3 : 08 子供にわいせつ、キッズgoo

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それは、ぬるい「攻撃」だった

2001年 7月31日
記事ID d10731a

世界のウェブにはびこった「悪意なき荒らし」"Microsoft URL Control" ――あなたのサイトのログにもありませんか? 荒らし系なスクリプトかと思いきや、追究したら意外な事実が……。

じつは、faireal.net は先週末からアタックめいた変な連続アクセスを受けていた。とくに[Fri Jul 27 01:57:44 2001]→[Fri Jul 27 17:14:03 2001]の十数時間のあいだに「210.225.146.174」から3万2290回も不正なリクエストが来て、エラーログに File does not exist. というつまらないエラーが10MBytesもえんえんと記録された。が、内容をみると、セキュリティホールをつくような「まとも」な攻撃でなく、何か勘違いしてるだけな厨房のようにも見えた。攻撃にしては、ぬるすぎる……。が、3万回も人間が手動でリロードするとも思えない。スクリプトを使っているのだろう(もちろん、こちらも手動で3万という数を数えているわけもなくスクリプトで検出しているので、これはプログラム同士の戦いっぽい)……相手は意識して何かしかけているのだろうか? 攻性スクリプトをまがりなりにも使えるような相手がこんな手ぬるいことをするとも思えない。404 not found なんて、数秒おきくらいにポツポツあってもうざいだけで無意味だ。1日は8万6400秒あるのだから日に3万リクエスト、それもhttpプロトコルだけでファイル本体を送らず終了なんてサーバにとってはアクビが出る話とさえ言える。真意が分からないので、アクセス拒否をせず、知らん顔で泳がせて、様子を見た。

そのスクリプトなりプログラムは直接リクエストを出せるやつみたいで、仮想ブラウザ(UA)名「Microsoft URL Control」を自称していた。検索してみたら、日本地域だけでなく、ウェブ全体に迷惑をかけてることがすぐ分かった。UA名があっちこちのログに残っているのだ。もっともUA名なんていくらでも偽装できるので、この変数は、あまりあてにしていなかった、が、しかし、感覚的にホンモノのMSじゃないMS製品にしては「らしすぎる」名前だ、とも思われた……。IEにも同期とか購読とかオフライン利用とか称してリンク先読みクロールしてくる仮想ブラウザが内蔵されているが、それは違う名だし。UA名偽装ツールにせよCGI串にせよ、いつも思うのだけど、個人情報を隠したければ、IE5.5とかの当たり前のものに化ければいいのに、なんでわざわざネットスクラップとか特務機関ネルフとか名乗るのだろう。あまりに個性的なUA名だったら、かえって個人が識別・追跡されやすいと思うのだが……?個人情報隠蔽どころか、自分から特殊クッキーを世界中にばらまいているようなものだからだ(少年ナイフも今は目立たないが初期は珍しくて目立ったものだ)

ホストが逆引きできないIPなのがいかにもうざげだが、jpドメインだったので簡単に調べがついて、千葉県松戸市日暮1-2-6勝どきビル3階にあるピーシー・ブレインという会社の社員が会社からやってるっぽいと推定。で、こっちから逆に pcbrin.co.jp をつんつくつつくと、HTTP は見えないものの ping に反応があって、正引き結果は攻撃元とほぼ同じIPと出た。間違いない。これだろう……。その時点では、無邪気な小さな会社がハックされて踏み台にされてるのか、とも思った。ので、とりあえず、pcbrain の管理者さんと友だちになって、追い込みに協力してもらおうとメールを書いた。

Subject: 貴社IPから数万回の異常なHTTPリクエスト
Date: Sun, 29 Jul 2001 07:08:37 +0900
From: FAIREAL.net <webmaster@faireal.net>

-----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE-----

株式会社ピーシー・ブレイン (PC Brain Co.,Ltd.)
〒270-2253 千葉県松戸市日暮1-2-6勝どきビル3F
ネットワーク担当者様

ドメイン「FAIREAL.NET」を所有、運営している者です。
貴社所有のIP「210.225.146.174」から、
当方の www.faireal.net に対し、
[Fri Jul 27 01:57:44 2001]→[Fri Jul 27 17:14:03 2001]
の十数時間のあいだに、不正なリクエストが3万2290回、
繰り返されました。そのほとんどは、
"GET /about/* HTTP/1.1"
であり、*は多バイト文字を含む不正かつ異常に長いURLです。

