趣味Web 小説 2011-07-20

「なぜかお金が貯まる人」の本当の“貯め習慣”2つ

1.

はてブでは「年収の差で貯蓄額の差が説明できてしまうではないか」といって話を終わりにしている人が多いが、データを見てみると、そう単純ではない。

表1

上の表は記事中の図版2つをまとめたもの。このうち、支出の部分のみを抽出して整理すると、次のようになる。

表2

貯め上手は19.7万円、貯め下手は25.7万円を消費しており、その差額は約6万円と大きい。貯め上手の消費額は貯め下手の約3/4となっている。貯め上手と貯め下手の消費行動には、無視できない違いがある。

2.

貯め下手の人は、何に気をつけるべきか?

グラフ1

グラフ2

初歩的な分析から、

これで消費の差額の57%が解消できることがわかる。これこそが「なぜかお金が貯まる人」の本当の“貯め習慣”2つ。節約を志す人は、何はおいてもこの2項目に全力で取り組むべきだ。

これらも足せば、差額の79%まで解消できる。その他の細かい部分は、重要ではない。日経の記事では100円単位の無駄遣いが年間では大きな差なんて見出しが躍っているが、月額6万円もの差は、100円単位の無駄遣いの積み重ねから生まれているのではない。大局に目を向けるべきだ。

3.

アンケート調査の結果からは、「細かいところでルーズな人は、大きなところでもルーズ」という相関があるようだ。私は「大きな問題さえ片付ければ、小さなところは気にしなくてよい」と考えるのだが、実際には、まず小さい問題を気にする習慣がないと、大きな問題を解決できないのかもしれない。

例えば、この記事で私は「外食しない」「旅行は帰省のみ」「新車は買わない」と提案したけれども、「うん、そうだね」と賛同してくれたのは、細かな節約に気を配れる人が過半だった可能性がある。日経が細かな節約術をつらつら書き並べるのは、遠回りのようだけど、節約とは忍耐なので、細かな節約から忍耐力を鍛えていく必要があるのかも。

こんな記事もあるけど、1円にルーズな人より、1円にシビアな人の方が、1万円を節約できる人の割合は大きいと思う。

うー、それでも、「目的意識を持て」「口座を用途別に分けろ」「家計簿をつけろ」なんて、やっぱり脇筋だと思う……。そんなことをせずとも、「ローンを組まない」「住居費を1.3万円減らす」を実践することは可能なんじゃないの? 肝心な情報が埋もれてしまっているのは、もったいない。

4.

ところで、貯め上手と貯め下手の収入と支出を比較すると、どうなるか。

表3

ようするに、データの信頼性が問われる結果となった。

おそらく、貯め上手の人は、アンケートに答える際、実際よりも個別の支出額を小さく申告している。ボーナスから消費に回した分を、月割りで出費に加算していない。

そして貯め下手の人は、毎月の貯蓄額について、見栄を張って嘘をついている。あるいは、実家から年20万円近い仕送りがあることを、黙っているのかもしれない。

5.

「時間の制約なしに現金を引き下ろしても手数料を取られないようにしたい」という方のための記事。年に10回程度、会社帰りに郵便局に寄って現金を下ろせば足りる私などからすると「ご苦労様」という感じだが、一生懸命こういうことを調べて、あれこれ工夫してでも自由度を高めたいと考える人がいるのは理解できる。

教えられて真似しようとするような人には、なかなか、つらいだろうな。この件に限らないが……。

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