趣味Web 小説 2014-01-27

「プレイスタイルが健康的なゲーム機」待望

1.

「任天堂がWiiUで失敗したのは明らか」ということで、いろいろ意見が出ている。とりあえず3つリンクしてみた。

私自身はWiiUが大好きなので、市場で受け入れられなかったことが残念でならない。WiiUには今後いつまでソフトの供給が続くのだろう。WiiUが好きでない人は「さっさと見切りをつけて次へ行け」みたいな感じだけど、私はそれでは困る。

ともあれ、私もWiiUの失敗については少し思うところがあるので、この機会に書いておきたい。

2.

コンソールゲームは、ドラクエやマリオから4半世紀を経た今でも、(一般論としては)自己紹介でプラスの印象を形成できる趣味とはなっていない。その理由はいろいろあるんだろうけど、単純には、コンソールゲームで遊んでいる人の姿が「いかにも不健康な感じ」だからだと思う。

将棋指しやハスラーなら、まだしも絵になる。しかしコンソールゲームをプレイしている姿は、猫背で、うつむきがちで、そこから連想されるのは病人だ。つまり、両手でコントローラを持つスタイルでは、ゲームへの悪印象は拭えないのではないかと思う。

みんなが自らゲームをプレイする社会になれば自ずと偏見はなくなる……という説もあったけれど、やたらめったらコンソールゲームを遊ぶようになった私自身が、その反例になっている。やっぱり、黙々と3DSなどで遊んでいる人を見て「不健康な感じがする」のは、全く変わらない。

見た目の印象をどうにかしないとダメなんだ、と思う。

3.

個人的には、WiiUがうまくいかなかったのは、「Wiiが『Wii Sports』と『Wii Fit』で成功した理由」を見誤ったからだと思っている。

『Wii Sports』は、美男美女の笑顔に頼ることなく、ふつうの人がプレイしている様子(ゲーム画面ではなくプレーヤーの姿)が宣伝映像として成り立った。これはすごいことだ。

とくにテニス。Wiiリモコンをテニスラケットの柄に見立てて、ブンブン振る。省力スタイルでの着座プレイも可能だそうだが、多くの方が実際に中腰で立ってプレイしていた。「筋肉痛になった」という話を、私の周りでも耳にした。テレビドラマなどでも、「活動的な少年」が嗜むコンソールゲームとして、よく登場した。

『Wii Fit』は特殊な体重計をコントローラとし、リアルに健康体操をするソフトだ。これも、ふつうの人がプレイしている様子を見て、不健康な感じがしない作品だった。「ああ、これはたしかにやればやるほど健康になりそうですね」と、私もすんなり納得できた。

だから、私にとってWiiの当初のイメージは「プレーヤーを不健康にしないゲーム機」だった。これって、とっても大切なことだったんじゃないか?

4.

両手で持つスタイルでも、DSは売れた。でも『脳トレ』『レイトン』や生活お役立ち系のソフトがたくさん売れたことを考えると、「ゲームをする言い訳がほしかった人」が相当に多かったのではないかと思う。「脳が若返る」とか、「アタマの体操」とか、「便利なんだよ!」とか。

最初はそれでよかったが、問題はその先だ。DSもWiiも、次第に言い訳の困難な「ザ・コンソールゲームな作品」が主流になっていった。『トモダチコレクション』『おいでよ どうぶつの森』などは、「ふつうのゲーム」ではなかったからこそ、「不健康なイメージ」に染まらずにすんだのだろう。

まだWiiの『マリオカート』はよかった。ハンドルを傾けて運転している限りは、「ドライブ」のイメージを借りることができた。しかし一人で『NewスーパーマリオブラザーズWii』をプレイしている姿が絵になったかというと、いささか無理があったと思う。DSの『Newマリオ』は松嶋菜々子さんだから絵が成り立ったんだ。

両手でコントローラを持たせてはいけなかった。またWiiリモコン片手持ちでも、コタツに入ったままダラけた姿勢で遊べるWiiソフトではダメだった。しかし、『Wii Sports』のようにプレーヤーを筋肉痛にするソフトは、他に『JUST DANCE』と『太鼓の達人』くらいしか思い浮かばない。

WiiもDSも、購入してからしばらく経つと「やっぱりこれはゲーム機であり、不健康な機械なんだ」という印象が強まっていったように思う。

そしてWiiUでは、両手持ちスタイルのゲームパッドが同梱され、片手持ちが基本のWiiリモコンは付属しなかった。元の木阿弥だ。

5.

WiiUはPS4やXBOX oneに市場で負けた。しかしそもそも、そっちの土俵に乗ってはいけなかったのだと思う。いや、WiiUはもちろん、PS4などとは別の路線を選択したつもりだったろう。しかし、いち消費者の実感として、WiiUはPS4などと同じカテゴリに入れられている。

「人が健康になる機械」か「人が不健康になる機械」か。WiiUがWiiの成功を踏襲するためには、前者を目指さなければならなかった。あるいは、後者の道を選ぶなら、PS4などと真っ向勝負する必要があった。

スマートフォンはどうなのか。まず、「せめて片手持ち」だと思う。私の周囲でウケている作品は大抵、片手持ちだ。この点さえクリアすれば、「スマホはゲーム機ではなく、電話機だ」という最高の「言い訳」がある。買う理由、電源を入れる理由として、これほど強力なものはそうそうない。

スマホでゲームに興じる人々のリアルな写真」を見ると、その不健康な感じに「うっ」とくるものがある。しかし、「だからスマホはダメ」とまではいかない。それがスマホの強さ、底力だと思う。

以上、とくに根拠なく、思うところをつらつら書いた。

ただ、私自身は両手持ちのコントローラで遊ぶゲームが好き。WiiUで『Wii Sports』のような作品が大成功し、私はドラクエを遊び続ける……というのが、私のムシのいい願い。

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