また翌28日も、正当ではありますが異常な回数の
リクエスト"GET /about/ HTTP/1.1"が長時間に渡って繰り返されました。

貴社のIPから為された不正なリクエストは、
エラーログの記録10MBytesに及ぶもので決して無視できる程度では、
ありませんが、明白な悪意とは断定できない余地(ウェブの自動巡回ソ
フトやクローラの故意でない設定ミス等)もあり、また、貴社のサーバ
が単に踏み台にされている可能性もあるかと存じます。
後者の場合、貴社のサーバが不正に使用されているわけですから、
当然のことながら、放置すれば、貴社におかれましても
不利益が増大するかと思われます。
つきましては、事実関係について調査ご回答いただければ
誠に幸甚に存じます。

もし万一、貴社の社員様ないし関係者様が悪意やいたずらのつもりで今
回の事を行ったとしても、それはそれで構いません、
そのかたに、ひとことご注意いただければと思います。
ログを見る限り不正アクセスの試みなどではなく、むしろ初心者が興味
本位にあれこれ遊んでいるように思われ、危険は感じておりませんが、
ただ、つまらないFile does not exist:でエラーログがいっぱいになる
のは鬱陶しいので、
当方でアクセス拒否するよりもひとこと該当のかたにご指導いただけれ
ばと思います。宜しくお願い致します。


-----BEGIN PGP SIGNATURE-----
Version: PGP 6.5.8
(略)
-----END PGP SIGNATURE-----

そしたら結果は、あっけないというか、非常につまらないものだった。たまたま同時期に faireal.net がパーキングしているサーバが一時ダウンしたので、そのときは、「しまった、あの泳がしたのが原因か??泳がさずにすぐさまアクセス拒否しとくべきだったか」とちょっと後悔したが(万一そうなら、自分のせいでサーバ全体に迷惑をかけたことになるし)、調べてみたら、これはたまたまシンクロしただけで無関係の話だった。

(株)ピーシー・ブレインの**(仮名)と申します。

この度は、貴社所有サーバーへの負荷及びエラーログによる無意味な領域占有をおかけいたしました事、誠に申し訳ありませんでした。

ご指摘頂きました貴社サーバーに対します当社所有IP「210.225.146.174」からの不正リクエストに関しまして調査致しましたのでご説明申し上げます。

現在、当社のプロジェクトに「Web自動巡回ソフト」の開発を行っております。このソフトは、現在でも良くある巡回ソフトと同様の物で、Web上の指定したURLのHTMLを読込みリンクを辿りながら自動でWeb上のサイトを巡回すると言うものです。

2001年07月25日から28日の間、このソフトのテストを行っておりました。貴社サーバへのリクエストはこのテストによるものです。

巡回するWebサイトは、Yahoo等の検索サイトで、あるキーワードで検索した結果を元に行っており、意図的に貴社所有サーバ <www.faireal.net> へリクエストを行ったの では無い事をご了承ください。しかし、Webの自動巡回でリンク先のURLの抽出処理を行う部分で、無効なURLにリクエストをしてしまう不具合(この時、URLのドメイン部分は有効となっており、ドメインが存在するサーバへリクエストし、サーバでは不正なリクエストとして要求されていました)が判明し、結果、貴社所有サーバに対し、恰も不当にリクエストを行い不正アクセスしている様な状況となっておりました。

調査の結果、ご指摘頂いた内容は、当社のWeb自動巡回ソフトの不具合によって起きた物であり、また、テストをする上でのソフトの十分な事前検証を怠った事でこのような事態を起こしてしまった事を深く反省いたしております。

今後は、開かれたインターネット上のWebサイトを利用する上で、自分が行おうとする事によりどのような問題が発生するのかを考慮し取り組んでいく所存です。

最後に、今回のテストにて起きました内容を、ご指摘頂けたのは、貴社だけでありましたが、貴社以外のWebサイトを運営されている方々も同様に、ご迷惑をおかけしていたはずです。これを思いますと、恐縮するばかりなのですが、早々の、ご指摘のご連絡を頂けました事、誠に、有難う御座いました。

