趣味Web 小説 2009-03-12

子どもに自信を与える方法:補足

子どもに自信を与える方法(2009-03-11)の補足です。

1.

日本の子どもは、諸外国と比較して自己を高く評価していない、という。しかし、その何が問題なのでしょう? 実際にアメリカ人などと交流した経験があれば、「自尊心の高さ」と「尊敬できる人格」が単純にはリンクしていないことに気付かれると思う。

子どもに自信を持たせる意味は、子どもの人格形成に資するかどうかという観点からは導出しにくい。

私が子どもの自尊心を守り育てる教育を推すのは、成長過程における幸福感に大きな価値を見出しているからです。

これらを実現するためには、子どもが親によく褒められるような環境が適しているでしょう。

私は「子どもを叱るのは我慢すべき」とか「子どものやることだから大目に見るべき」などといいたいのではありません。子どもが自動的に「宿題をきちんとやる」「家事のお手伝いをする」ような仕組みがあれば、子どもを叱る回数が減り、たくさん褒めることが可能になる、と提案したのです。

ただし私の提案は、ご両親に一定の負担を強います。子どもを叱って「うちの子はどうして……」と愚痴っている方が合理的、という方もいるでしょう。無理をしても続かないので、それは仕方ありません。

2.

この特設サイトをはじめ、私は繰り返し「子どもに命令せず、一緒に取り組みなさい」と説いています。その理由として、私は「子どもを叱る回数が減る」ことを強調してきました。しかし効用は他にもあります。

そう、親が一緒に取り組めば、子どものつらさがわかるのです。作文を書く、絵を描く、漢字の練習をする。子どもと親で競争してみれば、すぐにわかります。学校に提出する作文を書くのがいかにつらいか、絵を描くのがどんなにたいへんか、漢字の練習がどれほどつまらないか。

それを体感していれば、子どもの作文や絵をくさしたり、漢字の覚えが悪いのを怒ったり、しなくなっていくと思うのです。よく頑張ったね、と、心から褒められるはずなんです。あるいは、もっとお勉強を楽しくするにはどうしたらいいだろう、と考えるようになったりもするでしょう。

3.

私のささやかな経験から書くと、「一緒にお勉強する」とき、「勉強を教える」必要はありません。例えば、子どもが漢字ドリルに取り組むなら、大人は漢検の問題集に取り組む。まあこれは「家計簿をつける」でも「新聞の切り抜きをする」でもいいんです。まじめに取り組む様子が伝わればいい。

ヘタに勉強を教えようとすると、かえって子どもが嫌がることも少なくない。親の方も、「なぜ同じ間違いを繰り返すのか!」「どうしてこんな問題も解けないんだ!」などとイライラすることになりがち。ときどき様子を見て、煮詰まっていたら気分転換させるとか、支援はその程度で十分なのではないでしょうか。

ただし一度は、本当にたった一度でいいですから、保護者の方も子どものやっているお勉強を、自分でもやってみてください。いろいろ気付くことがあるはずです。ノートをきちんと作成するのも、工作で紙粘土をこねるのも、記憶とは少しずつ違っていますよ。

追記:

もともと「自分に自信がある=優れている」という図式で考えている人は多くないと思う。東京都の施策も、「自分はダメでどうしようもない人間なんだ」と考えている日本の子どもたちは幸せなんだろうか、という素朴な疑問が原点にあるのではないでしょうか。

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