趣味Web 小説 2009-09-30

Amazonカスタマーレビューで戦う(2009)

ここ数年、私はあまり他人にはそういうことをいわないよう自制してきたつもりですが、心情的には何かと「自己解決しろ!」と思う方だと思う。

ネットで私がムカムカするのが様々なネガティブキャンペーン。相手の言い分を無視したり曲解したりして攻撃する手法、あるいは自分の無知を放置して偏見を押し通す手法が許せない。私はAmazonにたくさんカスタマーレビューを投稿してきたから、レビュー欄を舞台としたネガキャンにはとくに怒りを覚えます。

もっとも、私もまた自分が必ずしも相手の言い分のよき聞き手ではないことを自覚しているし、悪気がなくとも暗愚と怠惰ゆえに無体な非難をすることが決して少なくないことを、過去に何度も指摘されてきました。声高に敵を攻撃すれば、必ず自分に返ってくる。

ですから、自分に余裕がある限りは、人を責めるより自分が手本となることを目指そう、と思っています。

もともとAmazonのレビューは質が低いと思っていました。レビュアーの個人的な感想ばかりで、商品の内容がサッパリ伝わってこないものが多い。そうした中には、商品購入後に読み返すと深く同感できるものも少なからず含まれてはいたのだけれど、やっぱり商品購入前の検討材料としては不適格なのでした。

私のレビューだって決して上手なものではありませんが、商品選択の参考になる情報を伝えようと努力しているつもりです。厳しい字数制限もあるので、自分なりにポイントを絞りつつ、まず商品そのものを紹介する情報を書きます。続いて「どのような人が、どんな風に利用すると有意義か」を説明します。

*この原則に反するレビューも書いてはいます。今後も完全に排除することは難しいと思う。それがよいことだとは思いませんが、意欲・労力に鑑みて、今後のレビューを可能な範囲で充実させていく、という程度で勘弁していただきたい。

この3つのレビューは、あえて死地へ飛び込んだものです。他にも、こちらはそのつもりで気張っていたが反応は薄かった事例などが多々ありますが、きりがないので略します。

Amazonのレビュー欄で行われるネガキャンなどを外部から批判しても、状況が改善される可能性はほとんどない。汗をかき、泥まみれになる覚悟が必要です。誰も自分の代わりに世界を救ってくれはしない。おかしいと思うなら、自分の行動で正す他ありません。

ひどいレビューばっかりだと思うなら、自分がよいレビューを書くのです。もちろん、ろくなレビューにならない。あー、この程度か、とガッカリする。

逆説的だけど、その「ガッカリする」ところからはじめなければ、相手と同じ水準で非難合戦をやることになってしまうと思う。「その気になれば、よいレビューなんかいつでも書ける」と心のどこかで思っているから、そのための努力を惜しんで、目の前のわかりやすい敵を叩くことに時間を浪費してしまうのです。

レビューへの投票だって同じだと思う。気に入らないレビューに「参考にならなかった」票を入れる必要はない。そんな嫌がらせで相手を刺激する暇があるなら、よいレビューをきちんと発掘して、「参考になった」票を入れていくこと。やってみればわかるけど、これは本当に時間がかかる。だからこそ自分がやるのです。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

梅田望夫さんは、インターネットが世界を本当に変革していくためには、さらに数段階の飛躍的な技術の進歩が必要だ、と説明していました。そんな進歩がそうそうあるわけがない。ゆえに現実的な予想は、既存の社会の大部分は現状の延長上で(衰退しつつも)相当遠い未来まで存続する、というものでした。

2009年現在、技術の劇的な進化は起きていない。ゆえに大変化は文化障壁に阻まれ、日本のウェブは梅田さんにとって「残念」な状況のまま。

私も、残念に思ってる。Amazonのレビューの状況って、川崎憲次郎さんがオールスターのファン投票で1位になったのと同じで、いくらレビューや投票を集めても、少しも質が向上していかない。集合智なんてどこにあるのだろう。だけど、それでも何かを諦めきれないから、ブログなんか書くわけです。

みんなが諦めてしまったらそこで終わり。いや、諦めるのは自由なんですよ。諦めつつ、ブツブツ文句だけいっていてもいい。ただ、そこに何か希望を持ちたいなら、自分が何かをする他ないと思う。

補記:

ぶっちゃけた話をすれば、ブログに書いたDQ9の記事を1万8千人が読んで、概ね反応は好意的なのに、どうしてAmazonの投票でこれほど苦戦するのか、と。「たしかに、ひどいねー(でも私は何もしないよ)」っていう。福島瑞穂さんの本を読まずに叩く人へのカウンターも同様で、レビューの得票は記事閲覧者数の1%未満。

世の中そんなもの、というか、福島本のレビューは私にとって100票獲得の最短記録だったから、1%弱の方々が投票してくれたのは奇跡的な成功なのかもしれない。そうは思うけれども、「じゃあ残りの99%超の読者は何を思っているのか」が気になります。結局、「面倒くさい」で放置する程度の「問題」なのか。

私だって、何もしていない。見て見ぬふりをしていることばかりです。それでも、1%未満……そんなものかなあ。

追記:

作れる!わたしのWebサイト

私が大プッシュしてきた「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」の改訂版が発売されてた! 嬉しいな。今ではこうした入門書自体あまり需要がなさそうだけど、他の本と見比べて、やっぱりこの本が一番いい。売れてほしいと思う。

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