私が著作権を放棄しているのは deztec.jp 内のコンテンツだけです。「矛盾」を指摘する前によく読んでほしい。また、いくつかのご意見に対して補足の記事を書きました。ぜひご一読を。
私は先月よりTwitter社のサポートに問い合わせをしてきました。
【問い合わせの要点】
「私がいったん公開した後に削除または非公開にしたツイート」を、
私に断りなく転載・公開し続けるサービスは、
Twitter の API の利用規約に違反しているか?
【私の希望】
「はい、違反しています」or「いいえ、違反していません」
いずれかの回答をいただきたい。
Twitterのサポート担当者は、削除済みツイートの無断転載を続けるサービスはTwitter APIの利用規約に違反していることを明言してくださいました。この応答はTwitterサポート#1829415に記録されています。
- I.4.A. Exporting Twitter Content to a datastore as a service or other cloud based service, however, is not permitted.
- II. Don't surprise users
- II.1.B. Get users' permission before
Twitterサポートの回答を得た私は、Togetterを運営するトゥギャッター株式会社に、概略以下のような問い合わせをしました。
Togetter内の記事に、私が既に削除したツイートが無断転載されています。私の削除済みツイートが転載され続けることについて、私は貴社に対して事前にも事後にも許可を出していません。
ユーザーが削除したり非公開にしたツイートをユーザーに無断で転載・公開し続けるサービスは、Twitter API の利用規約に違反しており、Twitter API を利用できません。私はTwitterサポート#1829415において、現在のTogetterは規約違反との回答を得ました。(注:サポートの回答です。Twitter社の公式見解ではありません)
Togetterは特定のツイートの削除依頼には応じていますが、それでは不十分です。クレームがつくまで無断転載を放置するようなサービスによる利用を、Twitter API の利用規約は否定しているからです。ユーザーがTwitter内でツイートを削除したとき、多少のタイムラグはあっても、全世界のTwitterのAPIを利用したサービスにおいても、当該のツイートは削除される必要があります。
Togetterの仕様を Twitterの利用規約に合致するよう変更されることを、私は要望します。この要望が実現すれば、結果的に私のツイートが無断転載されている状況も解消されるはずです。
以上、ご検討くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
TwitterのユーザーはAPI経由でツイートを再利用されることに同意していますが、そのAPIには利用規約があります。その利用規約によれば、削除済みのツイートはAPIを利用したサービスにおいても削除されなければなりません。ユーザーは削除済みツイートを表示し続けることまでは同意していないのですから、削除済みツイートを表示し続ければ、それは無断転載になります。
失言や炎上のログを著作権を無視した形で収集・公開しているようなサービスが「表通りに出店している」のはおかしい。よくない使い方をしているユーザーは僅かです。規約の枠内でサービスを設計すれば問題の少なからずを未然に防げますし、Togetterやふぁぼったーは、そのようにしても本来の魅力をほとんど失わないはずです。
Togetterやふぁぼったーが仕様を変更すれば、新しく無断転載サービスが誕生するに違いありません。しかしながら、規約を守らないサービスが「表通り」から追い出されれば、その利用者数は十分に少なくなるでしょう。それは「こういうことは正しくない」という社会的なメッセージになります。
私としては大満足の回答! どうもありがとうございました。Togetterは本来あるべき形への歩みを放棄していなかったんですね。気長に対応を待ちたいと思います。
Twilogは、当人の許可を得て過去ログを取得するのだから、主要部分はクリーンです。しかし公式RTまでログ取得の対象とする機能には課題があります。公式RTしたツイートについてあれこれ論評をするなど、引用の要件が満たされていればよいのですが、気になるツイートを脈略なくクリップしていたような場合は、無断転載になってしまいます。
TwitterはAPIを無断転載に利用することを否定しています。公式RTのログ取得についてもっと目立つ形で注意喚起しないと、Twilogが一部の悪い利用者に責任転嫁することは難しいのではないでしょうか。
コメントで教えていただいたのですが、favstar.fmというふぁぼったー類似サービスではツイートの削除に対応しているそうです。なんと10秒で対応してくれるという。本当かな? と思って調べてみたところ、私の削除済みツイートは消えていませんでした。ついでに調べたふぁぼったーの方も、やっぱり消えていませんでした……。
Twitter社は利用規約の遵守を条件にTwitter APIを開放しています。API経由で取得したツイートをガイドラインにしたがって表示すればTwitter社と提携したツイートの再利用となり、Twitterのユーザーは規約によりこれを許容しなければなりません。
しかしながら、Twitter APIの利用規約に従わないサービスは、Twitter APIを利用できません。Twitter APIを利用せずにツイートを取得した場合や、利用規約を守る意思のないサービスがTwitter APIを利用した場合、それらはTwitterの提携先とは認められないはずです。そのようなサービスがツイートを再利用するためには、各Twitterユーザーの許可を取るか、引用の要件を満たす必要があります。
米国議会図書館が全ツイートのログを保持し、場合によってはその一部を公開するそうです。しかしそれは、著作権より重要な特定の目的を実現するために必要な場合に限られています。著作権はおそらく、世界でもっとも重要な権利ではない。だから、ツイートの無断利用も、正当化できる場合があると思います。でも、それなら、米国議会図書館などに倣って法律を作るべきです。
Togetterに問い合わせをした件について、私が削除したツイートに書かれていたのは、大した内容ではありません。
@mitiyon たしかに携帯電話が壊れても逮捕には結びつかないので、公共システムの堅牢さには少なくとも業界標準の適用を義務付けて、それに達していない仕様ではダメだということにすべきだ、といえるかもしれませんね。
2010-11-03 16:35:53
ただこれだけです。しかし、大した内容であろうとなかろうと、私には自分のツイートを削除する権利があります。いまTogetterの無断転載によって、私はその権利を不当に奪われています。それでいいはずがない、といいたいのです。
他にも著作権をないがしろにしたサービスはたくさんある……それはそうです。が、だからTogetterを免罪すべき、ということにはなりません。
ニコニコ動画やYouTubeが、テレビ番組をそのまま無断アップロードする行為を厳しく取り締まることを要請されたのと同様、Togetterもツイート再利用業界の国内リーディングカンパニーとして、そろそろアングラな世界とは距離を置いてほしい。Twitterのユーザーがひとつひとつのツイートに対して保有している権利を、きちんと尊重したサービスを構築すべきです。
繰り返しになりますが、人それぞれ著作権より大切だと思うものはあるでしょう。しかし、真に「このような場合には著作権よりこちらを優先すべきだ」という社会的なコンセンサスがあるならば、立法が可能なはずです。ネットでは声が大きくとも、実際には少数派でしかないなら、それなりのやり方をすべきです。
私は何度も書いてきました。他人の著作物を自由に再利用したい人々は、同じ考えを持つ者同士でコミュニティを作り、その内側で理想を実践すべきだ、と。その世界が魅力的であれば、大勢が「私も参加したい」と思い、続々と集まってくるに違いない。あるいは、個人的に再利用自由なコンテンツを世界に提供していくのもいい。しかし現実には、理想社会の建設を「他人の権利を踏みにじるところから始める」人が多すぎます。
利用規約で削除対応を求めつつAPIにその機能を用意していないTwitterはおかしい、という意見には納得できない。API強化の要望を出すのは自由ですが、あらゆるタイプの外部サービスを実現できるだけのAPIを用意する義務など、Twitterにはありません。ある種のAPIを作らないことによって、Togetterのようなサービスを否定する、という戦略もありえます。