、それでも小学校時代はクラスで一番、学校で2番目にたくさんの本を読む子でした。中学高校でも読まないなりに上位10%ではあった、と断言できます。読書家の集まりで年間100冊程度の読書量を誇るのは恥ずかしいことですが、一般人の中であまり謙遜すれば嫌味になります。

閑話休題。

水素を燃やして「これが水爆の原理です」といってる理科教師がふつうに存在する状況さえ、私は許容しています。その程度の科学的知識の欠如は、小中学校で理科を教える者として致命的でないと考えるからです。漢字を書けない国語教師、47都道府県がいえない社会科教師、いろいろいましたが、みないい先生でした。

1日1冊を読む方法を教えるなら、年間400冊を読むくらい人が適任ではないか、という感じがします。

私の本の読み方

「18行×40字の版面で1ページ1分」が私の読書速度です。私が読書記録の中で行数×字数×頁数というデータを大切にしているのは、読書に費やした時間を記録したいからです。

本を読んで自分がマシな人間になったという感覚はほとんどなく、私にとって読書とは時間とお金の浪費に他なりません。何の役にも立たないけど、楽しいから読んでいる、それだけ。だから読んだ本はどんどん処分してしまう(ヤフオクやブックオフで売るか廃品回収に出す)。

常時200~500冊くらいある蔵書の約9割が「これから読む本」です。年間100~300冊くらい読むので、私の書棚(注:ダンボール箱を積み上げてあるだけ)は相当に高回転ですね。ま、そうでなくては四畳半の社員寮で4年間も快適に過ごせたわけがない。

中古品を気軽に売れる素晴らしさ

昨年、後生大事に保管していた雑誌を売ったら3万円超の値がつきました。些細な出費を気にして入退会を繰り返している人もいるそうですが、売りたいときにサッと売りに出せる、そして利用者が多いから確実に落札される、この環境を維持するためなら、ヤフオクの会費は高くない。

映像の世紀」を買うとき、ふつうの人は64000円は高い、と考えるでしょう。私は「ヤフオクで売れば40000円にはなるな」と予想し、24000円の買い物と判断します。PC周辺機器も同じ。7000円で買ったPCカードアダプタが、散々使って不要になった段階で3500円で売れる、これは革命的だと思います。

同様に、近所にブックオフがあれば、新刊書を大学の生協と同じく1割引で買えることになります。蔵書を持たない、と決めてしまえば、そのように考えることが可能なのですね。これもプチ革命的だと思います。

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