名刺はバラ撒く物、という考え方は、以前は日本でもふつうだったと思う。1ヶ月に1箱も名刺を撒けない営業マンは無能だ、といわれたりして。便利な時代になったな。
ネットで実名を出すと天変地異が起きるぞ論(2005-06-27)で書いたように、日本ではリスクが過大評価されているんだよね。どうしてメリットの方はやたら過小評価するのだろう。電話番号から住所もわかったら便利ではないか。
日本では小倉秀夫さんの素朴な疑問は「バカ?」みたいな反応しか呼ばないようだけど、外国にはこういう考え方をする人がたくさんいるのだろうから、安直に否定するのはどうかな。異邦の地で、逆に自分がそういう対応をされたら悲しいでしょ。
そういう話ではなくて、例えば「あなたを訴えたいので連絡先を教えてください」という問い合わせに、「私の本名と住所はこれこれです」と提示する人が大半なら、そもそもこんなに実名・匿名論議は起きていないと思う。自分の発言に責任を取る覚悟があるかどうか、問題はそこではないか。
著名人ならペンネームでもいいというのは、出版社なりテレビ局なりを経由すれば、相当の事由があれば当人に連絡がつくからです。無名のネットユーザの場合、本名と住所を最初から明かしている人でないと信用できない、という意見は、その意味で理解できます。