2004年6月6日追記: この記事で紹介したGUIは、現在、良い選択ではない。 Easy RealMedia Producer が良い。 詳しくは別記事「[RV9/10] Easy RealMedia Producer」参照。
以下、参考までに古い記事も残しておく。
RV9は低レートに強いビデオコーデックで、高レートでも素晴らしい可能性を秘めています。 GUIフロントエンドのひとつ RealBatch を使うエンコードについてご紹介します。 このほか、直接JOBファイルを使う方法もあります。
2003年10月21日 映像部分をRMVBにしてみるテスト
Realに対する偏見があってなんか避けていたのですが……たしかに、 低~中レイトでは良さそう。450KbpsのCBR(ABR)でこのきれいさ。 音を64Kbpsとかにするくらいなら、映像をRMVBにしたほうがトクかも、と思った。
オリジナルより色が濃くなる感じ(鮮やか、不飽和)で色モノっぽいですが、 数値的にはそんなに差がないようだ。 ムラをなくしてのっぺりさせる方向の圧縮だから色のイメージが強くなるのかも・・・
このぶんなら、高レイト(高画質)でも強そう。 みんなが騒いでるだけのことはあるなあ。 Realは好きになれないけれど、RMVBは。。。
意外と多くのかたがRMVBに興味を持ってるみたいなので、 参考までに、手順を具体的に書いときますね。 とりあえず試しにやってみただけなので、 「自分も試してみたい」という人には参考になると思いますが、 既にRV9を使いこなしている人には役立たない内容です。 設定も2、3試した程度で、推奨設定などもよく分からないので、 キャプチャー画像のなかの設定の数字の部分は参考にしないでください。 説明も間違ってるかもしれません。
RV9 (RealVideo 9) は、VP*やWMVと並んで、非MPEG-4系のコーデックです。 MPEG-4系の DivX / XviD が主流のPC用動画のなかではややマイナーですが、 低・中レートに強く、多分、WMV9の好敵手です。 レートを下げても、MPEG-4系と違ってブロックノイズが出にくいようです。 欠点は、一度RV9にしてしまうと、再編集が難しいこと。RV10も基本的には同じコーデックで、RV9の拡張版と考えれば良いでしょう。
RealのVideoとAudioでrmvb形式の動画にできるのはもちろん、 MKVコンテナでは、Ogg Vorbis、 AACなど、いろいろな形式の音声成分と組み合わせることができます。
RealPlayerのたぐいはハッキリ言って嫌われ者ですが、同じRealNetworks社が作ったというだけで、 コーデックの良し悪しはまた話が別。とりあえず試してみる価値はありそうです。
コーデックそのものはRealNetworks社がクローズドソースで開発していますが、 それ以外のモジュールの多くは、Helix Community により(ほぼ)オープンソース開発されているのだそうです。
従来のイメージに反して、高レート・高画質狙いでも、使えます。 アナモルフィック・エンコーディング(スクイーズ収録をそのままエンコーディングして、 再生時の縦横の長さを別に設定)のような先端の動画技術もサポートしています。
Helix DNA Producer 9.2 は、.rmvb形式でエンコードするためのコマンドラインツールです。 それぞれ工夫をこらした、多くのGUIフロントエンドも存在します。 以下で使ったのは RealBatch2.exe 1.42 です。
解凍したらすぐ使えます。 エラーが出たら、いったん realbatch.ini を削除してください。 (起動後、終了するときに新しい .ini が生成されます。)
作成されるrmvbやそれを映像成分にするmkv自身は、MPCで再生できますが、 恐らくRealOne Playerのコンポーネントが必要です。 このプレーヤーを入れるときは、必ずカスタムインストールにして、 うざい設定は全部オフにし、インストール後にも Preferences で「品質情報を送信する」「自動的に更新」といった、うさんくさいチェックボックスはすべて外します。
MPCやVSFilterの作者でもある「神」Gabestが作成したRealMedia Splitter は、単体では手動で登録しなければならず少し面倒です。 Matroska Playback Pack に含まれているので、Packごとインストールするのが早道。
フィルタ済みのビデオソースをHuffyuvで用意し、 音声は音声で好きな形式で別圧縮しておきます。
mmgで.rmvbファイルと音声ファイルを読み込んで合体させる。
低レートでは XviD より有利、 高レートでも素晴らしいポテンシャルがある、 と評判の RV9 ですが、 GUIフロントエンドに決め手がないのが実情です。初心者以外は producer を直接使うのがむしろ単純明快かもしれません。そのとき必要になるのが…
RV10 では、 RV9 よりさらに品質が向上したばかりか、 AAC, HE-AAC, Lossless の音声圧縮もサポートされるなど、 可能性が広がっている
