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IEパッチ、何が必要かのまとめ

2002年 2月27日
記事ID d20227b

Internet Explorer のセキュリティ上のバグ修正に関する最新情報: 2002年2月27日現在の最新です。情報はすぐ古くなるのでご注意ください。

2002-03-19 以下の情報は、最新でありません。改訂版を見てください。

初めに要約から。IE6.0(または5.5SP2)を大前提として――

  1. 2002 年 2 月 11 日 Internet Explorer の累積的な修正プログラム (MS02-005)」を適用後、
  2. Internet Explorer の不正な VBScript 処理により Web ページがローカル ファイルを読み取る (MS02-009)」を修正
  3. Windows Media Player の .ASF ファイル処理に、未チェックのバッファが含まれる (MS01-056)」のパッチ(2001年11~12月)も適用していることを確認

――これで公式的には最新状態になります。

Windows 2000 で IE5.5SP2 を使う場合、 SRP1 の適用手順もお読みください。

なお、MS02-005 や MS02-009 のように IE5.5 用、 IE6.0 用など適用対象のバージョンごとにパッチが細かく分かれているものも多いので、間違えないように注意するのは当然として、もしブラウザ自体を IE5.5 から IE6.0 にバージョンアップした場合には、IE5.5 に対して修正パッチを適用した事項であっても、IE6.0 に対して改めて修正するほうが確実です。

MS02-008について

以下では、現在パッチ待ちになっている「XMLHTTP コントロールにより、ローカル ファイルにアクセスすることができる (MS02-008)」について。IE6ユーザは「MSXML3.DLLのアップデート」が必要になりますが、修正版がまだ出てません。

MSIE6 can read local files にデモがあって、試したら IE6.0 SP1 build 2813.3000 でも問題あることを確認できました。

これはMSXMLのバグで、リモートからローカルのファイルが読めてしまうものです。IEの問題というより、XMLパーサの問題で、MSXML2.6以降が影響を受けます。IE6環境(XP/2000/98)ではデフォルトでMSXML3.0が同梱されてるため、影響を受けます。それ以外で影響を受けるのは、手動でMSXMLモジュールをアップデートしている場合。IE5.x時代にXMLにハマったかたは、IE6にしてなくても最新のMSXMLを入れたかもしれません。

パッチは一応Security Update, February 13, 2002にあり、すでにお伝えしたようにMS本社のページには言語と関係なくOKよ、と書いてあります。日本語のページにも「この修正プログラムはすべての言語に適用することができます」と明記。同時に「この問題に対する日本語版修正プログラムは、現在準備中です」という矛盾したことが書いてあります。きょうは、MSXML4.0用の「日本語版修正プログラム」が公開されました。XMLまわりの開発者、研究者をべつにするとMSXML4.0を入れているかたは、ほとんどいないでしょうから、この修正プログラムを必要とするかたは、あまりいないと思います。また修正プログラムと書いてありますが、MSXML4.0の改訂版が一式全部入ってます。つまり修正だけじゃなく新規インストールもできるのでは……。

話を戻して、IE6ではMSXML3.DLLでXMLをパースしているので、MSXML4.DLLの修正だけでは問題は解決しません。上記の英語ページにある Q318203_MSXML30_x86_en.exe を入れるか、または対応する「日本語版」(言語は関係ないはずだが)が出るのを待つしかないです。

注意点として、MSXML4を入れているマニアも、きょう出たMSXML4用のパッチ(も必須ですが)だけでは安心できません。MSXML4の修正とMSXML3の修正は別個に必要です。

