趣味Web 小説 2004-09-28

九十九式は「巨大なアクセスを有するサイトではない」のか?

九十九式は徳保さんが相応の対価を払うことを考えるべきとする巨大なアクセスを有するサイトではない、と云うのが僕の主張。

争点は程度の問題に帰結したので(もともとそういう話だったのかも)、こちらの主張をちょっとだけ補足して印象というか感覚に訴えたい。

柊さんが頑張って調べてくださった最近のデータを見易くまとめると、こうなります。(参考=総呼出数÷サイト数÷30≒1サイトあたりの日毎訪問者数)

リードミー順位とバナー呼出数占有率(2004-08)
順位総呼出数占有率参考
1-1000.0-0.5%37,063,14752.57%12354
101-5000.5-2.5%18,208,05925.83%1517
501-20002.5-10%10,601,90415.04%236
2001-1000010-50%4,327,4416.14%18
10001-2000050-100%300,0000.43%1
合計 20,0000.0-100%70,500,551100.00%117

九十九式は第2グループに属しています。柊さんは第1グループ(上位0.0-0.5%)だけが巨大なアクセスを有するサイトだとお考えですが、私は第2グループ(上位0.5-2.5%)も巨大なアクセスを有するサイトだと思います。上位2.5%以内のサイトが全体の75%のアクセスを握っているのです。これが消えれば97.5%の利用者が快適なサーバ環境を確保できるのです。

もちろん、こういう話をするときりがありません。ただ、適当な落とし所はあるのではないでしょうか。私の考える基準は

  1. 上位10%のサイトは広告の少ない(=広告収入だけでは赤字の)無料レンタルサーバを利用しない
  2. 上位2.5%のサイトは安価な有料レンタルサーバを利用しない
  3. 人気サイトを無料・安価で維持するにはプロバイダのおまけスペースか広告の派手なサービスを利用する

というものです。これは無茶な提案ではないと思います。

余談:「ちょっとした」人気?

私は「にゃごろう村」のアクセスを増やそうと1年も頑張って、全然駄目だった経験を持っています。Web サイトの人気を増やすのがどれほど難しいか、もがきにもがいた1年間で嫌というほど実感させられました。1日30アクセスの維持が、どれほど大変か。1日100人という目標が、どれほど遠いか。気疲れして逃避的にはじめた別サイトが「当たった」わけですが、虚しい気分になりました。こんな手抜きサイトが1日100人をあっさり達成するなんて、と。

特に大きな報酬や対価を得ているわけでもない趣味のWebサイトを運営していて、そのWebサイトがデイリー2000~3000アクセスの「ちょっとした」人気サイトになったと云う理由でサイトを削除されてコンテンツが失われ移転を余儀なくされたり、安価なサービスが受けられなくなったりすると云うのは理不尽じゃないのかと。

私がこの意見に賛同できない最大の原因は、「にゃごろう村」時代にあると思う。上位1%以内だけが到達できるデイリー2000~3000アクセス「ちょっとした」人気と書くのは、どうしても許せないという気持ちがある。しかし自分の体験に照らし合わせてみても、努力は人気サイトの必要条件ではありません。最初からすんなり人気が出たら、「ちょっとした」人気といいたくなるのはわかる。でも……。

宮本さんはどう思っていらっしゃるだろう。3年間、毎日更新を続けてテキストサイトの中のテキストサイト、テキストサイトの代表選手たる存在にまで「九十九式」を育て上げた宮本さんが、現在のアクセス数を謙遜抜きで「ちょっとした」人気と考えていらっしゃるのだろうか。もちろん、忍者ツールズのアカウントが削除されたことについては不満があるかもしれません。しかしそれはそれとして。

宮本さんの回答
余談:平均のアクセス数

ところで、全サイトの平均訪問者数は1日117人というのだけれど、そんなバカなという感じ。じつはこの数字、上位0.5%のサイトを除外すると 56 となり、さらに上位2.5%まで除外すると、26 まで下がります。つまり下位97.5%のサイトの平均訪問者数は1日26人、これなら実感に近いですよね。

例外的な超人気サイトを除外しただけで、全体の日割平均が手の届きそうな数字になります。これに似ているのが国民の平均年収。600万円とか800万円とかいう(モデル世帯の条件で変化します)ので、みんな歯噛みしていますが、じつは上位数%を排除するだけでガクンとこの数字は下がります。国民の実感に近い平均年収になってくる。

余談:超人気サイトを安く運営する方法

超人気サイトの管理人が一番安くサーバを確保したいなら、WWW に接続する際のプロバイダを plala か DTI か OCN にしましょう、というのはテキストサイト界隈では有名な話。(RinRin王国のご指摘を受け、ちょっと書き換え)

「侍魂」「ろじっくぱらだいす」「カトゆー家断絶」はプロバイダのオマケスペースで運営されているので、莫大な転送量にもかかわらず(少なくとも転送量由来の)追加料金は一切ないと聞いています。ただしたいてい容量制限が厳しいので、画像などをたくさん用意している方はご注意。また CGI に利用制限のあるケースが多いようです。過去ログにあまりアクセスがないサイトであれば、表紙だけプロバイダのスペースに置くのがよいかもしれません。

念のため。plala と DTI と OCN 以外のプロバイダでは、しばしば転送量に制限を設けているので注意してください。接続プロバイダが提供するスペースならどこでもいいというわけではありません。

柊さんが調べてくださった元データ

一部、手を加えているので注釈を参照のこと。

リードミー順位とバナー呼出数占有率(2004-08)
順位総呼出数占有率日割平均
1-100(0.0-0.5%)37,063,14752.57%12354
101-200(0.5-1.0%)8,113,74311.51%2704
201-300(1.0-1.5%)4,677,4846.63%1559
301-400(1.5-2.0%)3,120,3834.43%1040
401-500(2.0-2.5%)2,296,4493.26%765
501-600(2.5-3.0%)1,808,4912.57%603
601-700(3.0-3.5%)1,407,2062.00%469
701-800(3.5-4.0%)1,168,1811.66%389
801-900(4.0-4.5%)982,4351.39%327
901-1000(4.5-5.0%)831,6631.18%277
1001-2000(5.0-10%)4,403,9286.25%146
2001-3000(10-15%)1,796,0522.55%60
3001-4000(15-20%)996,3371.41%33
4001-5000(20-25%)635,0520.90%21
5001-6000(25-30%)360,0000.51%概算値 12
6001-7000(30-35%)240,0000.34%概算値 8
7001-8000(35-40%)150,0000.21%概算値 5
8001-9000(40-45%)90,0000.13%概算値 3
9001-10000(45-50%)60,0000.09%概算値 2
10001-20000(50-100%)300,0000.43%概算値 1
20001-27845----%概算値 --
合計 20,00070,500,551100.00%概算値 117
日割平均の計算方法
総呼出数÷サイト数÷30 (8月は31日あるが、簡単のため30で割った)
合計を20000とした理由
20001位以下のサイトには放置サイトが多く、アクセス数もほぼ 0 なので、簡単のため無視した
関連文書
  1. サーバの負荷と人気サイト管理者の責任
  2. 九十九式は「巨大なアクセスを有するサイトではない」のか?
  3. 消費者に求められるバランス感覚――買い叩くだけでなく
  4. 受益者負担の原則
  5. 突然のアカウント停止に慌てないために
  6. ない袖は振れぬ(サイトの人気とサーバの選択:補足)
  7. 閲覧者の希望と情報の公開コスト

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