CDの音楽やWAVファイルを iTunes でコンパクト・高音質のAAC形式に圧縮。 オーディオファイルとして楽しむだけでなく、OGM/MKV動画の音声としても使えます。 iTunesHelper, iPodService の常駐解除法も説明。
2004年12月7日 追記: iTunes は AACエンコーダとして必ずしも最善の選択ではない。 別記事「NeroのAACエンコーダを手軽に: HE-AAC, 6chも可」なども参照。
AAC は俗に MP4 とも呼ばれ、MP3 の次世代の音声圧縮技術です(正確には、AAC には MPEG-2 AAC と MPEG-4 AAC の区別がありますが、 以下の作業ではこの違いは全然気にする必要ありません。ちなみに iTunes の AAC は MPEG-4 AAC)。 96Kbps で MP3 128Kbps に相当するとされ、 MP3 と比べると、同じ音質でサイズが4分の3、同じファイルサイズならMP3より高音質が期待できます。 フリーの Ogg Vorbis もほぼ同じ性能があります(AACエンコーダのなかでも最高クラスのものと比べると Vorbis はわずかに引けを取るかもしれないが、差は小さく、平均クラスのAACエンコーダなら Vorbis はほぼ互角と考えられる)。(追記: その後 Ogg Vorbis のチューニングの努力が実を結び、2004年5月の再テストでは、 Apple AAC を抜き返し、大きく差をつけた。ただし、xiph の公式バージョンではなく、aoTuV チューニング)
注1: AACをMP4と呼ぶのは、特にオーディオマニアの間では一般的ですが、正式名称ではありません。ファイルの拡張子は.mp4や.m4aですが、コーデック(圧縮方式)は「AAC」です。 別に言葉の正しい使い方が法律で決まってるわけじゃないのでどうでもいいのですが、 MP4 というと MP4動画と紛らわしいので、音声圧縮の形式はなるべく「AAC」と言おう。
注2: MP3より一回り小さくて同等の音質と言われますが「よし、これを使って圧縮率を高くしてサイズをケチろう」と考えるのでなく、むしろ「ファイルサイズは従来と同じにして、高音質にしよう」というポジティブな発想をおすすめします。数年前と違ってメディア代も帯域も桁違いに安上がりになっているのだから、 あんまりケチケチせず、音楽ファイルなら160~192くらい、 音がメインでない動画の音声成分でも128くらいが良いのではないでしょうか。(ご自分の使用目的などに合わせて、 考えてみてください。)
AAC エンコーダは何種類もあります。 そのなかで、Apple Quick Time / iTunes の AAC エンコーダ(以下 iTunes と略)は、2003年6月のリスニングテストでだんとつ一位の音質と評価されました。その後、Nero と FAAC はバージョンアップで音質が向上し iTunes に肉薄してきましたが、 2004年2月の再テストでも、一位は iTunes でした。 二位の Nero との差は小さく、実際には好みの問題という程度と思われますし、 第一回のテストから差が大きく縮まってきており、今後 Nero や FAAC が iTunes を追い抜く可能性もあります。
しかし、データをみると、第二位の Nero は VBR 平均 140Kbps。 対する iTunes は CBR 128Kbps で優位に立っているので、その性能の高さは明白。 上記テスト結果を「音質的にはほぼ引き分け」と解釈したとしても、iTunes は Nero より約10%小さいファイルサイズで勝負しているわけですから、 動画の音声成分などに使うことを考えれば、iTunes にしたほうが同じ音質でサイズが節約できるわけです。
しかも iTunes は Nero と違って無料で無制限に使えます。 音質もベストで無料、スパイウェアっぽさも低め、となれば、使わない法はありません。 残念ながら、Windows 2000/XP が必要で、Windows 98系はサポートされていませんが、 2004年3月現在、一般の Windows 2000/XP ユーザにとって iTunes は、 128Kbps程度の中レートのAACエンコーダとしてはベストの選択と言えそうです。 Psytel Aacenc の時代は終わった、ということですね。
注意: Nero は iTunes と違い低レートに強い HE-AAC が使えます。 FAAC は フリーでオープンソースです。 このように、それぞれ一長一短の特徴を持っています。 iTunes の MP3 は最悪というテスト結果も出ているので Apple の技術全般が優れているということは言えません。また、 リンク先のテスト結果を見ても、曲によっては iTunes 以外のエンコーダのほうが高音質と評価されている例もあります。 平均すれば iTunes はそこそこの無難な高音質ですが、常に必ず絶対無敵に最高というわけではなく、 なかには(比較的まれですが)iTunes で圧縮すると劣化が目立つものもあります。 iTunes は日本語ソフトで無料だしAACエンコード入門には最適ですが、 音質にこだわるかたは、 ゆくゆくはほかのAACエンコーダも試してみてくださいね。
