趣味Web 小説 2010-11-16

はてブにレス機能が求められた理由

1.

客観的には、自分と意見の違う1人や2人を説得しようと頑張るより、態度を明確にしていない大勢に向けて持論を説く方が効率的だと思う。ブログやウェブサイトの記事本文と比較すれば10分の1以下の人しか目を通さないだろうコメント欄や掲示板で、延々と時間を浪費している人はもったいない。文章を書くなんて面倒なことなんだから、何か書くなら、1人より大勢に伝わるように書く方がいい。

とはいうものの、対話が成り立ちそうな人が、こちらの主張を誤解して、それゆえに無体な批判をしているように見える場面などに遭遇すると、強烈に「何とかならないのか」という気持ちが湧き上がってきます。

私はこの感情を不合理だと思い、「そもそもそのような気持ちにならないようにしよう」と考えてきました。でも、次第に「別に私の記事が大勢に読まれたからって世の中、何かいい方に変わるわけじゃないしな」と思うようになりました。すると話の前提が変わってくるわけで、「所詮、ただ書きたくて書いているだけなのだから、自分の気分がよりよくなる方針を選択すればいいんじゃないか?」ということに。

2.

私は自分の意見に多くの賛同が得られないこと自体は、さして気になりません。他の人が既に書いていることなら、自分が書く必要はない、という思いも強いので。しかしながら、「そもそも話を聞こうともせず、結論だけをつかまえて叩く」「特異な話の前提をうまく読み取ってもらえず、言葉の端々を捉えてある種の典型に当てはめ、私の意図と異なる読み方に基づいて批判される」といったことには憤りを感じます。

そこで、誤解がどんどん広まっているような状況では、追記や記事の改訂によって真意をより明確にするようにしています。最近はうちの読者層が変わったのかどうか、記事の改訂に怒る人は減ってきたという印象があります。ちなみに、新しい記事を書いても、常連読者にしか読まれません。補足記事へのリンクをしてもアクセス解析を見る限り大半の人が読まないのが実情なので、その記事自体に追記か改訂をする方がいいです。

以上はプチ炎上を前提とした話ですが、ごく一部の人だけが誤解しているケースでは、私の中では、違うものが優先順位の上位に上がってきます。「せっかく短くまとまっている記事に、ゴチャゴチャ追記するのは嫌だな」と思うのです。言葉の選択は私の個性なので、誤解を招く程度が小さいなら、「備忘録」としてそのまま残しておきたい。だから、記事はそのままにして、誤解した人と直接コンタクトを取って、真意を説明したいと思うのです。

プチ炎上の場合、掲示板やコメント欄やはてブで「常識」が向こう側にあることが可視化されていることもあって、個人を相手に何をいっても、まず聞く耳はもたれない。私は「意見に反対でも構わないが、まずこちらの主張をちゃんと理解してください」といいたいのですが、「大多数の人が間違っていると断じている意見など、理解する価値なし」と。だから、個人ではなく、全体の空気を変えていくことに注力すべきなのです。

ともかく、プチ炎上への対応と、一部の人のコメントに反応したい場合とでは、いろいろ違ってくるわけです。

3.

はてなブックマークのユーザーには「ポイント送信メッセージ」を送ることができますから、私は過去に何回か「真意を説明する」メッセージを送ってきました。しかし、そのほとんどが無視されました。必ずしも微妙な話ではなく、明々白々な読み違いもあったのに、無反応。

私は「はてなブックマークのユーザーの少なからずは、自分の言葉に責任を持つということを、わかりやすく態度に示してはくれないんだな」という印象を抱きました。

ではその人が他の誰とも交流せず、独り言をつぶやいているだけなのかというと、必ずしもそうではないから頭にきます。例えば、はてブのエントリーページでのコメントの応酬などはやっていたりするのですね。その他、ブログのコメント欄では、ふつうに返信していたり。

「はてブのエントリーページ内で意見されれば反応する」という人の存在には、引っ掛かりがありました。それから数年経って、「あ、そうか、ここにつながるんだ」と理解できたのが、「はてブのエントリーページ内でコメントに返信できる機能がほしい」という被はてブ側の要望でした。

私はずっと、はてブのエントリーページより確実に「あなたのエントリーそのもの」の方が大勢に読まれるのだから、返信は話題になっているエントリーの追記として行えばいい、と考えていたんです。自分の記事なら字数制限もないし、圧倒的に有利じゃないですか。

でも、そういうことじゃないんですね。はてブのユーザーは、はてブ内で反論されないと、反応が鈍い。記事に追記しても無反応、メールアドレスがわからないのでポイント送信メッセージを送っても無反応、そういう人が、エントリーページ内で意見されれば反応する、だから……。

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