こんなうざいバグを言われるまで気づかないなんて、ずぼらか、真に天才的な開発者かの、どっちかだろう(天才というのも、常人が思いもかけないようなとんでもないことをしでかすことがあるので……といっても抜き出したURLに無効な文字が入ってないかくらい念のためにチェックしとけばいいのに)。テスト期間7月28日までというのも正しい情報でなく、29日以降も自称「Microsoft URL Control」が徘徊(はいかい)してきていた。あくまで一般論としてだけれど、どっかの雑居ビルの3階にあるこじんまりとした会社が、自社のβ版製品のUA名として「Microsoft URL Control」なんて名乗るあたりからして、うさんくさい気がする(厳密にいえば商標法違反とかなのでは?)。早々にご指摘といっても、たまたま faireal.net に来るまで何ヶ月も、この「Microsoft URL Control」は世界のログを汚していたのだ。まじめな巡回ソフトとして開発中らしいけど、なんか協力しあえばりっぱなddosツールになりうるソフトっぽい気がする。まぁそれは pocky もそうで強力なUAは両刃の剣なのだ。仕方ないとは思う。また、これからbbの時代になって、水道管は太くなって水をじゃんじゃか送れと水道全開にしてもらっても、そんなにそこらのサーバは水圧ないぞ、どうなるんだろう、というのも心配だったりする。bbの時代になれば、全読者が、全部のお気に入りを1秒ごとに更新チェック&ローカルキャッシュと同期させようとするかもしれないからだ。

それはともかく、ベータテスト中のクローラーなら、せめてUAのなかにメールアドレスかURLを入れとけば、もっと早くフィードバックを得られたのでは、ないでしょうか。(メールの名前とかは、一部、伏せ字にしてます。個人名などは本筋において意味のない情報なので)

追記

2001.08.01 あるサイトに「WWWCにて更新チェックされ始めた方がいらっしゃるんですが、5分おきというのは止めていただきたいです」と書いてあった。昨夜のメモの、bbになって帯域に余裕がでると、つい過剰に更新チェッカーを使ってしまうだろう(悪意なき被害の発生)、という問題が表面化というか本格化するのは、まだまだこれからでしょう。5分おきならサーバ的にはOKでも、自前でサーバを立てるかたの場合、線の太さの問題が深刻でしょうし、妖精現実のような共有サーバだとISPへの遠慮といぅか気がねが……。head で更新時刻を返さないページは get されてトラフィックを浪費する。我々貧者は、index.cgi でも自前で Last-Modified ヘッダを返すか、ヒット数によっては、自前で index.html を作って index.cgi が生成したものを動的にキャッシュして、なんとかしのぐしかないでしょう。もっと光を……。光の道が世界に満ちるまで。

SSIやPHPげなページでも「XBitHack full」というハックを使って、グループの実行パーミッションを立てるとファイル自体の更新時刻が返ります(アパッチ)。単にスタイルシートを選択してるようなSSIなら、「常時更新」でなくても良いので、一般論としておすすめの設定。一般のブラウザだと、cgi のページでも更新時刻が明示されてればキャッシュを使ってくれるし。変なことが好きなかたは、数年先の時刻を返して相手を楽しませよう(ブラウザによっては、まごつくかも――2060年ですとかいうと時刻フィールドが32ビットしかないマシンがクラッシュしたりして)。うざいUAを退散させるには相手しだいで「404 ページは死にました」と存在するページをレーダーに写らなくしよう。最も簡単には、head に対してつねに「その日の午前0時に更新」と答えるようにしかけておくと、更新チェッカーからは1日1回しか更新してないように見えるので、あまり get されずにすむ。お好みしだいでは、逆に1時間ごとに更新されているふりをしてアンテナを混乱させる怪電波を発することもできますが……

触角は、いいね。ひらひらしてるから。蛾の国のことばは銀のりんぷんで……。

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大本営発表、おとなは本日も健全なり

2001年 7月28日
記事ID d10728

「過激(かげき)な濡れ場(ぬれば)にも体当(たいあ)たりで挑戦(ちょうせん)…彼女(かのじょ)を誘拐(ゆうかい)し、飼育(しいく)…」

おとなと子どものあいだには、情報戦争の緊張がある。おとなも、敵に知られたくない情報を隠そうとする。逆の話は、ここでは、しないが、なぜ知られたくないかといえば、その事実について、たいていのおとなたち自身が咀嚼(そしゃく)できていないので、つっこまれるとうろたえてしまうのだろう。おとなの弱点。弱点を隠したい――だが、これだけ「事実」を知られてしまい、しかもしらばっくれて取り澄ましてちゃ、ますます信頼を失うばかりだ。自分たちが守ってないルールを押しつけないでほしい。

保護者の方へ」にはキッズgooのセールスポイントが3点、列挙されている。いずれも「子供と一緒に」と始まる。子どもといっしょに保護者に見てほしい――それが広告主のホンネであり、さもなければこんなカネのかかることは、できない。じじつ広告ターゲットもおとなだ。「サルまん」が明快に分析している児童まんがの本質と同じこと。これは子どものためのポータルでは、ない。親にものを買わせるためのコマーシャルを流すおまけとして、コンテンツ(番組)があるにすぎない。