(追記) 手元の環境では、iTunes には、あまり巨大なWAVを変換元にできないという制限があります。 QuickTime Pro なら大丈夫ですが、iTunes は楽曲用だけあって、長い動画の音声をこれで作るのには不適なよう。 しかも、iTunes 4.5 にすると、QuickTime でも不具合がでました(詳しくは後述)。
日本語版なので難しいことは何もありません。ダウンロードのページを開きます。 メールアドレスや氏名を記入する欄がありますが、 「メールでお知らせします」のたぐいの二つのチェックボックスをオフにすれば、空欄のままで大丈夫。 これで広告メールも来ないし一石二鳥。 「Download iTunes」をクリックして、iTunesSetup.exe をダウンロードします。 2004年3月12日現在のバージョンは、iTunes 4.2 で(iTunes v4.2.0.72, QuickTime 6.5)、インストーラのファイルバージョンは 8.2.160.0 です。
インストールも日本語なので何も難しいことはありません。 「iTunes をオーディオファイルの既定のプレーヤーとして使用します」のチェックを外すことだけ、気を付けてください。 さもないと、オーディオ関係の拡張子の関連付けをすべて奪われます(万一そうなっても foobar のツールで修復できます)。
インストールが終わると再起動を求められますが、デフォルトのまま承知せず、 「いいえ、コンピュータを後で再起動します」を選択してください。 さもないと iTunesHelper というものがOS起動時に勝手に起動して、常駐するようになってしまいます。
この設定は必須ではありませんが、推奨します。
「レジストリの設定でOS起動時に自動的に起動するソフト」をカスタマイズできるツールを使います。 いじくるつくーる や 窓の手 がおなじみと思います。 手元では、Startup Control Panel を使っていますが、 これはインストールすると、コントロールパネルに Startup というアイコンが追加されて、 簡単に「自動起動」のオンオフ制御ができるものです。 同様のツールはたくさんあるので、どれでも自分が使いやすいのでかまいません。 とにかく iTunesHelper が起動時に自動起動しないように、 該当項目のチェックを外します(ソフトによっては「一時削除」などのコマンド名)。
この設定は必須ではありませんが、これをしないと、 iTunes を一度起動すると iTunes 終了後もログオフするまで iPodService.exe が常駐してしまいます。
コントロールパネルの「管理ツール」で「サービス」を開き、「iPod Service」を見つけます。 ダブルクリックしてプロパティの画面を出します。 もし「開始」しているときは「停止」をクリックして停止します。 「停止」しているときは、そのままでかまいません。
次に、「スタートアップの種類」を「無効」にします。あとは「OK」を押して、開いたものを全部閉じてください。
以上が済んだら、OSを再起動します。
クイックランチに iTunes のアイコンがでしゃばっているはずですから、右クリックして削除しよう。 また WAV, MP3 などの関連付けやアイコンをごちゃごちゃにされている可能性がありますから、foobar2000 のフォルダ (デフォルト C:\Program Files\foobar2000)の fooassoc.exe を起動して、全部の関連付けを foobar2000 に戻します。
foobar2000 をインストールしていないかたは、この機会にぜひどうぞ。 フリー・シンプル・高機能・多機能・Unicode対応(文字化けなし)のオーディオプレーヤーとして、強く推奨します。 special版をどうぞ。
インストール先(デフォルト C:\Program Files\iTunes )の iTunes.exe を起動します。 ゾーンアラームなどを導入していると検出されるので、ネットへの接続は常に不許可にします。 ファイアーウォールがないユーザは、仕方ないので、覗かれ放題・漏れ放題で我慢。
「設定アシスタント」といううっとうしいウィザードが出た場合、 一応、次へ次へと進んでください。 ただし、「いいえ、後で追加します」「いいえ、自分でファイルとフォルダの名前を変更します」のように、 何もやらせない方向で。
まずメニューの「編集|表示オプション」ですが、エンコードに使うのだから「時間」「ビットレート」「サンプルレート」は必ず表示にします。 あとは好み次第ですが、上記三つ以外は全部非表示でも問題ありません。 メニューの「編集|設定」で次の各タブを設定します。
[Ctrl] + [O] または 「ファイル|ファイルをライブラリに追加」で変換元のWAVファイルを読み込みます。
変換したいファイルをリストに入れたら、変換対象を右クリック「選択項目をAACに変換」します。
