趣味Web 小説 2009-01-26

忘れ去られる報道

この記事の書き方には疑問がある。まるで事件自体が初めて発覚したかのような文章だが、実質的には昨年8月の記事の続報だろう。

2chの反応は5ヶ月前と全く同じ。新聞が報じれば何でも「ニュース」なのか?

はてブ民も健忘症のようだ。5ヶ月前の報道を、きれいさっぱり忘れ去っている様子。

政治家は選挙民の鏡像といわれるが、マスコミだって同じだろう。続報というより新しいニュースだといった方がウケる。所詮、商売だ。客がバカなら、売る方もそれに合わせるまでのことだ。

NHKでも中国内での中毒事件が最近わかったみたいな放送してて、夏頃にはわかってただろとツッコミながら見てた。「中国当局は昨年夏ごろ<略>外交ルートを通じて日本に伝えた」<当時マスコミはほぼ総スルーだった記憶が

新聞の過去記事検索サービスを使えば、この件についてマスコミはきちんと報じていたことがわかる。勝手に忘れているのは読者と視聴者の方だ。

客の気持ちに寄り添わない報道は商売として成立しない。だから一見バカっぽい記事を前面に押し立てつつ、小さな記事に良心を託す。私はテレビ報道には疎いが、新聞はずっと読み続けてきたから、新聞を作る人たちの苦心惨憺は理解できる。

ネットで適当にリンクを辿って読みたい記事を読むだけの人が、「マスゴミ」などと悪口をいうのは、天に唾する行為だ。紙の新聞を、きちんと端から端まで読んでみてほしい。「ゲーム脳」批判もリフレ推進の主張もID説批判も、扱いは小さくとも、ちゃんと紙面に掲載されていることに気付くはずだ。

産経新聞の記者さんのブログ。記事を書く側にどんな思い入れがあろうと、結局は商売の都合が最優先である、という現実を繰り返し説明されている。みんなの大好きな陰謀論より、よっぽど現実味のある話だと私は思うのだが、福島さんはファンのコメンテーター陣の説得にすら成功していない。見ていて悲しくなる。

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