趣味Web 小説 2011-11-28

memo:民意に寄り添う政治

同じことを何度でも書く試み。大阪府知事・大阪市長ダブル選挙で橋下徹さん率いる大阪維新の会が勝利したことに関連して、昨日の記事に続いて、今回は「民意に寄り添う政治」についての雑感。

1.

昨日の大阪市長選挙、大阪府知事選挙で、「大阪維新の会」代表の橋下徹さんが市長に、幹事長の松井一郎さんが府知事に当選した。

今後数年のスパンにおいては、橋下さんが支持を失うとすれば、それは、橋下さんが「現実的」になって、有権者の多数が支持する政策の矛先を目に見えて鈍らせた場合だろう。市民が「やってほしい」といっていることは、長い目で見て破滅的な政策であろうとも、やり抜く方が支持は堅くなる。

選挙民は無責任なので、橋下さんが持論を貫いた結果が悲惨であれば、躊躇せず次の選挙で落とす。過去に縛られず、コロッと判断を覆すことができるのが、民主主義の強靭さである。ひとつの人格に縛られる独裁者には、真似し難い美点だ。

2.

2009年に国政で政権交代を実現した民主党が支持を減らしたのは何故か。私は、民主党が「改革バカをやめてしまった」からだと思う。

国の施策の多くは、大多数の国民にとって直接的な利益がない。だから総論としては「もっと支出を減らせ」の声が勝つ。80年代からずっと、国民は支出の削減に総論賛成してきた。増税には抵抗を続けてきた。ならば政治家は、大多数の国民が痛みを感じて「支出の削減より増税の方がマシだ」というまで、支出の抑制に邁進すべきなのではないだろうか。

だから政治家は、自分の共感する弱者に影響が及ぶと、支出の抑制に強く抵抗する。そこをアッサリ譲ってしまったのでは政治家になった意味がないからだ。

が、そうして、政治家が善意で民意を無視し続けた先に、明るい未来が描けるか。私はNoだと思う。

言葉は既に尽くされているだろう。聞く耳を持つ人には、もう届いている。大衆を説得できないなら、政治家は民意に従うべきだ。十中八九、民意に逆らってきた政治家の判断は正しく、民意に寄り添う政治は、予想通りに残念な結果を招くだろう。だが、どこかでその調整を経ずして、民主主義は機能しない。

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