趣味Web 小説 2010-09-20

「転載」「リツート」「非公式RT」……ブログと言葉の選択

小説家の東浩紀さんの講義を受けた学生が、簡易コミュニティサービス(twitter)で試験中にカンニングしたという投稿をしたところ、同サービスで自分の名前を検索するのが趣味の東さんに発見され、投稿を転載(リツイート)された。その結果、少なくともネット上では社会的制裁のような様相になったそう。東さんはコミュニティの人気者で、登録読者(フォローしている人)が多い。それゆえ、東さんが転載をした時点で、そうなることは予見されていたという。

……って、10年後を見越して固有名詞を排して書いてみたけど、twitterは「twitter」と書きたいな、やっぱり。でも「リツイート」や「フォロワー」は、まだ使うのに抵抗がある言葉。現在の読者を前提とすれば、単に転載と書くよりリツイートと書く方がズバリの表現になるだろうし、もっと踏み込んで公式RTか非公式RT(=事実上のQT)かを書き分けた方が、情報が精細になってよいのかもしれない。ちなみに東さんがやったのは非公式RTだった。ならば「転載」と書かずに「非公式RT」と書けばいいじゃないか?

……んー、そうかな。さっき「10年後を見越して」なんて書いたけど、それも違う気がする。たぶん、自分は10年後でも「非公式RT」で困らないだろうし。「あー、あったね、そんなの」って感じで。『先行者』とかさ。読者にはわかんなくても自分にはわかるので、いちいち過去ログを直そうと思わない。

だったら何なのか、ってことになるんだけど、はてなブックマークが登場した当初、私には警戒感があって、はてブという略称を避けていた。まずソーシャルブックマークとは何ぞやというメモ記事を書き、そのひとつとしてはてなブックマークを紹介した。これは読者への配慮というより、私自身のはてブ(ユーザーのコミュニティ)への距離感の表現だったと思う。

いま私が「リツイート」を「転載」と書きたいと思うのも、同じではないか。twitter(ユーザーのコミュニティ)に対して警戒感がある。「リツイート」「公式RT」「非公式RT」「フォロー」「被フォロー」「フォロー数」「フォロワー」といった言葉をそのまま使う人々への距離感が、引っ掛かりとして現れている。

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