iPodService.exe をサービスから解除しなかった場合、 iTunes を終了しても、iPodService.exe が常駐してしまいます。 このファイルのデフォルトの位置は C:\Program Files\iPod\bin で、 削除などしても、次回に iTunes を起動したときに復元されてしまいます。 何の役にも立たないリソースの無駄でうざいですが、実害はないので、とりあえず我慢してください。 タスクマネージャからは殺せないので、気になるようなら一回ログオフしよう(OSを再起動する必要はない)。 根本的に解決するには、最初に説明したように「管理ツール」の「サービス」で無効にしてやります。
.m4a というちょっと変な拡張子がついていますが、これはれっきとした標準のMP4コンテナに格納された MPEG-4 AAC です。 拡張子を .mp4 に変えてもかまいませんが、.mp4 だとMP4動画と紛らわしいので、.m4a のままでもかえって良いかもしれません。 いずれにせよ foobar2000 などの対応プレーヤーでそのまま再生できます。
MKV動画の音声成分としても使うことができます。 MKV動画作成ツール MMG は、この .m4a ファイルを直接読み込むことができるので、簡単です。 別記事「GUIで作るAAC音声のOGM・MKV」の「ステップ3’ AAC音声のMKV」を見てください。 そこでは AACファイルを使っていますが、代わりに .m4a ファイルでもまったく問題ありません。
OGM動画の音声成分として使うこともできます。
ただし、この場合、作成ツールの OggMux が .m4a は読み込めないため、
いったん AAC 形式に変換する必要があります(これはヘッダなどの形式的な変換で、音質には影響しません)。
それには、mp4creator60 を使って
mp4creator60 -extract=1 in.m4a out.aac
とします。
mp4creator60 を持っていなくても、次のように mkvtoolnix で代用することもできます。
mkvmerge -o tmp.mka in.m4a
mkvextract tracks tmp.mka 1:out.aac
AACに変換できたら、 「GUIで作るAAC音声のOGM・MKV」の「ステップ3 AAC音声のOGM」を見てください。
iTunes で作った .m4a ファイルをもとに、MP4動画を作ることもできます。 将来はハードウェアデバイスでの再生など、大企業の力で普及しそうなMP4ですが、 現状、PC用動画としては、MP4にするメリットはあまりありません。 作業も少し面倒です。ですが、参考までに、やればできるということを覚えておこう。 詳細は別記事「AAC音声のOGM・MKV・MP4動画を作ろう」の「AAC音声のMP4動画の作り方」をごらんください。 .m4a は MPEG-4 AAC なので、「MPEG-2 AACをMPEG-4 AACに変換」の部分は不要です。
iTunes 4.5を試してみたのですが、 手元ではいくつかの問題を経験しました。
第一に、自分自身の環境がおかしいせいかもしれませんが、4.5に上げると、200MB弱を越えるWAVファイルを QuickTime から開けなくなる、 という不具合が出ました。iTunes からも開けません。 iTunes からは、もともと大きいWAVは開けない仕様なのかもしれませんが(まじめに使ったことがないので不明)、 前のバージョンだったら、QTからはとにかく開けるので、開けたものが開けなくなり、事実上「不具合」です。 英語版と日本語版がごちゃまぜになったせいでおかしくなったのなら あらゆるファイルで問題が出そうですが、200MB弱より小さいファイルは普通に処理できるので、 「わけの分からないバグ」という感じです。
経験上、Apple の Windows版製品には、わけの分からないバグがときどきあります。 QuickTime はかつて、関連付けを勝手に奪って、PNGを開こうとしたときにしゃしゃりでてきて、 結局フリーズして役立たない、ということがありました。 今回の場合も、もしデフォルトでやっていたとすると「iTunes が WAV の関連付けを奪ったくせに、 巨大なWAVだと開けないで立ち往生」という似たパターンになります。
恐らく、Apple の Mac版製品は優秀なのでしょうが、Windows版はMac用のものを異なるプラットフォームに移植している、 という作り方のせいで、バグが入りやすくなっているのだと思います。 Macユーザには親しみのあるインターフェイスなのでしょうが、Windowsアプリの標準とは違うため、 Windowsユーザにとっては使いにくい面もあります。
