4 : 03 ピア・トゥ・ピア入門

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[af] アフガニスタン・パイプライン

2001年11月13日
記事ID d11113

刃物をつきつけ、「服を脱いでこれこれこういうことをしろ」と屈辱的なことをやらせるとしますよね? 相手のこころを深く傷つけ一生残る傷を残すようなことを。で、それをみて、あなたがたは「刃物をふりまわすのは危険だからいけません。刃物反対」と言っている。

「テキサス州ヒューストンは全米で最も大気汚染の深刻な都市として知られ、ブッシュ氏は汚染緩和への努力を怠っていると批判されていた。自身が油田開発事業を手がけた経歴を持ち、石油業界との太いパイプがあった。」――毎日新聞2001年4月3日

ブッシュ大統領はもともと石油探査会社の経営者。米石油業界はその大統領から、三年後の再選も見据えた政治的保護を受け続けている。その利権に絡んで、密使を急派するほど重要な「パイプライン計画」とは何か。一通の声明文がある。

「われわれは九五年から進めてきた、トルクメニスタンからアフガニスタンを通過し、パキスタン、いずれはインドにも至る天然ガスパイプラインの建設計画を中断する。アフガニスタンに再び平和が訪れた時、計画は再開する」

東京新聞2001年10月2日

「戦争は人殺しだからいけない」とかの見解も分からないでもないが、何度も言うように、これは「報復」でも「戦争」でもないし、米側軍事関係者も最初からラディンになど興味ないと断言している。

きいてジャイアンリータ

地球リーナとジャイアンリータ、ふたりは、とても仲悪~い★
京都議定書、世界につきつけ、自分は批准ひじゅんしないの。
景気対策、自国のためなら、平気で戦争始め、
枯れ葉剤、劣化ウラン、クラスター、なんでも撒き散らす。
ノビタリーナ: 聞いてジャイアンリータ! ちょっと言いにくいんだけど。
戦争始める前に、蛍光灯で省エネとかできないの?
不景気なら、自分が節約しようよ!
ジャイアンリータ: 黙れノビタリーナ、俺様のげんこくらったら、
黙れノビタリーナ、お前は痛いと、思うだろ?
だから俺は正義だ、ノビタリーナ!

ジョージ・ブッシュ現大統領の父が大統領だった時に起こった湾岸戦争は、米国の景気対策(及び大統領選挙対策)だったというのが現在では通説となっている。現在のブッシュ政権のバックボーンには、軍需産業とエネルギー産業 ( 石油業界など ) があると指摘されている。このようなことから、「この夏にも中東で戦争が勃発する」との予想さえある。

Microsoft Money Headline 2001年7月9日

死んで地球りーな、ちょっと言いにくいんだけど。
死んで地球りーな、誰とでもいいから戦争したいの。
――ひゅるるるるるる、ずどぉん(誤爆音)――
死んでくれてありがと、地球りーな。

Image quoted from www.eic.or.jp

「戦争は儲かる」というが、地球全体で見れば、ものが大量に破壊されエネルギーが浪費されるのだから、基本的に大損失が生じている。にもかかわらずある国が儲かるとすれば、ますます貧富の差が拡大し、もともと持たない者がさらに吸い取られるのだろう。

死んでタリバリーナ、ちょっと言いにくいんだけど。
死んでタリバリーナ、オレの利権に、お前、じゃま。
――ズキューン(銃声)――
死んでくれてありがと、タリバリーナ。

「ブッシュ氏はテキサス州西部育ち。1978年、連邦議員に立候補するが落選し、その後10年ほどは石油ビジネスを手掛ける。しかし、1980年代は石油業界にとって厳しい時期で、ブッシュ氏の会社は2度にわたって破綻の危機に。そのころ、父のブッシュ氏は副大統領の地位にあり、ホワイトハウスを目指していた。」放蕩息子から大統領へ――ブッシュ次期米大統領の横顔(CNN、2000年12月14日)

あんたにゃ もったいない
あたしゃ ほんと super power, power, power
自分で 言うくらい
タダじゃない! じゃない?

無ければ 起こせばいい
不安あおって super power, power, power
誰にも分からない
あのへん、っていつ火がつくのか
ダイナマイト! 利権はダイナマイト!