詳細説明: IE6でMSXML4を追加した場合、MSXML3とMSXML4が共存します。IE6がXSLを処理するときのデフォルトパーサはmsxml3.dllであり、たとえmsxml4.dllをインストールしていても実際に機能するのは、あくまでmsxml3.dllです(後方互換に関するマイクロソフトのポリシーのため)。現時点のIE6では、決してデフォルトXMLパーサをmsxml4.dllに「バージョンアップ」できません。――仮にmsxml4.dllをインストールしてmsxml3.dllを(コマンドラインツールを使って)手動アンインストールしたとすると、IE6はXSLを正常に処理できなくなります。それほどまでに、IE6のXML処理は(msxml4.dllの有無と関係なく)msxml3.dllに絶対依存しており、IE6ユーザがmsxml3.dllの影響からのがれるのは困難(IE6SP1以降では状況は変わるかも)。現時点でmsxml4が機能するのは、(IEユーザがでなく)XMLを書く側がそれを指定した場合に限られます。要するに、「msxml4をインストールしたから、msxml3はもう関係ない」ということには、ならないのです。逆に、ふつうのIE6ユーザは、MSXML4のことは気にしないくてだいじょうぶです。要するにどのバージョンが入ってるのか端的におしえてくれ!というかたは、自分でシステムフォルダを覗いてみたらいちばん速いです。\Windows\system\ ないし \WINNT\system32\ をみて、
MSXML2.DLL があれば、MSXML2用の修正が必要
MSXML3.DLL があれば、MSXML3用の修正が必要
MSXML4.DLL があれば、MSXML4用の修正が必要
もし2つあれば修正プログラムも2つ、3つあれば3つ必要になるわけです。

もうひとつの注意点として、MS02-008にあるレジストリの説明が完全でないです――これはMSXML2/3用の説明であり、きょうのMSXML4用の修正でできるキーは、こうです:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\MSXML4\Q317244

MSXML3.DLLの詳細バージョン情報(参考)

IE6.0 正式(最終)版
8.20.8730.1
修正パッチ適用後
8.20.9307.0
8.20.9415.0
IE6.0 SP1 betaの同梱(リーク版)
8.30.9130.0 (MSXML 3.0 SP 3)このDLLは上の修正版よりさらにバージョン番号が大きいですが、当該問題は修正されていません! またバージョンチェックのため、このDLLがあると修正パッチのDLLには置き換わりません。

手元で確認しただけのデータです。すべての環境でこの通りとは限りません。

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音楽家と聴衆の双方に不利益な音楽業界

2002年 2月27日
記事ID d20227a

このメモは客観的、総合的な分析というより「くりごと」(ぐち)です。あまりに陋劣ろうれつな圧力で、ますます文芸を虐待するショービジネス業界や、それをめぐってトンチンカンな論評をしている「知識人」をみて、「いい加減にしろ」って感じ。なにが「いい加減にしろ」かというと、業界団体の圧力(政治献金)でねじ曲げてきた法律制度に合致するか「違法」かだけですべてが決まるような論点(あなたがそうかは分かりませんが一般論として)。その「合法」の基準となる制度がどういうものか、考えてみてほしいのです。もちろん、これはすべての論点を尽くすものではない一方的なものですが、オルタナティブなひとつの視点ではあるでしょう。

くりごと

2002-02-27 「HTTPへの依存はインターネットを崩壊させる」と.NETアーキテクト: P2Pで課金する枠組みで主導権をとりたいと虎視こし眈々たんたん。ミュージシャンと聴き手のあいだに寄生して(ミュージシャンとファンの双方に多大な不利益をもたらしつつ)汁をすいまくってきた業界も、少しでも終焉の日を先延ばししようと必死だし。農家と消費者を直結するべんりなチャンネルができたら問屋は消えるしかないんだけどね。ファンは支払ったおかねが、直接そのまま100%、応援したい相手のところに行ってほしいのにあいだで9割も吸うやつがいた一時期は音楽を出すのも手に入れるのも大変だった。

印税制度の崩壊で、これからは得るほうも10分の1の値段で同じ品質のものが得られ、それでいて創る側の収入も変わらない。

変わらないどころか、従来の10分の1しかファンがつかない(人気の少ない)作者も、従来でいう一人前としてやって行ける。つまり芸術がさかえる。受け手の側からすれば、多くの創造的分野で、従来の10倍もの広範な作品世界から自由に選択できるようになる。音楽や動画や映画のコンクールでたとえれば、無理に一位を決めなくても、10位までの予選通過全作品をリリースして一般公開できるようになるし、個人的には一位のより2位や3位や5位や8位の作品のほうが気に入るってことはありがちなので、このようになれば豊饒で良い。

