RealPlayer 10、RealmediaSplitter、Ogg Theora用プラグインの導入について。 最終更新2004年6月20日。
RealMedia(特にRV9/10)や Ogg Theora の作成・再生を行うユーザが主な対象です。 これらの形式の再生が必要なければ、RealPlayer をインストールする必要はありません。 ストリーミング再生などで普通に RealPlayer が必要なユーザは、 「初心者のかたへ」を見てください。
「RealPlayer はクソだ、ゆえに RV(RealVideo) というコーデックもクソだ」と思うかたもいるかもしれません。
自分自身、そういった感覚がありました。
が、プレーヤーとコーデックはもちろん別の存在です。 例えば、DivX 5をインストールするとついてくる DivX Player はろくなものでなく、 ほとんど誰も使っていないでしょうが、DivX 5 は人気があります。 同様に、最近のRV9、RV10は、昔のストリーミング用.rmファイルのイメージとは天と地の差があり、 動画作成が趣味のかたなら一度は試してみる価値があるものです。 詳細は別記事「RealVideo 10 (RV10) Beta メモ」
Realの形式で作ったら、再生に RealPlayer がいるのでは、と思うかもしませんが、 そうではありません。もちろん、Real の形式は RealPlayer でも再生できますが、 RealPlayer でなくても、Meida Player Classic、The Core Media Player、 Windows Media Player、Bs Player、ZoomPlayer のような、DirectShow対応のほとんどのプレーヤーで、 再生可能です。それどころか、MKVコンテナを使うことで、Ogg Vorbis、MP3、AAC、AC3 などいろいろなものと自由に組み合わせて使うことも可能です。
ただし、それを可能にするためには、RealPlayer か、少なくとも、そのコンポーネントをインストールする必要があります (インストールだけして、後はプレーヤーとして使う必要ありません)。以下では、その点を詳しく説明したうえで、 RealPlayer の安全なインストール法を紹介しています。 これまでは英語の解説ページへのリンクで済ませていたのですが、 そこに書いてないことも含めて、いろいろな Tips をまとめてありますので、活用してください。
トラブルシューティングのなかには、 掲示板でいただいたフィードバックがたくさん入っています。 役立つ情報の数々に改めて感謝致します。
この記事は、 主に RV9/10 を使ってみたいという場合に必要になる事柄をメモしたものであり、 RV9/10 を手放しで推奨するわけではありません。RVでエンコードすると、 コンパクトで高画質という利点の半面、 エンコードに時間がかかる、エンコード用ソフトが使いにくい、 再編集性が悪い、再生時負荷が高いなどのマイナス面も多々あります。
そうは言っても、まずは使ってみないことには良いか悪いか評価することもできません。 「会社が好きか嫌いかという感情問題と、 コーデックの善し悪しという技術的問題は無関係」と理性的に割り切ろう。
RealPlayer がうざいことくらい百も承知で、 だからこそ、このメモが存在しているわけです。 自分自身、RealPlayer を使わずにRV9/10が再生できる環境が整うまでは、 まったくこの分野に手を出す気がしませんでした。
RealPlayer の導入法については、
初心者向けの日本語解説ページが既に存在します。
RealPlayerはスパイウェア? - 「上手に」インストールする方法
大変ていねいで分かりやすいですので、初心者のかたはそちらをごらんください。
ただし、上記初心者向けページの手順には、 ウェブインストーラーを使わせたり、 わざわざメールアドレスを送信させるなど、 必ずしも理想的とは言えない面が少なくありません。 もちろん Theora のようなマニアックなことも説明されていません。
以下では、Ogg Theora や RV9/10エンコードを行うようなマニアを主な対象に説明します。 初心者向けではありません。 ZoneAlarm または同等の機能のパーソナルファイアーウォールは導入済みとします。 通信自体を遮断しますので、そもそもメールアドレスを尋ねられること自体ありません。 (ZoneAlarm の導入については、少し古いですが別記事「パーソナルファイアウォール Zone Alarm」)
RealPlayer をインストールすれば、 RV9/RV10/RAAC/RACPなどで圧縮した動画を任意のDSプレーヤー(WMP, BS, Zoom, etc.)で再生できます。 この目的では、RealPlayer をインストールはしますが、プレーヤーとして使う必要は一切ありません。 インストールだけして放っておけば良いのです。
必要なのは RealPlayer をインストールするといっしょにインストールされる部品のほうです。
RealPlayer がインストール済みなら、 RealmediaSplitter という DirectShow フィルターをインストールすれば、通常の Windows用のプレーヤーで、.rmvbファイルが再生できるようになります。 RealmediaSplitter 単体をインストールするには、通常コマンドラインから regsvr32 を使いますが、 もっとラクな方法もあり、例えば、Lazy Man's MKVをインストールすれば、 合わせてインストールされます。こちらは、日本語版もある普通のインストーラです。 公式版の The Matroska Packs にも RealmediaSplitter が含まれています。 これらはMKV動画を再生するためのコンポーネントですが、MKVは、 非常に多くの形式を合体させることができ、 映像トラックとして RV9/10 、音声トラックとして RAAC/RACP もサポートされています。 そのとき同じ RealmediaSplitter が必要となり、したがって、インストールパックに含まれているわけです。
