趣味Web 小説 2011-09-10

memo:記事にならなかった話題(2011年9月版) 1

1.

エコではあるのだけど、経済発展にとってはマイナスか。まあ中古でも売れれば何も売れないよりかはいいんだろうけど。 / スマホ、家電、古着… 中古品なぜうける?  :日本経済新聞 URL

経済成長とは付加価値の増大。もし中古市場が新品市場より大きな付加価値を生むなら、中古市場が大きくなって新品市場を食っていっても、経済は発展する。でも経験的には、中古市場より新品市場の方が大きな付加価値を生み出すことが多かった。「中古品が人気→経済が心配」という連想が働くことに疑問はない。

2.

「リフレ派」的には(「インフレ」「地価高騰」「景気刺激による労働力の広域移動の加速→大都市部においては更なる過密・再開発、地方部においては更なる過疎」etcを伴うが故に皮肉な事に不況期の現在以上に国民・メディア世論に政治が総攻撃される可能性が極めて高い)「リフレ」「経済成長」政策の困難性、、、

リフレ派の前提として、「日本経済の潜在成長率は1%台半ばより高い」というものがある。もし潜在成長率が1%台半ばなのだとすると、「デフレを脱却できていたら2000年代半ばの経済成長はもっと力強いものになっていたはずだ」という金融政策当局への批判が、成り立たない。

無論、名目で大きな経済成長を実現していれば、政府の借金はこれほど増えなかっただろうが、それってつまり名目で経済成長すると所得税などが自動的に増税になるという話であって……。

日本の税収弾性値は長い目で見れば1.1くらいといわれているけれども、ならばどんどん経済成長していけば税収も際限なく伸びるかといえば、やはりそうではない。適当なところで減税を余儀なくされる。実質経済成長率が年率4%を超えていた時代でさえ、減税は不可避だった。名目成長の多くがインフレ由来だった場合、減税圧力はさらに高まることが予想される。「リフレで税収回復」は、どこかで頭打ちになる。

話を戻すと、リフレ派が思い描くような状況が実現するためには、やっぱりデフレからインフレに転換するだけでは足りなくて、実質経済成長率も最低2%、できれば3%の実現が条件となる。「まずはデフレ脱却」とはいっても、経済成長促進策も絶対に必要。で、数年かけて、私なりにいろいろ本などを読んできた。

そうして見えてきたのは、経済学者の提案が民主主義的に却下されてきた歴史。その一端は2011年1月に(地域格差問題)と題した7つの記事にまとめた

経済成長は「合理的な変化」なしに実現し得ないが、人々は「自分だけは変化せずに経済成長の果実を得たい」と望んでやまない。過去、変化が加速しても、不況になっても、為政者たちはテロリズムに襲われた。先進国へのキャッチアップを概ね終えた今、魔法の種は、もはや尽きているわけだが……。

今回、あらためて考えてみたけれど、やはり1月に書いた記事が、私の当座の結論。土地に縛られた人々を肯定し、年3%の実質経済成長は諦めて、社会福祉はジリ貧になり、座して苦難を耐え忍ぶ未来しか見えない。4月には現実味を無視して思うところを書いたが、まあ、自棄のやん八(やけのやんぱち)の類かな、これは。

3.

高齢者の大多数は貧しいので、さして有望ではないと思う。将来への不安から消費を抑制したい気持ちと、自炊や買い物が面倒くさいという気持ちのどちらが勝つかと考えてみれば、大多数の人は宅配サービスにお金を出さないだろう。現在よりは市場規模が大きくなるにしても、いうほど有望だとは思わない。

より具体的に書けば、配達コストと消費者が受け入れられる価格の兼ね合いを考えると、相当に人口密度の高い地域でしか、「みんなが使ってるサービス」にはなりそうにない。高齢者がみな足腰弱っているのかというと、意外にそうではない。自家用車で移動できる高齢者の割合も相当に高い。老後の乏しい生活資金を宅配ごはんに投じるだけの動機がある人は、じつは限られている。

となると、「人口密度が相当に高い地域だけでサービスを展開し、宅配料金ゼロ円を謳う」くらいしか、私には宅配ごはん普及の道は想像できない。宅配ごはんは有望なビジネスというより、人口減少時代と少子高齢化を生き抜くための消耗戦のひとつであろう。

本当に超有望だと思う方は、起業するなり、投資するなりなさったらよい……と思ったが、個別の企業が成功するかどうかということは、高齢者向け宅配ごはん業界が高度成長するかどうかとは別問題なんだよな。評論家が未来予測に成功しても、当人は必ずしも経済的に成功できないのは、おかしな話ではないわけだ。

順番からすると、宅配ごはんよりこっちが先に普及するんじゃないかと私は思っているのだが……。

4.

はてブで知恵袋のベストアンサーがすごく注目されていたのだけれど、おかしな内容で首を傾げた。その後、AntiSepticさんの指摘に行き当たり、「やっぱりそうだよね」と。不換紙幣について「本当はタダの紙切れ」という感覚があって、それで自分では説明できないまでも、「これは変じゃない?」と思う人が少なかったんじゃないかな。

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