どれもこれも、9割を吸ってしまっていた業界が消えてくれるおかげだ。

多くの無形ストリームがこの新しいメディア(チャンネル)で仲介されるようになることはほぼ確実だからこそ、その「道路」の「通行権」を管理する立場にまわれば大きな影響力、経済の支配力を確保できる。――で「HTTPに代わる新しいプロトコルをいっしょに作りましょう」と言い出すのでしょう。すでにあるGnutellaプロトコルは潰して。Gnutellaプロトコルは実際、ゲリラ的で限界があるっぽい(特に商利用するには)。けれどGnutellaプロトコルの流れでそれを発展させてゆくという選択も当然ありうる。

既存の音楽業界とかが滅ぶことは(そのままの形態で稼げなくなることは)もう確実なので、その点においては著作権だなんだのくだらない議論をする必要もない。「版権」というのは、音楽業界が音楽家と聴衆の両方から不当にカネを吸い取る権利のことで、音楽にとっては重荷でしかなかった。出版物で考えても「出版する権利」を出版社に売り渡した書き手は、自分の著述であるにもかかわらず、以降、それを自由に公表できなくなってしまったものだった。20世紀と21世紀の初めの歴史上のこの一時期、どんなにか芸術が衰退したことだろう。バッハから後期ロマン派まで(ぎりぎりシェーンベルクくらいまで)は各時代に「こう」ということがあって代表的な作曲家を10人20人と挙げれるけど、20世紀には何もなかった。音楽を貨幣価値で測るパックづめの売り物にした結果、まるまる100年、ほとんど何も残らずに終わってしまった。かろうじてわずかに少数派の支持を得てたまさか長らえたもの以外は。ようやく暗くて長い第二中世が終わりに近づき、ルネッサンスの光が見えてきつつある今。

2002年2月25日ごろ

(以下は、サイト案内のページに書いたもので上のくりごとと重複しますが、いちおうここにも再録しときます。)

Copyleft このサイトのほとんどすべてのコンテンツ(第三者の投稿とか以外)は自由芸術フリー・アートです。ときには目で見る対象、ときには耳で聴く対象ですが、たいていは五感を離れた純粋なストリームです。引用、改変、翻案、転載、盗用など、商用・非商用をとわず、自由に利用・再配布できます。事前事後の連絡も要りません。

ただし独占的に利用することは、できません。また、利用の結果については、利用者の責任となります。一部、faireal.net の著作物でないものもあります。それらの著作権は原著作者にあります。久保田の写真、ミール・エア・リーデさんの美術作品、アンの小箱の素材がそうです。また、個別的に特に断り書きがある場合も、上記の限りでありません。

「畑を持ってるかたは、ときどき食べ物を送ってください。」と書きましたが、さしあたっては、実際に食べ物に困ってるわけでは、ありません。著作権を認めないとアーティストは食っていけなくなる、という馬鹿げた主張に対する思考触発のためにそう書いてみました。「著作権」によって儲かってるのはアーティストじゃないです。「版権」というのは。芸術が「売れた」としても、実際の売り上げの10%しかアーティストのふところに入らないようなことも珍しくありません。「販売手数料」と称して売り上げの9割も横取りする業界が存在するからです。これではアーティストはあまりに不自由です。美術業界、音楽業界、出版業界などがあいだに入らず、アーティストと受け手が産地直送で結ばれたほうが両者にメリットがあるのです。もうしばらくは貨幣経済で行くにしても「音楽業界やらのたくさんの社員」が食べてゆくぶんまで、アーティストに稼がせるとは、ひどすぎる。少なくとも数千年の貨幣経済のなかで「著作権」なるドグマが主張されたのは、たかだが数世紀の短期に過ぎませんでした。

……たとえば、わたしがある本を書いて、あなたがそれを2500円で買うとします。あなたは、その本の内容が2500円の価値ありと思ってるわけです。しかし、実際にわたしに入る印税は250円です。つまり、わたしから直接ゲットすれば、同じコンテンツが250円で得られるわけです。あなたの支払いは10分の1になり「単位金額あたりの有益情報密度」は10倍増ですが、わたしの収入は変わらないのです。いや2500円の価値ありと思ってくださってるんなら、わたしから直接300円で買っても良いかも。そのほうがその本を実際に書いたわたしの収入も増えるであろう。……