4.5のもうひとつの難点は互換性問題で、4.5を立ち上げると、iTunes Music Library を新しい形式(仮に4.5形式と呼ぶ)にコンバートしてしまい、 古いバージョンに戻したとき、この4.5形式を認識できないため、iTunes自体が起動できない、という情けない状態になります。 これは、My Document のなかの My Music のなかの、問題のライブラリを全部削除してしまえば初期状態に戻ってくれますが、 小数点以下のバージョンアップで黙って基本的なフォーマットを変えてしまうのは、あまり良いこととは思えません。
新機能の Apple Lossless は(変換元が大きくなければ)ちゃんと動作しました。 WMA が Lossless をやって、Real が追随したので、Apple も同じことをやるのは不思議でないですが、 これも問題があって、AACと同じく拡張子 .m4a でMP4コンテナの格好で出すけれど、なかみは独自仕様で互換性がない、 という紛らわしい感じになっています。iTunes しか使わないなら何も問題ないでしょうが、 他のプレーヤーなどと相互運用したいときに、同じ拡張子で中身が別のものを作られると、非常に紛らわしい感じがします。
AAC音声の動画を作ろうとしているユーザはOGM/MKV/MP4などが使えるわけだから、 自力でどうとでもなるとは思いますが、動画用に「Apple の」AAC を使いたいときは、 これまでどおり、QuickTime Pro を使う一般的な方法でいくのが無難。 ところが iTunes を 4.5 にアップすると、QTが使えなくなる心配があるので、一応注意したほうが良いと思います。 仮にQTで大きいWAVが開けなくなったとして、 それでも大きいAACを作りたい、という場合は、 BeSpilit方式にすれば、道は開けると思いますが、 それは面倒。何というか、結局のところ、権利関係がごちゃごちゃのAACは使いにくく、 Ogg Vorbis の方が風通しが良くて精神衛生にいい気がします。
ベータ版でもあるまいし、動画に対応しているメディアプレーヤーでWAVが開けないなどというあからさまなバグが普通にあるとは思えないので、 手元の環境要因なのかな、という気もしますが、一応そういうことがあった、 ということを参考までに、ここにメモしておきます。
以下のメモは、 2003年10月に取り上げた速報です。 参考までに、再録しておきます(古くなって意味の薄れたニュースは削除しました。 削除前のバージョン)。
2003年10月18日 iTunesのAACエンコーダ
AACエンコーダとしては現在最上クラスのQuickTimeなので注目したい。 出力される.m4aファイルはそのままmkvmergeで処理できる。 iTunes自体に用がなくてもAAC音声のMKV動画作成に使える。
iTunesを入れると、無料でQuick Time 6.4のAACエンコーダが使えるようだ。無料であることの制限は不明だが、 出力形式がやや特殊と言えば特殊、 あとVBRでなくABR(またはCBR)になる。
出力は「少し普通でない」(ADTSヘッダの周期が長い?)MPEG-4 AAC(m4a)で、foobar2000で普通に再生できるが、 mp4UI 0.9.5ではAAC (ADTS)を抽出できない。
OS起動時の自動起動はいじくるツールで消せる。 関連付けを壊されたら、foobar2000フォルダのfooassoc.exeで直せる。 変換元は File | Add File to Library... でリストに追加、 右クリック Convert Selection to AAC で変換。 ZoneAlarmでiTunesを止めてもエンコーダは使える。 Edit | Preferences の Importing タブで AACのビットレートを、 Advanced タブで保存先を指定可能。
古い記事ですがごく簡単なAAC用語事典がついてます。
とても興味深いフィードバックがあります。 かなりややこしい話になるけれど、 深く追求してみたいかたは読んでみてください。
Neroがまったく入っていないクリーンインストール状態の XP SP1 で正常動作することを確認した。 今までも foobar で同じようなことができたが、Psytelライクで、キーボード派には圧倒的に使いやすい。
本日より推奨AACエンコーダは QuickTime Pro から aacenc32 に変更風味。
導入手順
aacenc32.exe は、同じフォルダ内の aacenc32.dll を使う。 (ただし、 Nero がインストール済みの場合など、 Program Files\Common Files\Ahead\AudioPlugins\aacenc32.dll があれば、それを使うなど、多少検索Pathがある。 検索Pathの優先順位によっては、同じフォルダ内の aacenc32.dll が使われないことがあるので注意。)
デフォルトは VBR の normal モード、Profile = LC、Quality = High。 Psytel aacenc に似ているが aacenc と違い aacenc32 は 24-bit WAV は(2chでも)入力できない。 16-bitなら6ch(5.1ch)のAACも書き出せる。 (6ch のAC3/DTSをそこそこの音質で6ch のAACにしてもあまりサイズ的に得にならず、 変換での劣化もあることに注意。)
