趣味Web 小説 2010-10-26

商業フィクションと価値観対立:補足

あんよさんの研究記事「ハートキャッチプリキュア 堪忍袋の緒が切れるまで」「ハートキャッチプリキュア ここらが正論の限界よ」を読んで書いた商業フィクションと価値観対立(2010-09-17)の追記。

現状維持に納得できた時点で「こころの花」を枯らせずにすむはずです。

納得。あと、選択肢を提供することが大切、という意見には全く賛成です。それにA思考「あきらめる」とB思考「困難に立ち向かう」のうち、周囲の支援が必要なのはプリキュアのB思考。テレビ番組がB思考を推すのは理に適っている、とも思います。あと、私の中には相反する気持ちがあって、B思考を貫いて人が幸せになる展開に感動することは否定できません。

前の記事をあらためて読み返してみると、話が逆だったかも……と思えてきました。私(たち)には人生経験からA思考に親和的なバイアスがかかっていて、敵幹部がとてもひどいことをしているのを見てさえ、敵幹部をちょっと応援してしまう。あんよさんがプリキュアのシナリオを検討して、意外に敵幹部の主張の正当性が低いことを明らかにしていくのは、いわば憑き物落とし。やっぱり敵幹部は支持できないでしょ、という。

私はあんよさんの研究を読んで、それから記事を書き始めたので、事前に自分が持っていた考えが書き換えられたことに気付かなかっただけなんじゃないか。敵幹部の悪行を、その主張への共感によって中和してしまい、不当に小さく見積もってはいなかったか?

だから、「あんよさんの研究を読んでもA思考とB思考の対立は解消されない」というネガティブな表現は不当で、「あんよさんの研究によって、擁護すべきでない部分まで擁護してしまいかねない状態が解消され、価値観対立の構造に惑わされずに作品を楽しめるようになった」と、まずいうべきだった。

ていうか、これって、当たり前すぎる感想を回りくどく書いてるだけだな……。

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