男女の生涯賃金格差と、その格差が最近20年間ろくに縮まっていないことに絶句するが、今回の記事では、以降この問題には触れない。なお、これらはいくつかの仮定の上に成り立つ推計値なので要注意。データの作成方法などはリンク先の資料を参照のこと。
ともあれ、このデータに接して、「高校入試や大学入試以上に、就職活動も頑張るべきだな」と私は思った。「とりあえず大学へ行け」を当然視するなら、「とりあえず大企業を目指せ」をいわないのは片手落ち。
私には関係ない話だった……。おそらく世間の9割の人にとっても関係ない話だと思う。「将来有望」な人はお疲れ様。どうぞ好きなだけ悩んでいてください。
私(たち)にできることは、当たる確率の高い箱からくじを引くことだけ。「絶対に外れくじを引かない方法」は夢物語と諦めるしかない。「中学レベルの勉強なんて頑張れば誰でも100点を取れる」とか素朴に信じてる連中の言葉に騙されてバカを見るのは、もうたくさん。凡才には凡才向きの戦術がある。
会社にはシステムとしての力があって、同じ能力の人でも、優秀なシステムの中で働けば、大きなアウトプットを実現できる。優秀な機械だって、部品の大半はふつうのネジや鉄板。組織も同じ。組織の大半はふつうの人で十分なのであって、ここに「ふつうの人は勤務先次第で大いに得をできる」理由があります。
何年経っても、はてブ界隈では世間の1割未満の人に向けた記事が大人気。利用者が増えたら状況が変わるのかと思ったけど、全然変わらない。以前は、テレビが「きれいごと」を並べ立てるのは番組の製作者がエリートだからなのかと思っていた。でも実際はそうでなく、建前の物語を欲している人が世の中に多いらしい。
ただ、少し気になるのは、本音剥き出しの親に対して、子の方は本音まで建前に染まっている人が目立つこと。ずっと夢を見続けられるだけの実力があればいいけど、実際にはどれもサボる口実でしかなくて、「もっと勉強すればよかった」「ちゃんと就活に取り組めばよかった」と後悔する人が少なくなさそうに思える。
大半の就活生に向けて本当に語るべきは、「履歴書の第三者チェックと面接の練習をやろう」くらいだと思う。受験勉強と違って、なぜか就活生の大半はぶっつけ本番。だから完全に対策した者勝ち。いまは鈴木健介『就活は子どもに任せるな』など、面接の練習に付き合う大人向けの解説書も安価に売られてる。建前論は挫折したときにすがればよく、まずは本音をきちんと見据えて実利を追うべき。
いやー、驚きますよね。この2011年において、JTBに興味をもつ学生を8万人も育てる日本の大学教育の質ってどうなんですかね。もうちょっと先見性のある学生を育てた方がいいんじゃないかと思いますけど。
JTBという一企業はともかく、半世紀以内に旅行業界自体がなくなることはない。先細りであれ、存続する。だから、この先ずっと続く戦線の縮小と撤退を担う人材は、当面必要とされ続ける。誰かがやらなきゃならない仕事なんだ。「8万人も」だからこそ、JTBでいいんだよ。
これほど大学進学率が高まった今、Chikirinさんが納得するキャリアプランを立てるような学生ばかりでは困るんだ。「何となく**が好きだから」程度の理由で、あちこちの業界に飛び込んでいく学生が主流でなければ、日本は大多数の若者が泣き暮らす国になってしまう。JTBに入社してから3年後には後悔しているかもしれないが、内定が出たそのときは「やったー!」と喜ぶ、そういう学生が大多数の方が健全だよ。
Chikirinさんの記事は、世間の上位3%程度の人、公立小学校のクラスでNo.1くらいの人に向けた話で、その他の有象無象の側である私たちには関係がない。こういうのを勘違いして、何の裏付けもなしに「自分はChikirinさんの側の人間だ」とか思い込んでも、いいことない。