なにげに「子供と一緒に」と書いている goo だが、子どものことを真剣に考えていれば、人身御供(ひとみごくう)のような「子供」という用字をやめて「子ども」と表記したいと思いあたることもあるだろう……。むろん「子ども」は良く「子供」は悪い言葉だなどと言い出したら、めくそはなくそだけど……。どっちにしても慈善事業じゃないのだから。

注:「子ども」が目くそで「子供」が鼻くそという意味じゃなく、kids.goo が採用している「ある言葉が」有害だとか良くないと決めつける「言葉の外形でフィルタリングするやり方」(その言葉を使って何が語られているのかという内容を見ず表面をせんさくする態度)について愚かしいと笑いつつ「子供」はやめてほしい「子ども」なら正しいなどと言えば、いかにも目くそ鼻くそだ、という趣意です。――といっても、現在の技術では文脈までそう踏みこめないし、言葉の外形を基準にせざるを得ないのも仕方ないわけで、では、どうすればいいか?という実質の話をすると、いっけん話が飛ぶようですが新世代エンジン TEOMA の発想に注目してください。TEOMA的発想をフィルタリングに応用すると、子ども向けのページからたくさんリンクされているページは子ども向けで「安全」だろう、というコロンブスの卵な発想が出てくるはず。なお、TEOMAは単にグーグルを越えたというだけでなく、従来のグーグルと新しいTEOMAの違いには見かけ以上に深い「哲学的」な意味がひそんでいます。また、何が kids.goo の技術的問題かも、TEOMAと比較すると浮き彫りになるように思います。この追記欄には書ききれないので、後日、改めてご説明しましょう。

本質が情報戦争であるとしたら、おとなたちが「隠蔽(いんぺい)同盟」を結んでいることがらをスパイするサイトは悪者だろう。でも、それこそが、小中学生が本当に知りたい、知るべきことなのかもしれない。社会的に性を抑圧し、抑圧された願望のはけ口を商品化している構造があるかぎり、自然を「悪」と呼ぶのは事業者の既得権だろう。

未知の世界へのナビゲーター

中学生が実際に使うとは思えないけど、べつの意味でちょっと楽しい「キッズgoo」。

自称「日本一の、こどものためのポータル」は、子どものために、いろんな知識をさずけてくれます。ちょっと試してみたら、なにやらずいぶん難しげなコンテンツが出てきました。小学生でも読めるように、ちゃんとふりがながついてます。なになに……18歳(さい)の新人(しんじん)・深海(しんかい)理(り)絵(え)。CMや、TVドラマなどには出演(しゅつえん)していたが、本(ほん)作(さく)が彼女(かのじょ)の映画(えいが)デビュー作(さく)となる。過激(かげき)な濡れ場(ぬれば)にも体当(たいあ)たりで挑戦(ちょうせん)し、今後(こんご)が期待(きたい)される。彼女(かのじょ)を誘拐(ゆうかい)し、飼育(しいく)する住川(すみかわ)に、元(もと)ビシバシステムの緋田(あけだ)が怪演(かいえん)している。

――ふぅむ、お子さまのためには、ふりがなだけでなく、単語の説明が必要かもしれません。「濡れ場」などの難語は、自動的にgooの国語辞典を参照できるようにすると、国語の勉強にも役だちそう。自称「未知の世界へのナビゲーター」キッズgoo、今後の発展が楽しみです。

You are kidding!

「日本いちのキッズむけサーチ」「安全便利」こどものためのポータルサイト、「キッズgoo誕生」!(とフレーム上部の広告に書いてある)――たしかに、ふりがながついて、お子さまでも読みやすい。小学校の教員や校長先生の話なので、子どもたちも、身近に感じられることでしょう。

kids.gooが表示するコンテンツの例「やがて彼女(かのじょ)は行(ゆ)きずりの男(おとこ)との一夜(いちや)の関係(かんけい)に身(しん)を任(まか)せ、校長(こうちょう)とのアブノーマルなセックスで快楽(かいらく)に目覚(めざ)めていく。」

キッズgoo「有害語リスト」や「優良URLリスト」を使って、悪いコンテンツを見えなくして、良い子にぴったりのページだけを探してくれるんだ。ほら、たとえばこんなぐあいだよ↓ これはgoo自身のコンテンツだから、とっても優良なんだ。

