趣味Web 小説 2008-06-26

Napster とのつきあい方

1.

今月は Napster 経由で聴いた音楽がアルバム単位で100枚超。久々に1日1冊ペースで本を読んだ結果でしょうね。テレビ視聴と読書は両立困難だけど、音楽と読書は相性がいい。

Napster のカタログは発展途上なので、特定のアーティストの曲が聴きたい、最近話題の曲が聴きたい、といった需要には、なかなか応えてくれない。とくに邦楽ファンには厳しいものがあると思う。だから、発想を切り替える。聴き放題という特徴を活かして、ちょっと気になる曲を、どんどん聴いてみるといい。

ふだんは聴かない宗教音楽、名前も聞いたことのないアーティストの曲、教養として勧められたけど「いつか機会があれば」と保留していた曲、などなど。

パソコンで聴くだけなら、月額1280円。CDシングル1.5枚くらいでしょうか。携帯電話に転送して1日中、音楽を楽しみたい、という場合でも月額1980円。安い、と思う。

CDは値段が高すぎる、という「言い訳」は、Napster の登場によって苦しくなったはず。Mac 非対応だから、とか何とか、「言い訳」の種は尽きない。それでもやっぱり、(満足ではないにせよ)アーティストたちが納得している正当なサービスが月額1280円、この事実には力があります。

Gyao かわいそう(2007-10-29)では、アニメDVDの値段が高すぎるという「言い訳」が、もはや世間的には説得力がないのではないか、と書いた。安価な定額制音楽配信サービスや、1話100円程度の安価な動画配信サービスを、私は応援したい。

*Gyao@Showtimeで「涼宮ハルヒの憂鬱」全14話が772円で視聴可能。これまで違法コピーばかり見ていた人は、この機会にお布施してみてはどうか。

たしかに現状、特定の作品(だけ)を鑑賞したい、という希望を満たせるカタログは実現されていない。それでも洋楽を中心に550万曲聴けます(2008年6月時点)。「人気が出る→カタログが充実する→もっと人気が出る→(以下略)」のサイクルが実現してほしい。ボールはいま、消費者の手の中にある、と思う。

音楽との新しい付き合い方、はじめませんか?

2.

筒井康隆の短編小説の朗読とか、お笑いライブの録音とか、「何度も聞き返す可能性が低いので買うのはちょっと……」という作品との出会いが、私が「Napsterっていいな」と思うようになったきっかけ。

これでCDを買わずに済む、みたいなサービスではないんですよね。私も例えば宇多田ヒカルの「HEART STATION」はCDで買ってます。だけど時間は有限なので、「ちょっと興味はあるけど手が出なかった作品」をどんどん Napster で聴くようになると、結果として音楽趣味のコストは下がるかもしれない。

ケーブルテレビやスカパーみたいな感じかな。結果的にDVDを買う量が減るにせよ、それを目的としてしまうと、「俺の見たい作品を必ず放送しろ」って無茶をいうことになってしまう。手ごろな価格で豊富なコンテンツを楽しめるところに価値を見出して利用すべきサービスなのです。

Napster は「HEART STATION」を配信しろ、というと「解なし」になってしまう。COLDPLAYの新譜とかは、いわば目玉商品として特別配信しているのであって。将来、発売から時間が経ってCDがあまり売れなくなった作品は大半が Napster で聴ける、みたいな状況になったら嬉しい。

世の中「違法コピー or Amazon」じゃないよ、ということが常識になったら、いろいろなサイクルがうまく回り始めるような気がします。楽観的すぎるかな。

備忘録2008年6月に関連記事があります。

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