注1: Nero は、要するに aacenc32.dll があれば、どのバージョンでもかまいません。 正規に公開されている試用版なので、ライセンス的な問題はありませんが、 試用版なので一定期間や回数が過ぎると機能が制限される可能性があります。 どのバージョンの aacenc32.dll にどういう制限があるかなどの詳細は把握してませんが、 過去の試用版では、エンコードできる回数に制限があるバージョンもあったようです。 使えなくなるまではとりあえず使ってみるか的な方向で、このエンコーダが気に入ったら正式に購入したら良いのではないのでしょうか。 そのための試用版ですし。
注2: このメモは、もともと
mypage.naver.co.jp/freenet/BakaMemo/2004-11.html#aacenc32
(現在はm17n.cool.ne.jp/BakaMemo/2004-11.html#aacenc32)
に置いてあったものです。mypage.naver.co.jp の無料ホームページ・サービスは終了してしまいましたが、
書いてあったことは同じです。
注3: AACENC32は、汎用的なAACエンコーダですが、
HE-AAC も使えるという特徴があり、
他のツールと組み合わせることで、
「着うたフル」の作成にも利用できるそうです。
自分はユーザでないので詳細不明で、掲示板などで質問されても答えられません(ので質問しないでください)。
対応機種のユーザのかたは以下のようなページを見てみてください。
着うたフル 作り方教えろ
【着うたフル】作り方教えろ(#゚Д゚)ゴルァ!!対策用(ver.1.33)By.1スレ#554【HE-AAC】
いわゆる「DOS窓」から使う「コマンドライン」です。
aacenc32 test.wav
aacenc32 -cbr 128 test.wav cbr.aac
aacenc32 -vbr normal test.wav vbr.aac
aacenc32 -vbr internet -profile HE test.wav he.aac
こんな使い方をされるとは aacenc32 の作者も思わなかっただろう。 このサイトで紹介したのも、単に Nero のフロントエンドがまたひとつできた、というだけのつもりだったのだが…。、
一曲数百円程度のコストでDLする代わりに、単に好きなWAVをHE-AACでMP4化して、拡張子を3g2に変えるだけで、使えるらしい。 上のスレでは aacenc32 + mp4creator60 でやってる。 「無理矢理にでも道を切り開くぜ」という開拓精神を感じさせる。 本当は、同じ Nero の部品取りなら foobar2000 で簡単にGUI的にWAVから一気にMP4化できるはずで、 それならCD全トラックまとめてでもどんどん変換できるだろうが、foo_nero.dll は多少ややこしい面がある。 aacenc32 + mp4creator60 は、ある意味遠回りだが、別の意味では直線的なすっきりした変換法だ。
WAVをHE-AACなMP4に変換するのはいいとして、 その後「拡張子を 3G2 に変えるだけで」というのが興味深い。
「Neroを使用したHE-AACの作成方法」も参照。
着うたフル 作り方教えろ
【着うたフル】作り方教えろ(#゚Д゚)ゴルァ!!対策用(ver.1.33)By.1スレ#554【HE-AAC】
サーバによっては非常に混雑してるときがあります。あまりに遅い場合はあきらめて別のミラーを。
ftp://ftp[\d*].us.nero.com/nero6603.exe
ftp://ftp[\d*].jp.nero.com/nero6603.exe
aacenc32.dll v2.9.9.96から2.9.9.998に。
aacenc32.exe (nero_fend) からも動作するが、 心なしか安定度が落ちたような印象を受けた(2回エンコードして結果のCRCが一致したし、ただの気のせいかも)。 新しいバージョンでは HE-AAC での音質が落ちている可能性も指摘されている。古い aacenc32.dll も捨てないでとっておくこと。
C:\WORK>aacenc32 16bit.wav Ahead AAC Encoder v2.6 (aacenc32.dll). Frontend v0.71 by (C) LoggerSoft 2004 (logger@mts-nn.ru). Encoding "16bit.wav" to "16bit.aac": * encoder core: library: "aacenc32.dll"; version: "2, 9, 9, 998"; * samples frequence: 48000Hz; * channels: Stereo; * frames: 4340; * VBR: Normal (high); * quality: High; * AAC profile: LC; Frame 4340/4340 (100%) Done.
