据え置き型電話と見分けがつかないPHS電話機のWX02A イエデンワが話題に。
個人的には、今までこういう機種が存在しなかったのが不思議に思える。携帯電話は持ちたくないけど、固定電話は工事費とかがつらい……ということで悩んだ経験があるのは、私だけではないと思う。資料に目を通した感じ、留守番電話録音機能について書かれていないのが気になる。据え置き型らしく50件くらいまで対応してくれたら面白いように思う。
固定電話の録音機能がリッチになった90年代、「故人の遺品を整理していたら録音データの中に家族宛のメッセージが残っていた」「祖父母が孫の声の録音データを年に1~3件くらい消さずに残しておき、成人のお祝いの会に電話機を持ってきて録音データを披露した」とか、いろいろなドラマが生まれた。30秒×3件なら実務的な道具の枠を出ないが、30秒×30件以上なら物語になる。
PHSは旧機種が使用不能になるような通信方式の刷新が予定に入っていないし、撤退さえなければ10年間使い続けられる可能性がある。10年間あれば、リッチな留守録機能がドラマを生み出すには十分。でも、わざわざイエデンワを買う人が留守録の件数の多さに魅力を感じるわけがない。そんなに留守録が多いなら、とっくにふつうの携帯電話を買っているはず。
とすると、イエデンワには留守録機能がないという可能性も……。端末の機能ではなく通信事業者のウィルコム側で留守録対応するサービスがある(そもそも電話がつながらないケースに対応するもの)ので、端末側に留守録機能がなくても、おかしくはない。
でもね……「留守録50件? そんなに電話かかってこないよ」という人こそ、ドラマを作りやすい人なんだよね。しょっちゅう留守録が増えるような人って、どんどん録音を消しちゃうから、逆に無意味でさ。こういう、不必要な機能がドラマを生み出す話って私好み。社会の豊かさの象徴のような気がする。
このところ子ども向け携帯電話の新作が少ない。いや、あるにはあるんだけど、ボタンがひとつだけで、保護者への連絡専用とか、そういう端末なんだよね。いくら少子化が進んでいるとしても……と思っていたのだけれど、周囲の人に話を聞いてみると、子どもが子ども向け携帯電話を歓迎していないのだそうな。
どうせなら自由度の高い端末をほしがるというのは、自然なことだと思う。説明書はどうせ読まないから、説明書にふりがながあってもなくても気にしない。しかも、子ども向けだからといって端末価格が安いわけでもない。WILLCOM STORE|電話機を見ても、nicoハートは少し安いだけ。
多機能端末を、自主的に機能を絞って使うのでもいいけど、個人的には、最初から機能が少ない方が好み。それで子ども向け携帯電話には関心を向けてきたが、ボタンひとつではさすがに困る。WX01UTはライトメール以外のメールに対応しない実質的に通話専用の端末。子ども向け市場が変質したかわりに、一般端末の幅が広がったのなら嬉しい。