両方とも似た感じの長い名前で、 どちらも RealPlayer を使わずに .rmvb系を再生可能にするというという似た機能があるので、 混同しやすいのですが、これらは別物です。
RealmediaSplitter は、 SourceForge の guliverkliで正式に公開されているオープンソースのフリーソフトです。 GPLライセンスのクリーンなソフトです。 これを純正な RealPlayer と組み合わせることで、上記機能が実現できます。
RealmediaSplitter は、Real が出しているものでも、 Helix Community が作っているものでもなく、 Media Player Classic や VSFilter(VobSub) などの多数の優秀ソフトをオープンソース公開している Gabest の作品です。 以下では便宜上、RealPlayer のインストール法とまとめて紹介していますが、 RealmediaSplitter は安心して使うことができます。
RealPlayer Alternative は純正 RealPlayer から、よく使うコンポーネントだけを抜き出して、 レジストリを書き換えたりすることで、とりあえず RealPlayer を入れなくても、.rmvb を再生できるようにするハック版です。 こちらは、ハックしたコンポーネントと、上記 RealmediaSplitter がセットになっており、 Real のコンポーネントと組み合わせて目的を達する点は同じです。 しかし、純正 RealPlayer と違って Ogg Theora が再生できませんから、動画作成マニアには不向き。 さらに、ハック版のため、 再生時に変なノイズなどが出たとき、エンコード側の不具合なのか、純正でないデコーダのコンポーネントが混ざっているためか、 問題の切り分けができません。 もちろん、ハック版なので、純正の RealPlayer を完全には代替しきれておらず、例えばR7Cとの連携がうまくいかない場合があるようです。 ライセンス的にも Real のものを勝手に分解して再配布している面があって、ややグレイです。
どちらを使うにしても、両者がほぼ同機能の別物であることをまずはしっかり認識してください。 知らずに両方入れたりすると、競合してトラブルが起きる可能性もあります。
エンコード、デコードで開発最前線のオプションを試したいユーザは、 不具合の切り分けで困らないよう、必ず純正の RealPlayer コンポーネントを使うようにしてください。 一般のユーザでも、以下のように RealPlayer をインストールしても殺しておけばまったく無害ですので、 最新版の純正コンポーネントをおすすめします。
Theora をデコードできるDSフィルターや Theora をサポートしているプレーヤー(VLCなど)もあり、 ffdshow も Theora をサポートしていますが、 これらは、2004年6月現在、うまく動作しなかったり、動作してもシークがうまくいかずOSごと落ちたり、といったアルファ版に近いものです。 2004年6月現在、Theora の再生サポートは RealPlayer + Plugins が最善です。 したがって、Theora を試したい意欲的なエンコーダーは、 再生テストには RealPlayer を使うのが、事実上、現在最善。 (詳細は別記事、「Windows/Mac で Ogg Theora の作成・再生」、「OggFile関連メモ 2004年1~2月」)
ただし、この状態は長くは続かないはずです。 (Theora はオープンソースなので、あらゆるプレーヤーで自由にサポートでき、 Ogg Vorbis 同様、デコード用公式ライブラリが出れば、サポート状況は均質になる。)
Real(というより Helix)の Theora 再生サポートは、Linux版でも世界初でした。 Linux は言うまでもなく、Theora もオープンソース、Helix Player もオープンソースコミュニティです。 Real という会社がこれまでやってきていることのツケは大きいですが、 Helix コミュニティについてまで、極端な偏見を持たないようにしてください。 Netscape と Mozilla.org の関係にやや近いものがあります。
上記初心者向けページでは公式サイトのトップに行かせ、ウェブインストーラーを使わせているようですが、 もっと快適な方法もあります。 RealPlayer - Free Downloadに直接行って、 RealPlayer10GOLD.exe (2004年6月現在)そのものをダウンロードしてください。
RealPlayer10GOLD.exe のURLは定期的に変更されますので、 RealPlayer - Free Downloadからたどってください。
以上でプレーヤーは終わりですが、数日後に起動したときなど「インストールが完了していません」として、3番あたりに戻るときがあります。 それは単にキャンセルで閉じておけばまったく問題ありません。 分かってしまえば、たいしたことではないのです。
ZoneAlarm で常に不許可にすると、もちろんこのプレーヤーでストリーミングの受信はできなくなります。 必要に応じて ZoneAlarm の設定を変えればいいでしょう。 自分の動画作成でRV9/10コーデックを使いたい、という目的からは、 ストリーミングなどどうでもいいことで、RealPlayer 自体、永遠に起動する必要なし。 この記事は、そういうユーザを対象としています。
Win32 Pluginsから
xiphplins の最新版をとってきて、
解凍して出てくるDLLをプラグインフォルダに入れる。標準では
\Program Files\Common Files\Real\Plugins
だが、場所が違う場合もある。上記に入れても動作しないときは
\Program Files\Real\RealPlayer\plugins