HE-AAC の場合「2.6.2.2が現在最良でそれより上のバージョンはかえって音質が悪い」という報告もある。無条件で最新版=最善とは限らないので注意。
foobar2000 v0.7.7 または v0.8 を使って Nero MP4 エンコーディング。(未完)
以前のテストでは、低レート(64Kbps)の MP4 は QuickTime がベストという結果が出ました。 しかし、Nero の MP4 エンコーダは、かなり頻繁にバージョンアップされ、問題の修正・機能の改善が行われており、 特に、QuickTime にはない SBR (HE-AAC) という先端テクノロジーを実装しています。 2004年2月現在では、あるいは Nero の方が好ましい音質かもしれません。
64Kbps程度では、音質が良い・悪いといっても、どっちにしてもオリジナルからの劣化は明らかでしょうから、 音質にこだわる場合には適切な選択ではないですが、それほど音質が重要でなくコンパクトさの方が優先される状況では、 一つの選択肢になると思われます。
以下では、foobar 2000 をフロントエンドとして、 Nero MP4 コーデックを使いオーディオのエンコーディングを行う方法について、メモしておきます。 foobar 2000 をフロントエンドとすることで、APE、FLACなど多彩な入力形式をそのまま直接変換できるばかりか、 複数のファイルを変換する場合にも便利です。
Nero はインストール済みとします。今回、使った Nero AAC Codec 2.6.1.9 は、Nero 6.3.0.3 同梱のものです。
執筆時点(2004年2月15日)の安定版は、この0.7系です。 ダウンロードのページの一番下の方にある special version をフルインストールしてください。 saunalahti の方から foo_nero.zip もダウンロードし、 解凍して出てくる foo_nero.dll を、foobar2000 インストール先の components フォルダにコピーしておきます。
変換元のファイルをプレイリストに追加、選択して右クリック Convert | Settings... に進みます。 まず必要に応じて Use DSP をチェックし、DSP の設定を行います。 例えば AC3 をステレオに変換する場合などです。 必要なければ Use DSP はチェックする必要ありません。 次に Output format を Nero encoder にし、そのすぐ右下の Settings をクリックするか、 または左のツリー表示から Diskwriter - Nero encoder を選びます。
このパネルで、Output format を Nero Digital Audio (HE-AAC) (.mp4) とします。HE- でない高レートのAACを使いたい場合も、 これでかまいません。configuration をクリックして、Nero Digital Audio Coding の設定ダイアログを呼び出し、 好みの設定を行って、OK で閉じます。
Close をクリックして foobar2000 の設定ダイアログを閉じます。これで変換の設定は完了です。 変換したいファイルをリストで右クリックし Convert | Run conversion してください。
0.8系はまだ開発段階なので、今後インターフェイス等が変更になる可能性がありますが、 執筆時点で最新の beta 9 について、0.7系と違う場所だけ、簡単にメモしておきます。
右クリックメニューの配列はカスタマイズ可能で、 デフォルトの配列もまだ確定していないようですが、 ともあれ項目としては同じ Convert | Settings... で設定します。
Output presets で Legacy 0.7 output support: Nero encoder を選択します。 この項目名から分かるように、将来的には、0.7 のモジュールは obsolete となるようです。 0.7系と違ってここに Settings のボタンがありませんので、 左のツリー表示から手動で Diskwriter - Nero encoder を選び、あとは 0.7 の場合とほぼ同じです。
一例しか試していませんが、 周期的に常に2バイト×2カ所の違いがありました。 音質には影響しないヘッダの部分と思われます。 フラグの意味は後で調べてみますが、実質的には何の影響もない場所と思います。
ヘッダより 上は0.77 下は0.80経由で作成したMP4 10111100010101001010111000000001 10111100010101001011100100000010 ^ ^^^ ^