趣味Web 小説 2008-05-26

「イヤだからやめて!」

いつものことだけど、何かをしてほしいとお願いされると、「それは義務じゃありません」なんて反応をする人が現れる。義務だなんて誰もいっていないだろう。

少数派体質の私などは、自分が正しいと思ってやっていることに不快感を表明されることは珍しくない。もう慣れっこ。一方、多数派体質の人って、「イヤだからやめて!」といわれるだけで大ショックらしい。「何でそんなこというの!?」「だってイヤなんだもん」「ひどいよ……わたし何も悪いことしてないのに」

それでどうなるかというと、「他人を怒らせたくない」と思うあまり、自分の(現行法下で)合法な活動に対して「他人が怒ることを許さない」。これって本末転倒ではなかろうか。なぜか、ウェブにはこういう人がたくさんいる。

「トラックバックなしの言及を私は陰口とみなす」と相手が主張しているからといって、「トラックバックしなければならない」とはいえない。

「そうですか、あなたの考えは、わかりました。でも私は陰口だとは思いません」「陰口だと思いたければ、どうぞご自由に」「陰口ですよ、ええ」いずれにせよ、相手がどう思おうと、トラックバックせずに言及する自由は少しも制限されない。

トラックバックせずに言及する自由があるように、それに対して不快感を表明する自由だってある。無断リンクする自由とともに、無断リンクされて怒る自由があるのと同じことだ。少数派の「イヤだからやめて!」という声は、過剰に叩き潰されがち。多数派だけが表現の自由を行使できるような社会は怖い。

なお、(現時点では)合法な行為を「禁止しろ!」と主張する自由は誰にもある。逆もまた然り。そうでなかったら社会は何も変化しない。それでいい、といえるほど、世界の完成度は高くないと私は思う。

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