日本のGeocitiesはサービスを継続しているが、4月に新規募集を打ち切った米国のGeocitiesは、10月26日にサービスを修了するとのこと。作者が消したいなら仕方ない。こうしてサービス業者の意向で更新停止サイトが一網打尽にされてしまうのも、仕方ない。ただ、残念だ。
ウェブコンテンツならリンクでいいだろ、転載なんて必要ないだろ、という意見に反対なのは、こういうことがあるから。ブログの単純な書籍化に賛成する理由も同じ。
私の備忘録でも、過去ログの文中リンクが、非常に高い確率で死んでいる。リンク先を読まないと意味が通じない記事を書いてしまうと、後で悲しいことになる。
転載自由と宣言されていて、簡単に転載できるコンテンツが、もっと増えるといい。でも、これって意外と面倒なんだよね……。自分自身、他所の記事に言及する際、いちいち転載自由かどうか確認していないし、あるいは、大丈夫とわかっていても、滅多に転載しない。
転載機能のあるYahoo!ブログが私にとって使いやすいものだったら、絶対使うんだけど……。私が転載したいと思う記事は皆無に近いが、少なくとも、自分の記事を読者が転載しやすくなるのはいいことだと思っている。この備忘録だって、いつ消えるかわからない。
ODNのプロバイダ付属の無料ウェブスペースサービスも終了したそうだ。怖いな。
もともとプロバイダ付属のスペースというのは、管理者の引越しに伴う契約会社の変更などでアッサリ消えてしまうことがしばしばあって、安心はできなかったんだけど。
やっぱり無料で放置されているウェブサイトは、みな、いずれ消えるんだよね。その「いずれ」というのが、じつはたったの5年くらいだった、ということ。短い。短すぎる。
無料サーバ事業が広告ビジネスであるならば、新規募集を停止し、転送量制限などを行っていけば、コスト要因はどんどん減っていきますので、赤字にはなりにくいと予想します。
ビジネス的に旨味のない事業から撤退するのは当然の判断かもしれませんが、サービスを停止すれば、サイトが消えます。管理者が更新意欲を失っているサイトは、移転などしないでしょう。しかし、管理者が放置していても、文化的な価値がないとは限りません。
米ジオは歴史あるサービスであり、管理者は飽きてしまったけど、歴史的・文化的見地からは意義深いサイトが、多数存在していました。ですから、事業を手仕舞いするとしても、一種のメセナ活動として「管理者が明示的に削除を申し出るまでサイトを存続させる」といったことも可能ではなかったか、と。
米ジオの最近5年ほどの凋落ぶりはひどく、撤退は時間の問題だったとはいえ、あっさり全削除でスッキリするという結論になったのは、残念でした。米ジオほどの巨大サービスならば、「文化事業としての責任」のようなものを背負ってほしかった、と私は思うのです。