趣味Web 小説 2012-01-17

memo:教科書通り

これまでの日本人の歩みを振り返るに、夏を過ぎ、火力発電所が修復された後、節電の努力などコロッと忘れてしまいそうだな。地球温暖化にも本音では関心が薄いし、火力発電頼りの状況が続くのだろうな。

震災前までCO2の排出が多くて叱られていた中部電力と、環境優良企業だった関西電力。1年足らずの間に、世間の評価がクルッと変わってしまった。昨春、東北と関東の電力不足を心配して関西方面で事業所を移した企業もあったが、担当者はいま、どんな思いでいるのだろうか。あるいは、今頃またフットワーク軽く中部へ移動したり、関東に舞い戻ったりしているのだろうか。

それにしても、関西電力の原発が全て止まるとは、昨年3月の自分は思っていなかった。原子力発電もそこそこ動く前提で、来年になれば節電なんか忘れているだろうと予想していた。日本人にとって、電力の優先順位って、意外と低かったんだな。

昨日まで動かしてきた発電所なのに、いったん止めると再稼動できない。「計画を変更して止める」ことは難しいのに、「計画を変更して動かさない」ことはできてしまう。たいへんな話で、胃に穴を開けている人もいるだろう。それでも、「心理学の教科書通り」に事態が推移するのを見て、ちょっと「面白い」と感じている自分もいたりする。

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