(画像:キッズgooによって優良と判断されたコンテンツ)「愛情と性欲のバランスを崩した女性のホンネを赤裸々に描く」「女子高生の身に起きた、40日間の出来事とは?前作『完全なる飼育』より、過激な内容で送る第2弾」

なんだかエッチな、気持ち悪いページだね。こんなの見たくないよね。ぷんぷん。

それに漢字のふりがなも変だぞ。「女子高生(じょしこうせい)」くらい、わたしたちだってちゃんと読めるのに、ウソの読み方を教えるなんて……。低学年の子がこれ見てまちがって覚えたらどうするのよねー。

おまけに広告まで無理やり見せつけて、ちょうむかつく。「本当にお得なのはどれ?」なんて客観的(きゃっかんてき)な比較(ひかく)をよそおいながら、NTTのけいたい電話を売りつけようとしているんだ。gooとNTTはなかまなんだよ。だから、ずるがしこく、手をくんでいるんだ。おとなのやることをうかつに信じちゃいけないってことだな。でも、マリーベルのローズおばあちゃんや、陸奥A子(むつえいこ)先生みたいないい人もいるんだよ。おとなのひとの言うことだからって、なんでも信じないで、いい人かずるい人か、見分けなければいけないってことだね。こころのなかの妖精さんが、「なんだか変だ」とささやいたら、気をつけてね!

(参考)上のページ
http://kids.goo.ne.jp/cgi-bin/kgframe.cgi?BL=0&SY=0&MD=2&FM=0&TP=http://e.goo.ne.jp/movie/eros/1/
を出した方法:キッズgooはgoo自身のコンテンツもフェアにフィルタリングするのか興味を感じて、
http://kids.goo.ne.jp/cgi-bin/kgframe.cgi?BL=0&SY=0&MD=2&FM=0&TP=http://www.goo.ne.jp
あとはチャンネルの「映画」→ジャンルで探すの「エロス」の2クリック。

☆

しかしながらWWWの世界には、性的な表現や暴力的な表現もあるため、それらへの接触機会を最小限にするための配慮として『三重のフィルタリング機能』を搭載しています。具体的には、キーワード検索時に、(1)「有害URL」リストに該当するURLをチェックし、(2)「有害語リスト」に登録されている語を"サイト概要文"に有するWebサイトを検索結果から削除します。そして更に、(3)当該Webサイトの全情報をチェックし、有害コンテンツを含む場合には表示をストップさせます。 from gooヘルプ: 小学生向けポータルサイト『キッズgoo』スタート!(ニュースリリース 2001.07.23)

gooの運営に際しましては、人為的なURL削除、及び登録の措置等は一切実施しておらず、インターネットにおけるロボット検索のルールを遵守しております。 from gooヘルプ: ロボットクローリング回避の方法

☆

妖精現実も半分くらいのページは、ふりがなつきにしてもらえました。でも表紙ページ(ごらんのこのページ)は、お子さまには不適(ルールいはん)と判定され、表示できませんでした。優良サイトと判定されるには、goo 自身の映画情報ページみたいな、難しいことばをちりばめないとダメなのかもしれません。

「ごめんね。キッズgooの運用基準(うんようきじゅん=ルール)を満(み)たさないことばがみつかったか、運用基準を満たさないページだったので、このページはひょうじしないよー。」

たぶん日本語圏では、こういう大手っぽいフィルタリングは初めてなので、びっくりして言論の自由がどうとか文句を言うかたも出てくるでしょうが(そういう観点もむろん大切ですが)、フィルタリングは(100%善意でやっていてすら)難しい技術。最高の解析技術を使っても、アムネスティの「まじめ」なページがフィルタされてしまうとか、それどころか、人の名前が「ひわいなことば」と判定されて単に自分の本名を書くだけで悪いページとしてフィルターされてしまう、といった例も報告されてます。単語を分かち書きしない日本語の場合、なおさら意味論的解析が困難で、たぶん30分もあれば、gooのフィルターをすりぬけるハードコアポルノを書けるでしょう――単にbrタグを「あぶない」単語のあいだに入れてしまえばもう認識できないし、画像も認識できないし。

そんなことより、いわゆるアダルト系とかとは別の意味で、ティーンが本当に知りたいこと、知るべきこととというくくりと、おとながティーンに知ってほしくないことの補集合が、ずれてるでしょう。それはフィルタリング技術の善し悪しとか、表現の自由とかの問題じゃなく、本質的には、おとなの弱さの問題でしょう。前にも書きましたが、いま性教育に関して先進的と言われる地域でも、当初は教師が顔を赤らめていたといいます。

