趣味Web 小説 2011-09-24

「消すな」は見せしめの論理

同じことを何回でも書く試み。

問題発言の削除を責める人には与しません。削除した後で、「私はそんなことはいいませんでした」と嘘をつくなら、それは問題です。しかし、そうであっても批判すべきは「嘘」であって、過去の発言を公開の場から取り下げたことではないでしょう。

「なかったことにはできない」は自省の言葉です。完全ではないにせよ、ひとつ間違いを認めて言葉を撤回した人に対して、永遠に旧悪を磔にして晒し続けることを正当化する言葉ではありません。少なくとも私は、そう思います。

「消すな」は見せしめの論理。見せしめの論理は、悪党の常套手段。恐怖で人を支配する発想です。正義の名のもとに、悪を屠って祭壇に捧げ、その血によって世界を自分の信じる破邪の光で満たさんとする企みです(中二病)。生贄なしに広められぬ正義など、正義ではない。悪を叩いて、叩いて、何もいわなくなるまで叩き続けなければ安心できない人は、自分の心の闇にも眼を向けるべき。

削除を叩く人には、発言の撤回も反省のひとつの形だと、わかってほしい。正しくあろうとする人こそ、自らの怒りの感情と真っ直ぐに向き合い、それを制御する意志を持ってほしい。

あるいは。所詮は価値観対立である。どちらに絶対の正義があるわけでもなく、ある「場」において多数派が少数派を黙らせただけのことやもしれぬ。衆寡敵せずやむなく退いた少数派が、何を反省するわけもない。これは戦争なので、投降しない敵を膾切りにしてやるのだ、と血気に逸るのはわかる。が、それでも、問いたい。それが、本当に、あなたの正義か。

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