どんなに不景気だって 支持はインフレーション
こんなに支持率あがっちゃ み~だ~ら~
明るい ユノカル
再選希望だわ~

業界の未来は(ぼうぼう燃やそう)
世界をほろぼす(イェイ、イェイ、イェイ、イェイ)
暴走しようじゃないか(ぼうぼう燃やそう)
Die! Dyin' with CO2

なんだか ものたりない
もっともっと ひとりじめしたい
自分で 正義づら 恥ずかしいじゃない!

理想の大統領
憧れよ 金持ちアメリカ
だれしも 気づいてない
繁栄って夢の落とし穴
デストロイ! 地球はデストロイ

そんなの 不自然だって 現地はメイワク
それでも 自分が儲かりゃ い~い~の~
京都の議定書 キャンセルしちゃうの?

あんたの笑顔は(ぼうぼう燃やそう)
世界がうらやむ(イェイ、イェイ、イェイ、イェイ)
夢があるじゃないか!(ぼうぼう燃やそう)
Die, dyin' with CO2
Oil oil oil machine(ぼうぼう燃やそう)
Oil oil oil station(イェイ、イェイ、イェイ、イェイ)
Oil oil oil factory(ぼうぼう燃やそう)
Oil, oil is so wonderful...

Yeah!

業界の未来は(ぼうぼう燃やそう)
世界をほろぼす(イェイ、イェイ、イェイ、イェイ)
暴走しようじゃないか(ぼうぼう燃やそう)
Die!

ヤンキー娘。も(ぼうぼう燃やそう)
あんたもあたしも(イェイ、イェイ、イェイ、イェイ)
みんなも社長さんも(ぼうぼう燃やそう)
Die! Dying with CO2.

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戦争を商売にする大人達

2001年11月12日
記事ID d11112a

カネ払う 人に優しい カブールノート

カブールノートという自分語りなサイトがひょんなことから有名になって本になったまでは良かったが、ウェブのコンテンツは消してしまったらしい。「これからは本を買って読んでください」? アフガニスタンが負わされている不幸について、広く訴えようという気があるのだろうか。本の売り上げと情報の発信とどちらが大切なのだろう。

自分の話が中心に

「アフガニスタンの状況」を訴えていた大量のコンテンツが消え、表紙もこんな状態に……。書き手に魅力があるのでなく情報に魅力があるのだ、と気づいて、勘違いから復帰してほしい。

2001.11.12 23:30 追記。カブールノートは、現在、Googleで読むことができます。カブールノートの作者に頭を冷やして強くなってもらわずとも、要は内容が読めればいいので、それで行きましょう。
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&
q=cache:http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/index.html
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&
q=cache:http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/islamc/ic01.html
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&
q=cache:http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/islamc/ic02.html
以下同様に見たいページのURLの前に、
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&q=cache:
をくっつけてください。

キャッシュをいちいちリトリーブするのが面倒なかたのために、ZIP書庫にまとめときました。kabul_note.zip(文字コードSJIS)。このアーカイブは、公開されているGoogleのキャッシュをそのまま透過的にリレーしているだけでネットワークの一部として機能しているにすぎません。この件についてのお問い合わせはページ末尾のメールアドレスまで(メールは原則として公開します)。

「1ch.tv」やプラエセンスのような、(とくにネット上との関連において)みだりに情報やアイディアを抑圧してまでお金儲けを第一優先とする人々と、わたしは敵対します。が、もしカブールノートの書き手が緒方のような強い人だったら、そもそもカブールノートは無かったかもしれませんし、あのような私小説的な視点のほうが読みやすいという読者も多いと思うので、決して内容を否定するわけじゃありません。内容は素晴らしいと思うからこそ、ウェブで一般の読者が読めなくなってしまうのが残念なのです。情報の内容としては特に目新しいものがなくても、プレゼンテーションは重要だと認識しています。多くの人は書き手が好きでないと発言内容も拒絶するかもしれませんが、それは間違いです。それにしても、こんな状況をお金儲けや名声欲に利用するのは好ましいこととは思えません。いくら再来年には売れない本でも。

