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話を斜めにずらしますが、以前ご紹介した通り、日本の少子化問題の実態は未婚・晩婚問題です。結婚した二人が生む子供の人数は、20年以上もの間、全然変化していない。私は、増えすぎた日本人が本能的に淘汰の道を選んでいるだけかもしれない、と思う。もし少子化を本当に避けたいなら、恋愛万歳という価値観を変革していけばいい。恋愛弱者には統一教会方式で所帯を持たせていく。現代日本人の恋愛・人間観なんて、遺伝子には書かれていないのだし。
ま、現在の価値観を後生大事に守って少子化が進むなら、所詮、少子化にそれほど切実感がないということなんだと思いますよ。たとえ民族が滅びても、自由恋愛を守りたい、ってね。そっちの方が大切だと思うなら、それもまた結構。
女性天皇制がなぜ取り沙汰されているかといえば、妾や庶子が消え、養子縁組も珍しくなり(「本当の親」志向)、「遠い親戚=他人」という発想が当たり前になってしまったからです。既に日本人は何本も川を渡っています。
過去に数回の事例があるだけに、女性天皇容認論は多いのですが、皇家が女系継承となっていいのかどうかが最大の争点。遠い宮家を復活させる、養子縁組で旧宮家の子孫から子を迎え入れる、皇太子が何人も妾を作って子どもをどんどん増やす、そうした代案と女系継承の是非が比較されています。
日本人は100年間で2倍に増えました。その間ずっと、若者が人数で他を圧してきたので、社会風俗の決定権は常に若者に与えられ、その結果、文化・伝統の断絶が大規模に生じました。
現代の日本人の多くは、「女系継承で何がいけないのか」というでしょう。「これまでずっと男系継承でやってきた」ことよりも、今、自分たちが「お妾さんなんてとんでもない!」「養子なんてかわいそうね」「60年も一般人やってた家の子孫が天皇になるの?」と思う気持ちを大切にするのでしょう。でも政府は有識者の方の判断に任せる方針だから、はかない現在の価値観に対し、伝統をある程度、重要視していくことになると思う。
さんざん「古い」価値観を捨ててきた日本の皇室が、いまさら男系継承の伝統にこだわる意味は怪しいのだけれども、何にもこだわらなかったら生きていくのにも困る。どのあたりがバランスのとれた判断となるのか、なんだろうな。
この記事は丁寧に書かれていますが、説得力や実効性には疑問を感じます。ある行為が善か悪かを決めるのは価値観の問題。「私を不愉快にさせる行為は悪」という価値観の持ち主に対して、「あなたは不愉快かもしれないけれども、これは悪事じゃないんだよ」といって通用するだろうか。