おとなたちが、自分たちは本当は汚いという無意識の罪業観念にさいなまれているかぎり、子どもの優しい目のなかのちいさなおがくずをとりのぞいてやることなど、できないからです。

――でも、本当にターゲットは子どもなのだろうか……フィルタリングが多少、理不尽になってしまうのは技術的に仕方ないし、上部にフレームで広告を入れるのも、まぁ許容範囲として、それが不動産の広告だったりするのが変てこだ。「真に子どものための情報」というより、「親がいっしょに見て“安心”できる」という基準なのかもしれない。だとしたら、kids.gooの真のターゲットは親だから、広告の対象も親、つまり不動産、化粧品、海外旅行などで話があう。そして、「親が安心できる」という観点によるかぎり、学校の先生に「こわいこと」をされて困っていますどうしたらいいでしょう?とか、オナニーのしすぎは体に悪いのだろうかとか、「援助交際は売春だからいけない」というがなぜ「売春」はいけないのだろうかとか、なぜ人を殺してはいけないのだろうかとか、自分は異性に興味を持てないけれど間違っているのだろうかとか、完全自殺マニュアルが不健全図書に指定されたとかいうことですがおとなの人が考える不健全とはどういう意味なのですかといった本当の意味で小中学生に役立つないし考えるべき情報へのアクセスは制限されてしまうだろう。なぜなら、多くの保護者自身が目をそむけていて答えられないからだ。

検索大手が詐欺的行為 消費者団体が調査要請: MSN、Netscape、Directhit、HotBot、Lycos、AltaVista、looksmart、iWon――「化学調味料は、ふつうからだに悪いわけでは、ありませんが、おいしいものでもありません。天日干しの煮干しをためしてみよう。言葉で議論しても始まらない、まずは、安い煮干しと天日干しの煮干しをかじって、自分の舌で味をくらべてみよう。名前は煮干しのくせに太陽で干さないなんて変てこですね。どこで干しているのやら、とにかくおいしくない。それがまずいと分かったら、下には下があることを理解するために化学調味料をひとなめしてごらん(ほんの二、三粒ね。砂糖かなんかのつもりでスプーンに山盛りくちに入れたら気持ち悪くなるので注意)」なんていう優良な情報、「日本生命は、またこんなことをしました。この事件を解説すると」なんていうページが「子どもに見せたくない」ページと判定されたりして……上のフレームに出すバナー広告のスポンサーの意向によって。NTTの悪口なんて、gooにとっては問題外かもしれないし。

おまけ――kids.goo でサイト内を分断されたくない場合のちょっとしたハック。フィルタされたページを直接、表示できないことには変わりないが(キャッシュを止められているので)、表示できるページが1ページでもあれば、そこからサイト全体にアクセスできるようにkids.gooのCGI圏を脱する。各ページで読み込む common.js に書き加えるだけ。さもないと、kids 経由の読者は、あなたのサイトの特定のページにアクセスできるのにそこからあなたのサイト内をサーフし始めたとき、トップページやほかのページへのリンクをクリックするたびに「そこはダメ」と言われたり通らせてもらえたり、といった状態になって、結果はクリックしないと分からないので時間がムダになる。ただし、せっかくの自動ふりがな機能を無効にしてしまうので、小学校低学年を対象としたサイトでは、好ましくない。中学生以上向きのサイトなら良いかもしれない。
var kids_url=top.location.href;
var kids_pos=kids_url.indexOf("kids.goo.ne.jp");
if(kids_pos>-1) {
    var kids_str=kids_url.substring(kids_pos, kids_url.length);
    var kids_real_pos=kids_str.indexOf("http://");
    var kids_real_url=kids_str.substring(kids_real_pos, kids_str.length);
    alert("キッズgooからのおわび。ごめんなさい。わたしたちは他人のコンテンツに勝手に広告を入れてお金をもうけようという悪だくみをはたらいてしまいました。善玉ハッカーによって、このこころみがそしされてしまったようです。反省しています。");
    top.location.href=kids_real_url;
}

http://medlem.tripodnet.nu/kids/ というサイトに、「サイトの表紙ページが kids.goo にフィルタリングされてしまう場合」の対策例として、「goo のロボット以外には従来通り表紙がそのまま見えるのに、goo のロボットの目には別の表紙が映る」という「ステルスindex」という話が出ています。

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