関連リンク

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ピア・トゥ・ピア入門

2001年11月12日
記事ID d11112

子どもの運動会やらの数十MBあるホームビデオの動画を知り合いに送るとします。

添付ファイルにして送ろうとすると、社内LAN等ならともかく、2001年現在、ほとんどのメールサーバではメールサイズが大きすぎると言われ、メールが通らないでしょう。たとえ送れるとしてもメールサーバの負担になります(とくに、そういう使い方が広まれば)。しかも添付ファイルとして送ると、約3割もサイズが増えてムダばかり。

ではCDに焼いて郵便で送りましょうか? ――考えてもみてください。あなたのマシンも、相手のマシンも、数十MBのファイルなんて、なんともない大きさのハードディスクがあるハズです。そして、ふたりとも毎秒1MBを流せる高速接続だとします。この状況で、「メールサーバのつごうで転送できません。ご面倒ですが、いったんCDに焼いて、郵便局まで行って数日かけて郵便で送ってください」なんてナンセンスきわまることでしょう。直接、転送できればいいのです。そうすれば、メールにエンコーディングすることによるサイズの増加もなく、きわめて合理的。毎秒1MBの線なら数十秒で直接転送できるし、CDも封筒も要らないのでゴミも発生しません。もしひとりひとりの回線が毎秒・数百MBとか、その一万倍とかの速度になれば、もう中央のサーバなんて要らないくらいです。

これがピア・トゥ・ピア(P2P)の考え方です。

電話網のたとえ

ピア・トゥ・ピアという新技術は、インターネットの持っている潜在的なちからを引き出すものです。

従来、ネットは、「クライアント・サーバ」で動いてきました。メールを送信するとか、ホームページをftpでアップロードする、というのは、クライアント(依頼者=あなた)がサーバ(中央のマシン)にメールやウェブページを転送して、そこに保存することです。受信側は、メーラやブラウザを使って、サーバからメールやウェブページをダウンロードします。

サーバを通すということは、たとえるなら、日本の国内で、どこからどこへ電話するのでも、必ず東京で中継するようなものです。名古屋から東北への通話なら東京を通るのも合理的かもしれませんが、大阪市内の通話なのに、わざわざ東京で中継するのはムダです。そんなことをすれば東京は日本中の電話をさばかなければならなくなり回線が重くなるし、万一、東京がダウンしたらすべての通話が通じなくなるし、また、東京に盗聴器をとりつけられると、すべての通話が盗み聞きされてしまうでしょう。――このように、ものがどこかに集中するというのは、利点もあるけど欠点もあります。

道路網のたとえ

電話のかわりに道路だと考えてみましょう。国内を網の目のように道路があるのは、目的によっていちばんつごうが良いように、基本的には、どの道を通ってどうとでも移動できるためです。それが道路の本来の働きです。もし「どこからどこへ移動するのでも必ず、いっかい東京に出なければいけない」という規則を押しつけられたら、道路網は本来、持っている利便性を発揮できなくなり、とんでもない渋滞が発生するでしょう。すぐそばに住んでいる友だちのところに行くとき、ふたりを直結する高速の道が常時つながってるのに、いったん中央まで出てVターンするのはムダです。

実際、このウェブサイト(妖精現実)のサーバは大阪の耐火施設にあって、telnetで保守しています。ですから、例えば大津市内で友だちとメールをやりとりする場合でも faireal.net のアカウントを使うと、いったん大阪までメールが行くわけです。チャットでもそうです。わざわざ大阪のサーバ上でチャットすることで、大阪のサーバも重くなります。大津市内同士で、同じケーブル会社の線がつながっている友だちだったら、直接やりとりしたほうがてっとりばやいし、軽いし、大阪のサーバにムダな負荷がかからないことは明らかでしょう。滋賀と北海道だって、チャットするのに、わざわざ大阪に集まらなくても、ホントは直結でいいのです。チャットに対してインスタント・メッセージ(IM)と言われるものです。

しかも(現実には、そんなことは、ないでしょうけど)もし大阪の耐火施設を管理してる人が、faireal.net の情報が入っているマシンにしかけをすれば、あなたが出したメールでも何でも読み放題。直接転送できるのに、よく知らない第三者経由で送るのは、必ずしも理想的とは言えません。

