趣味Web 小説 2010-11-30

Excel にも「印刷レイアウト」編集モードがほしい

1.

個人的には、これを問題視する人の「こだわり」にどんな実益があるのかがわからない。むしろ「ようやく」という感がある。日本中で方眼紙が作られていて、その中には不出来なものも少なくなく、大勢が不便に感じていたのだから、最初から質の高い方眼紙テンプレートを用意されるのは歓迎すべきことだろう。

「Excelは本来……」といったって、じゃあ他に、だいたいどの業務用パソコンにも導入されているソフトで、現在Excelが担っている仕事を引き受けてくれる存在があるか。ないじゃないか。

「いくらなんでもこんな書類くらいはWordで作るべきだろう」と思うなら、テンプレートを自分で作成して文書管理関係の会議に提案したらいい。それが面倒だというなら、黙っている方が組織の利益になる。担当者に任せるとテンプレートがExcelで作られるという状況を変えるコストと、その状況に甘んじるコストの比較の問題に過ぎない。経験的には、Excel製の書類や図面には一定の合理性があって、これを頭ごなしに変えてみても、意外な問題が次々に出てきてすんなりいかない。

上記の記事では、Excelで作った書類を自動処理するケースを例示しているけれども、もっと素朴には、入力制限や、入力規則の情報を各セルに持たせることができる、といった機能がよく使われていると思う。空欄にカーソルを合わせるとポップアップで入力形式を表示させる、とか、入力文字列を書式機能を駆使して自動で変換する、とか。

2.

類似の現象として、画面上に表示されるワークシートのイメージと印刷結果またはプレビューの表示が異なるという問題が起こることがあります。

割と多くの人がExcelの挙動で気になっているのが、この問題じゃなかろうか。編集画面ではセルに文字列が収まっているのに、印刷してみたらはみ出していたり、2行になったり。あるいは表をWordに図として貼り付けてみたら、ちょっと見た目が違う、みたいな。

Excel は行、列単位でサイズのデータを持ち、表示の調整をしています。他の種類のアプリケーションに比較しても、表示に関して計算処理が多くなることで速度が遅くなります。表計算ソフトの性格上、行や列のサイズを変更したり、スクロールさせたりする操作は頻繁に行なわれますので、Excel ではある程度処理を簡略化することで速度を優先させています。Excel では、サイズの基本単位として「標準フォント」で指定されたフォントの幅をベースに、その時点でのプリンタ ドライバからの情報も合わせて計算で求められた「ポイント」を使用しています。この方法は、環境に依存しますので表示上の正確さには欠けますが、表示の度に表示領域と表示文字列の調整 (計算) を行わなくてすむため、速度的に有利になります。この他にもいくつかの理由によって、ワープロソフトや DTP ソフトなどのように出力を重要視するアプリケーションよりは厳密ではない部分があります。

なるほどね……。それでも、個人的には、Excelで文書を作りたいという需要は非常に大きいのだから、「行と列の制約は厳しいけれども、出力が正確」という編集モードが用意されてもいいんじゃないかと思う。

方眼紙テンプレートは、まさにそうした編集モードがあってこそ真価を発揮するはず。

私好みの記事スタイルではないが、知人に説明して「よくわかった」と納得されることの多い記事群で、重宝している。

追記:

Excelとは関係ないが、電子データをきれいに印刷することの難しさが実感として伝わってくる記事として、興味深く読んだ。まあ私の場合、読んだ内容を役に立てる機会はないが……。

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