もちろんこれらの業界にも価値があります。しばしばアーティストを実際の価値以上の価値をもっているように見せてくれることです。そのようなことを喜ぶ人々と、そうすることによって貨幣的価値を高めたい人のおもわくが一致するなら、アーティストとそこに寄生する業界は共生関係にあります。しかし、「芸術家」に不満がなくとも、それでは「芸術」が腐ります。芸術は芸術家の名声のためにあるのでなく、芸術家が芸術のためにあるのです。というか共生関係にあるのはファイン・アートというよりショー・ビジネスでしょう。見せ物です。気晴らしにたまには見せ物もいいのですが、一般論としては、CD屋にでなくミュージシャンに直接、支払うべきです。そのほうがはるかに安上がりに良質のものを確保できます。地上波やら民放やらのクソ番組より、衛星放送のほうが多少なりともマシなのは、そっちのほうが(比較的に)直接、支払っていて、あいだで吸い取るアブラムシの群れが少ないからです。実際に作ってる人に直接支払ったほうが安く良いものが得られるのは野菜の産地直送なんかと同じことです。音楽や情報について、これからはあほくさい「流通コスト」をカットできるし、そうすることが可能なインフラも充実してきているからです。無駄な流通コストを省いて作品そのものに支払ったほうがいい。ところが「著作権」とは多くの場合「中間業者の専売権」でミュージシャンを保護していない、とくには「音楽を」保護してくれない。権利関係が紛れてしまった少し昔の音楽など、作者自身を含めて誰にも再配布できない状態になってることがあります。10円の価値もないものに1000円払わせ、本当に価値があるもののほうは「こんなのは売り物にならない」なんて言ってれば、音楽がおかしくなってくのは明らかです。

もちろん、あなたが支払わなければ、わたしたちは食べてゆけないかもしれません。しかし、もしそうであれば、あいだに業界が入ったら、なおさら食べてゆけないのです。くだいていえば、その社会で、その芸術家は、まったく食っていけないことになります。よくあることでしょう。食べてゆく手段として創作があるわけじゃないからです。 「詩人であることは特権ではない。不可避なのだ」ってことです。

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身辺雑記: 好きな言葉ほか

2002年 2月27日
記事ID d20227

2002-02-27 「妖精現実」のメンツ(フェアリーランド)に2つの質問(ぉ

リーサ

好きなコトバは?
「大人には言い訳が似合う」
好きなうたは?
愛国戦隊大日本

ミカ

好きなコトバは?
「学校なんかやめちゃって、デカダン、酔いしれ、暮らさないか」by 岡田あーみん先生
好きなうたは?
「♪帰り道がこわいのね、またぶたれるから、ほかの道を行きましょう、誰のつごうでもない、あなただけの道を」 by 新居昭乃先生

菜美

好きなコトバは?
「君は悪魔をみくびった。だが私にはまだ分からない。それほど嫌われるからにはひとかどの人間に違いない」
好きなうたは?
ルパン三世(一番古いバージョン)の終わりの歌

有馬

好きなコトバは?
砂漠は清潔だ
好きなうたは?
戸川純。「昆虫軍」「リボンの騎士」「蛹化の女」。GLAY。♪だからもう泣かないで!泣かないで!泣かないでぇぇ~!

Opera 6 for Linux

Opera for Linux! 2002-02-27 いよいよ Linux版 (x86) Opera 6 の公開が始まりました。6.0 Beta 1 です。
http://www.opera.com/download/get.pl?platform=linux&force=6.0
メモリ等が充分にある環境の Linux ユーザは Mozilla を使えば良いわけですが、そうでない場合、やむなくネスケ4を使い、結果「現にネスケ4を使ってる人も多いから」「このデザインを使いたいけど使うとネスケが滅茶苦茶になるから」と世界中のウェブページに直接間接の制約やストレスを与えてしまってました。ユーザが悪いわけではないのですが……。このサイト(妖精現実)も例外じゃなく、ネスケのバグに合わせた書き方はしないということと(そんなことをしたら、今度はほかのブラウザで表示が乱れる)、でもネスケ4で見てもそこそこ同じに表示されるようにする、を両立させるため、けっこうくろうしました。軽くて、それでいて Mozilla に近い表示ができる Opera はネスケ4との対比では有力な選択肢となりそう。IEより良くできてる部分もいろいろあります。

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