依頼者と中央の関係(クライアント・サーバ)と、対等な友(ピア)と友(ピア)の関係(ピア・トゥ・ピア)。意味するところは、そんな感じです。

クライアント・サーバ(当初のネット)が普及し始めたときも、新しい世界、新しいコミュニケーションなので、新しい問題やルールが必要とされました。旧世界である物理層での人間関係との対比ではネチケットなどと言われてました。次世代のピア・トゥ・ピアも、導入に際しては、新しい過渡的問題がいろいろと出てくると思います。クライアント・サーバのインターネットが、わたしたちの世界を大きく拡大したように、P2Pが普及すると、また驚くような新しいものが見えてくるでしょう。

P2Pは、多くの人が、当たり前に長時間ネットにつなぐようになって可能になりました。ほとんどのユーザが電話代や接続料を気にしながら、メールチェックだけして1分ですぐ切断していたような時代には、P2Pなど望むべくもなく、オフラインのあいだに書き込みやメッセージを保持してくれる「中央」の助けがどうしても必要でした。今後は、必要に応じて、クライアント・サーバとP2Pのべんりなほうを選択するようになるでしょう。

温故知新おんこちしん

本質的には同じ一次情報はひとつだけあれば良いのであって、わざわざガソリン自動車のトラックに乗せて同じものが入っているCDメディアなどを物理的にあちこちに配るのは、資源のムダ、ゴミのもと以外の何者でもありません。トラックで時間をかけて媒体を運ばなくても、オンラインで必要な中味だけを一瞬で転送できるからです。高速回線はトラックより速いです。ですので、ゆくゆくは、システムを変えて、オンラインで販売して厳しいコピーガードをつけるか、あるいは、ファイル化できるものは空気と同じで売り買いになじまない、とでも認識を変えるかしかないでしょう。

技術が進歩し、社会の実態が変われば、それにあわせて実態に合わない法律や制度や習慣や世界観が変わるのは、よくあることです。新しい技術だからというだけで手放しで支持するわけには行きませんが、「広まると古い商売がやってゆけなくなる」というだけの理由で、技術そのものを敵視するのも、おろかでしょう。古い商売が資源のムダ、ゴミのもとであれば、なおさら。

例えば、かつて「ビデオデッキは違法だ」と主張したがった業界があります。一般の人は、気にせずテレビ番組などの録画を続けましたし、今では録画が違法だなどと言い張る人は、ほとんどいないでしょう。もし業界の圧力に屈して、番組を録画するという技術が封印されていたら、いま我々の生活は、とんでもなくふべんだったでしょう。そのふべんさがどのくらいの「差」か?というのは、実際にビデオが普及しているからこそ「もしビデオがなかったら……」と実感として理解できるわけです。

ビデオの普及を基礎として、さらにはホームビデオのような、新しい創造や自己表現の手段も発達してきました。当初は「ただテレビ番組を記録できるだけの技術でしょ? たいして役立つと思えないけど」というかたも多かったでしょうけど、将来は分からないものです。「電話」だってそうでしょう。

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ファイルローグの使い方

2001年11月12日
記事ID d11112_2

ファイルローグは現状たいした能力がないのですが、ソフトが日本語版なので、日本語圏のかたがキラクに(もちろん無料で)P2Pを味わえるという意味では、試食に役立つわけです。Windows版の使い方を簡単にご説明します。

法律問題

ファイルローグは最初に触れたようなホームビデオの動画の直接転送などにも簡単に使える可能性があるすぐれたツールです。ブルーリボンでおなじみのEFFも、No one should assume by default that we're criminals「(違法な使い方もできるというだけで)初めから違法と決めつけては、ならない」と強調しています。ほかはともかく、この点はもっともで、メールは犯罪にも使えるからすべて監視するだの、ブラジャーは中に麻薬を隠すことも可能だから中を改めるだの、たとえ話として、そういうことになっては困るわけです。ファイル交換は違法なアダルト画像の配布にも使えるから、という理由ですべてのトラフィックを監視されて、罪もないホームビデオまで傍受検閲されては不愉快だし税金のムダだからです。

不適切な画像を含むファイルを公開したり、著作権を侵害するようなファイルをネットに接続すると、問題になる可能性がありますが、どちらもアップロードした側の問題です。よほど特殊なケースでない限り、ダウンロードする側には問題は生じません。当たり前のことで、例えばNHKがわいせつ映画を放送したからといって、NHKの視聴者が逮捕されるわけありません。放送した側の問題です。

