趣味Web 小説 2010-03-15

memo:政治雑感 #2706

同じようなことばかり書いているので、いい加減、記事タイトルを考えるのにも飽きた。今後、「またか」という話には『memo:政治雑感』の題をつけることにする。

昨夏の総選挙の様子を鑑みるに、民主党政権は世論を読み違えているので、きっと失速すると思っていた。国民は民主党のマニフェストに書かれた「新たに行う政策」ではなく、自民党政権の「無駄な財政支出」を批判する姿勢を支持していたのだ。だから当初から「マニフェスト通りの政治をしなくてよい」という意見が多かった。そして秋の事業仕分けを大歓迎した。「政府は事業を減らせ」と国民はいっている。

報道各社の世論調査によると、鳩山由紀夫政権の支持率が4割を切って、不支持率が5割を突破したそうだ。自民党は「政治とカネ」の不祥事が相次いだことが原因と考えて、衆議院では延々、「どうでもいいこと」に時間を費やし続けた。与謝野馨さんの『堂々たる政治』は「与党を倒すのが野党の仕事」という中曽根康弘さんの言葉を紹介している。「政治とカネ」で与党を倒せないことは、社会党が実証してきたではないか。与党の不祥事を追及して自党の支持が増えるわけがない。2月には、与党幹部の証人喚問を求めて審議拒否までやった。私は唖然とした。

万年野党を真似したって、永遠に政権の奪還などできはしない。自民党は数合わせ的に連立に加えてもらうような政党になるつもりなのか。まだ政権を失って半年なので、追及がブーメランになりかねない要素は多い。それでも民主党政権の予算案には、攻めどころが多々あった。

子ども手当ては見送るべきだ。高速道路の新規建設は論外、高速道路会社の債務の早期完済を目指せ。高校授業料無料化はそもそも不要な政策であって、朝鮮学校を対象とするかどうかなど瑣末な問題である。……こうした主張を展開すれば、民主党政権に失望した有権者の耳目を集めることができたろう。

そうできなかったのは、民主党政権の新事業が、いずれも少数の強力な支持を集める政策だったからかもしれない。薄く広い不支持より、厚く狭い支持の方が重要だ……それは、3割、4割の支持で政権党になれる選挙の実情を知る政治家の肌に、染み付いている感覚なのだと思う。

しかし、小泉政権の成功も、民主党が実現した政権交代も、都市部のサイレント・マジョリティーの支持を得ることの重要性を指し示している。民主党はどうやら「撃てる弾を全部撃ったら、まぐれ当りをした」だけだったようだけれども、自民党はどうなのか。

景気対策は必要だ。少子化対策もやるべきだ。が、なるべく財政支出を伴わないやり方を模索しなければならない。国民が「官僚の天下り先」とみなす組織の大幅縮減と矛盾しない方策に知恵を絞らねばならない。

……となれば、景気対策は主として金融政策に委ね、財政は直接税と中心として所得税の累進を強化しビルトイン・スタビライザーによる景気循環の緩和にとどめることになろう。家族政策は、出産・育児休暇後の職場復帰保障、育児休暇の取得率目標値の達成などに強制性を持たせていく、保育所事業の規制を緩和して民間参入を増やす、といった施策が検討されよう。

余談:

堂々たる政治 (新潮新書)

与謝野馨さんの経済観や政策論には賛同できない点が多い。そういう意味では、読んでいてイライラが募る1冊なのだけれども、一人の政治家の自己紹介としては、かなり面白い。面倒くさいからやらないけど、ちょっと引用して紹介したいエピソードがたくさん入ってる。

とかく「政策通」をみなされがちな与謝野さんだけど、本人の自己認識は全くそうではないということがわかる。素朴な素人の実感で政策を語っているんだな。テレビ番組などで拝見したときの印象と重ね合わせると、無意識の挙措で「頭がよさそう」という印象を周囲に与えてしまうタイプらしい。本当は受け売りの話でも、自分の言葉で語っているように聞こえる。それが与謝野さんにとって損なのか得なのかは、よくわからない。

Amazonのレビューではまず星の数で5段階の評価をする。悩むな、こういう本は。評価基準によって、星の数は全然違ってくると思う。で、結局、私はレビューしていない。

追記:

「「政府は事業を減らせ」と国民はいっている。」俺の将来負担を増やすなと言っているのだと思うが。

BUNTENさんはこの日記をずっと読んでいるのに、私の書いているのは「そういう意味」だと読み取ってはくれないのか。最近も「不安」を刺激しない政策が求められる時代(2010-03-08)とか内閣支持率の維持に必要なこと(2010-03-09)なんて記事を書いたばかりだ。

「「俺の将来負担を増やすな」と国民はいっている。」と書いた方がわかりやすい、あるいは、そう書かないと誤解されかねない、ということなら納得できる。なのにどうして、「考え足らず」や「勘違い」を指摘するような言い方をするんだろう。常連読者でさえ、つい先週に書いた記事と関連付けて文章を好意的に補って解釈してくれることはない。何というか、空しい気分だ。

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