趣味Web 小説 2009-10-23

ネットの商売とノイジーマイノリティ、あと余談

mixiの人気ゲームがアイテム課金をはじめたら掲示板に苦情が殺到した、という話題。中国製のゲームだったことから、中国(人)差別を丸出しにした発言がたくさん。このような誹謗中傷の自由を許すから、日本のウェブは窮屈なんだと思う。

はまちや2さんは繰り返し「いままでタダで遊べていた部分は、そのままタダで遊ぶことができる」と念を押しているのだが、怒っている人にはまるで通じない。私が連想したのは、2008年8月の、この話題。

人気のコンピュータRPGシリーズの最新作が、ダウンロードコンテンツ(DLC)として、キャラクターのレベルを5つ上げるチケットみたいなものを販売したた、ネットの片隅では大騒ぎになった。

もともと2周目以降は経験値10倍とか獲得金2倍とか選択できて、とにかく1回クリアしてしまえば何でもありだったシリーズ。難易度を選択できるシステムも搭載しており、ユーザーの幅広い要望にきめ細かく応えるのが特徴なので、「まだやってなかったの?」と私は思ったのですが、ネット世論の反応は違いました。

ちなみに、個人的にはこの件、近年のゲーム機からマジコンなどと一緒に(ゲーム自体の売り上げを阻害するとは考えにくい)改造ツールも排除される理由がクリアに理解できた、という意味でも印象深い。

まあ、サンシャイン牧場でクレームをつけているのはユーザの1%にも満たない少数派に過ぎないし、テイルズも売れたらしい。選択肢が増えるのは(消費者にとって基本的には)いいことだ、という原則は揺るぎない。多様な意見が可視化され、これまで無視されてきた少数派の叫びが目立つようになっただけ。

それでも、「いい人」は、たじろいでしまうよね。これから、どうなるんだろう。現状維持バイアスが強まるのかな。それとも、「ノイジーマイノリティに惑わされない技術」が普及していくのか。後者が勝つ、と私は予想するけれども、さて。

余談

両親が本編をクリアしたのは8月後半だった。それまではちょくちょく母から質問メールがきていた。メールを出す用事がある、というのが、何かといいらしい。お互い、ついでにあれこれ近況報告などしたので、たった2ヶ月で過去3年分を越える分量のメールのやり取りをした。

ふだんから親子の会話の多い人にはピンとこないだろうけど、私は滅多に実家にも帰らないし、電話にも出ないので(注:365日24時間留守電応答)、一番短い年には、1年間で1時間くらいしか話をしなかったんじゃなかろうか。「隆夫が冷たい……」と母が伯母に嘆いていたという話を聞いて、少し反省した。

私と両親の会話は、お互い健康に天寿を全うしても、あと100時間ないかもしれない。貴重。

……なんて話を知人にしたら、「あのさ、どうして100時間を1000時間に増やそうとか、考えないわけ?」と呆れられてしまった。結局、両親と同居したりする気がないんだよね。基本、冷たいんだ。その点、知人は言行が一致している。二世帯住宅を建て、夕食担当に立候補し、家族の食卓作りに腐心している。

世の中、偉い人ってたくさんいるものだな。ただ、これは素朴な疑問なんだけど、奥様とそのご両親との会話とかふれあいは、どうやって確保しているのだろう……。なんか揚げ足取りみたいで質問しづらい。

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