わいせつ物は公然陳列が発覚すればただちに問題になりますが、著作物のほうは民事です。著作権者や関係者が訴えない限り、何も起こりません。たとえ違法コピーしたからといって警察につかまるわけでは、なく(それを売って商売するとかのよほど悪質な場合は別として)、権利関係者から民事で訴えられる可能性がある、ということです。

当事者間の民事であって、刑法上の犯罪ではないので、何を目撃しようが、あなたに通報の義務は、ありません。

例えばショパンの作曲した曲なんか、とっくに著作権が切れてます。持ち主が自分で弾いたショパンの曲を共有フォルダに入れても、なんの問題もありません。売っているCDのコピーなら問題があるかもしれませんが、chopin.mp3 というファイル名だけ見ても、どっちだか分かるわけありません。「自分で弾いたショパン」と書いてあっても、実はホロビッツかもしれないし、「ホロビッツ」と書いてあっても、実はピアノ科の学生が自分で弾いたのかもしれません。ファイル名なんてどうとでもつけられます。実際、著作権があるかないかは、ファイルの属性でなく、それに対する人間の信仰にすぎません。

「ファイルローグ」の規約では、著作権を侵害したり、不適切な画像を含むような、違法とされるファイルをアップロードしてはいけないことになっています。したがって、相手が規約に違反していない限り、あなたがダウンロードしたファイルは合法です。相手が規約に違反しているかどうかについて、勝手な先入見を持つべきでは、ないでしょう。

EFFは、とくにP2P技術に対する圧力を懸念して、Peer-to-peer file-sharing technology platforms like Morpheus are not only capable of noninfringing uses, but are being used for noninfringing purposes today. としています(EFF Defends MusicCity Peer-to-Peer Technology)。P2Pはインターネットが本領を発揮するうえで絶対に不可欠の技術。将来、「音楽業界などはP2P技術をつぶそうとしたことがあるんだよ」というのが「カセットレコーダーを違法だと言い張った時代があるんだよ」というのと同じ笑い話になることでしょう。

いずれにせよ、すでに説明したように、ダウンロードするだけなら基本的に問題ないので、あなた自身の共有フォルダには、著作権とかの問題のない画像とかだけ入れてログインしてみてください。「ファイル交換」と言っても、ファイルローグは、とりあえずダウンロードだけでも試せます。「このようなキーワードでヒットするだろうか」と試すだけ試すのでも良いでしょう。昔のファイル交換用FTPサーバだと(WinMXでも)持たざるもの持つべからずみたいのがありましたが、今は分母が大きくなったので、けっこう共有数が少ないユーザも受け入れられていると思います(良い悪いは別として)。

「ファイル交換」という言い方をすることもありますが、特定の相手と「これとこれを交換だ」などと交渉して承諾を得て始めるわけでなく(昔は、それが多かったらしい)、勝手に検索してほしいものを落とせばいいのです。

インストール

ファイルローグのサイトは日本語で書いてありますから、そこの説明にしたがえば簡単です。「ファイルローグ(日本語版)」などと書いてあるリンクをたどるだけです。

当たり前のことですが、公共の場所に公開されているソフトですから、とりあえずソフトをダウンロードすること自体は、違法でも何でもありません。

ダウンロードするには、利用規約に同意しなければなりません。初めに「当ソフトウェアをダウンロード・利用するためには、専用のアカウントが必要です。必要事項を入力し、アカウントを取得してください」と書いてありますが、この時点ではアカウントは関係ありません。ファイルローグを使ってファイルを転送するとき、最初のログイン時にアカウントとパスワードを決めます(後述)。

サイトの説明にあるように、Windows の場合、JREというものと、ファイルローグ日本語BETA版のふたつをダウンロードして、まずJREをインストール、次にファイルローグ日本語版をインストールします。どちらもダウンロードしたファイルをクリックして画面に出る指示に従うだけです。(将来は、JREとまとめてワンクリックでインストールできるようになるかもしれません。)インストールは極めて簡単、何もいじらず2、3回、クリックするだけ。

インストールが終わると自動的に起動します。手元では、日本語版だとDOS窓が開きますが、使用上は別に問題ないです。

メインウィンドウ: ごくふつう

DOS窓(どすまど): もし開いても気にする必要なし

次回からは、Windows のスタートメニューからか、またはデスクトップアイコンをクリックして、起動できます。

バッチへのショートカットがデスクトップアイコン?

FRという文字

本来のアイコンはコレだが……

ファイルローグはJAVA(ジャバ)ソフトといって、Windows上で、ほかのオペレーションシステムのようなもの(Java VM)を起動し、その Java VM の上で動きます。この説明がよく分からないかたは、要するに起動に数秒~数十秒かかることもある、と覚えておいてください。Java VM を起動できる環境なら、Mac や Unix のようなほかのOSのユーザでも、理論的には同じソフトを使えるので、ファイル共有という考え方からすると、Windows ユーザだけで閉じている WinMX より、こっちのほうが良いのです。その代償として、ソフトが少し重いですが。

共有フォルダの設定

まず、どこかに新しいフォルダを作ります。めんどくさければ、マイコンピュータ→Cドライブを開いたすぐに「共有」とかいうフォルダを作れば良いでしょう。ここに、あなたが共有したいファイルを入れます。ここに入れたものは、なんであれ、ファイルローグにログイン中は、外から見えて外へコピーできる公共物になるので、プライベートなものを入れないでください。

もうお分かりと思いますが、P2Pでの共有というのは、共有するファイルをどこかの共有サーバにアップロードするのでなく、あなたのマシンのフォルダを直接ネットに公開することです。

そしたら、ファイルローグのメインウィンドウにある「共有フォルダ」メニューから「編集」を選び、「追加」をクリックして、いま作ったフォルダを指定します。これだけです。

デフォルトではダウンロード用のフォルダも共有に入っていると思いますが、これは共有から外して(削除して)ください。ファイルローグに限らず、ダウンロード用のフォルダを直接、共有しないでください。でないと、ダウンロードの途中で切れてしまった中途半端なファイルもカタログに載って、壊れたファイルが広まってしまう原因になります。また、ダウンロードしたものを入れておくフォルダが共有されていると「ダウンロードだけだから合法」と言えなくなってしまいます(ダウンロードしたあと、それを送信可能化しているから)。版権などの問題のないファイルで、ダウンロードしたものを共有するにしても、正常なファイルであることを確認してから共有フォルダに移しましょう。

接続する

最初は、「ファイル」→「新しいIDを取得」を選んで、好きなユーザーID、パスワード、メールアドレスを記入して「OK」をクリックします。

次回以降は「ファイル」→「接続」。パスワードがばれると誰かがあなたになりすまして勝手にあなたあてのIMを受信したり返事したりできるのでIDと同じとかは、ダメです。忘れてしまったら新たなIDをとれば良いです。メールアドレスは、いちおう捨てメアドでも書いておいたら良いでしょう。ニフティや接続プロバの本メアドを書くのは、お勧めできません。

検索してダウンロード

ログインできたら、「検索→ファイルの検索」でお目当てのファイルを探してください。検索エンジンと同じです。

いろいろヒットしたら、そのうちほしいファイルをクリックで選択して「ダウンロード」をクリックするだけ。

保存場所を選ぶダイアログが出ます。特に理由がなければデフォルトのままで良いでしょう。

ログアウトする

ログインしたからには、作業後、ログアウトする必要があります。さしあたっては、必ずモニターの前にいるうちに「ファイル」→「切断」してから、メインウィンドウを閉じてください。仕様上は、たくさんキュー(ダウンロード待ち)を入れてログインしたまま席を外して眠っててもいいのですが、そのへんは自分で見きわめてください。いくら回線が常時接続でも、ベータ版のJavaアプリでWindowsのフォルダを共有させたまま学校に行くのは、おすすめできません。

Tips

友だちにおすすめしたいファイル、珍しいファイルを見つけて、共有フォルダをおもしろくすること。貴重で入手困難なファイルであればあるほど、即座に共有しよう。みながそう考えると、おもしろくなります。反対にダウンロードばかりで自分から共有しないユーザばかりでは、寂れてしまうでしょう。

ファイルローグに慣れたら WinMX や Gnutellaも試してみてください。WinMX は英語のソフトですが、操作は単純なので慣れればほぼ誰でも使えると思います(「WinMX」で検索すればすぐ分かる)。いろんな国のファイル(非英語圏も多い)があって楽しいです。

知り合いのかたと待ち合わせての転送に使うときは、ファイル名を一般の人から検索できないものにして、パスワードをかけたGCAにすると良いでしょう。プライベートな転送の内容を第三者に覗かれる心配がなくなります。

「話しかけたほうが良いか」――ファイルローグのことを知らないのでよく分かりませんが、人間が好きなかたは、ファイルのアップロードが始まったら(誰かがあなたのファイルをダウンロードし始めた)、とりあえず相手の共有フォルダをのぞいて、どんな趣味の人だか見たら良いでしょう。

アップロード状況は分かりやすく表示される

上はアップロードが始まった場面です。見たい相手をクリックして選択したら、右クリック→「カタログ表示」で相手の共有ファイルが見れます。

なお、転送速度は、相手の速度と自分の速度の遅いほうになります。たとえあなたが高速な回線を持っていても、相手が 28kモデムだったら、相手の速度になります。ファイルローグは、WinMX と違い相手の速度があらかじめ分かりません。

あなたのファイルを欲しがるということは、もしかしたら趣味が合うかもしれませんよ。気に入ったら順番を先にしてあげるとか。諸事情で難しい場合は「10~20分待ちになりますが良いですか」という意味のことを通じそうな言葉で送るのも良いでしょう。気に入った相手がインドあたりから 1kb/s などで大きなファイルを落としてたら「キラクにどーぞ。ずっとオンラインだから」とか言うのも良いでしょう。蹴るつもりでなく間違えて転送キャンセルをクリックしてしまったときは、間違えたのでリトライしてほしいと伝えたほうがぶなんでしょう。ファイルローグがどうなるか分かりませんが、一般には、話しかけられたくない無口なユーザも多いということは覚えておいてください。

ファイルローグは、なんと受信したIM(インスタントメッセージ)を保存できます。電話やチャットじゃなく「メール」のノリ?

ウェブページでも、ぜんぜん専門外のことを読んでみることがあると思うのですが、P2Pでも、たまに、自分がほしいファイルでなく、ぜんぜん知らない曲をダウンロードして聞いてみると世界が広がるかもしれません。ウェブでもそうだけど、もし有料だったら、おかねを払ってまでそんなに冒険(新分野の開拓)をしないけれど無料なのでキラクに手を出して学べる、という要素が大きいように思います。

ファイルローグでおおざっぱな感覚がつかめたら、ぜひ共有量の大きい WinMX や Gnutella を試してください――ファイルローグと違って共有ファイルのリストを中央で一元管理していないので、よりP2Pらしい自由さを感じられることでしょう。

memo

2001.11.10 「人に優しい」ファイルローグ――WinMXに慣れてると初めとまどうものの、これには、これの良さも。mx(デフォルトの使い方)はシステム的に「相手の人間を保存できない」ファイル中心の世界(ログアウトしたらさよなら)なのに対して、frは、特定のユーザを保存できるうえ、ユーザ名でいきなりダイレクトに「人の検索」ができる人間中心の世界――昔のナップとかの伝統的システム(mxでも、実際には相手のフォルダの中味から同じ人だと分かることがあるし「検索用ファイル」を用意してる人もいるが)。うざい面もあるが、友だちにログイン名を教えて「待ち合わせ」てP2P転送ができる。昔ならがのftpサーバ的な使い方。使いようによっては、(・∀・) あとでさっそく実験してみよっと…

WinMXの最大の欠点のひとつ、IMがついても分からない(ときどき自分で見るしかない)に対して、frはまともで、メッセージが届くと音が鳴ってポップアップ(こっちが当たり前なのだが)けど肝心の、ふつうの意味の共有は、そもそもユーザがいない。ファイルがない。ステータスバーの左下に1.4TBと出るのが共有ファイルの総量????1テラ?!平均一人1ギガとして1000人?????????すくねーーーー例えば、mxでmad newsと入れるとペリーだけで↓これですが。

無数のファイルがヒット

WinMX は、けっこうファイル量が多い

それにひきかえ、frではmad news全体で数えるほどしかヒットせず。

1000人しかいなかったら、簡単に「人が」見つかってしまう。「ファイルを」共有したいのにファイルは無くて、「人が」見つかるという。例えば、Kokkonenとかのちょっと珍しいファイルを共有してるに違いない相手は、kokkonen で検索すると、すぐ見つかるでしょう……。

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