にも入れてみる。
Lazy Man's MKV を入れるのが手っ取り早い。 本来MKV再生用のパックですが、MKV内のRV9/10を再生できるフィルターが含まれており、 この同じフィルターで .rmvb を他のプレーヤーから開けるようになります。
まず RealPlayer で映像成分が Theora の Ogg 動画を再生できるかテストしてください。 .rmvb は再生できるに決まっていますが、一応これもテスト。
次に、Media Player Classic (MPC)で .rmvb 再生をテストします。 MPCはRealPlayer があれば .rmvb を自前でサポートしています。
最後に、Win+R で mplayer2 とタイプして、WMP 6.4 を起動、 同様に.rmvbの再生をテストします。 Lazy Man's MKV などに含まれているフィルターが必要です。
テスト用の.rmvb は音声をAACとAAC+で作って、試してみてください。
AAC用のデコーダ(CoreAAC)は別途インストールしなくても、
.rmvb内のAACは、RealPlayerのコンポーネントでOKみたいです。
Theora テスト用の
ftp://streams.videolan.org/streams-videolan/reference/ogm/theora_6.ogg
はカラオケ字幕が入っているため、音ズレ、駒落ちの有無を検証するのに便利。
USBデバイスなどでは、デフォルトで音量のつまみを動かしても音量が変わらないことがあります。 Hardware - Sound Card Compatibility - Settings... で Disable Direct Sound をチェックしてみてください。
RealPlayer と RealmediaSplitter をインストールしても、
.rmvbなどがDSプレーヤーで再生できず、GraphEdit で開くと「エラーが特定できません」というエラーが出ることがあるそうです
(掲示板での情報 #1328)。この問題の解決方法ですが、
http://p23.aaacafe.ne.jp/~kanetuki/
の Download コーナーにある「RealMedia のメディアタイプを登録する REG ファイル」を使って、
次のキーを作ると解決することがあるそうです(掲示板での情報 #1369)。
[HKEY_CLASSES_ROOT\Media Type\Extensions\.rmvb] "Source Filter"="{E436EBB5-524F-11CE-9F53-0020AF0BA770}" "Media Type"="{E436EB83-524F-11CE-9F53-0020AF0BA770}"
手元では、このキーがなくても普通に再生できるので(regeditとGraphEditのキャプチャー)、このキーがあるかないかで再生できるかどうかが決まるわけではないと思われますが、 同じ問題で困っているかたはお試しください。念のため、上のキーを削除する del_rmvb.regを置いておきます。
それにしても「エラーが特定できません」というエラーメッセージって……。
余談: 上のPNG画像
http://www.faireal.net/tmp/2004/hcr_media_type.png
は1200×950ピクセルのでかいキャプチャーなのですが、サイズはたった10KB。
PNGは偉大ですね。どうやって作ったのか興味あるかたは、
「画質に一切影響を与えずPNGのサイズを20%小さくする」を見てください。
BSPlayerでffdhowをポストプロセスフィルタとして噛ませる場合
BSPlayerの利用DirectShowフィルタ定義ファイルである"bspfilters.dat"で
ffdshowをフィルタグラフ内に参加させるよう明示する必要があります。
AddFilter {0B390488-D80F-4A68-8408-48DC199F0E97},ffdshow raw video filter
をbspfilters.datに追加してください。(掲示板での情報 #1585)
RealPlayer - Free Downloadにて、 無料版の RealPlayer 10 をダウンロードし、 RealPlayer 10, installation, performance, etc. に従ってカスタムインストールします。
RV9 を望む場合は、Real Legacy Software Archive から、 RealOne Player version 2.0 をダウンロードし、 RV9: How to make RealOne behave nicely に従ってカスタムインストールします。
うざい行動をとらせないように、各項目を注意深く設定してください。
あとは、RealOne Player 自体は使わず、Media Player Classic (MPC) を使えばOKです。 または、RealmediaSplitter という DirectShow フィルターを使えば、WMP などの任意の DirectShow プレーヤーで、.rmvb形式などが再生できます。
Real Alternative という選択もありますが、 RealPlayer の機能を完全には再現できないこと、 正しく運用すれば、RealOne Player は無害であること、 Real Alternative のインストーラは RealMedia Splitter のバージョン管理に関してMatroska のインストーラと干渉してトラブルの原因になることなどから、 純正の RealOne Player を MPC と組み合わせる方法を、推奨します。特にRV10形式で動画を作成するような実験的なユーザは、 問題の切り分けができるように、可能な限り純正のコンポーネントを使ってください。
広告を見せられてうざい、という人がいます。 このプレーヤーがうざいのは確かですが、設定で出ないようにできるものをできないのは、単なるユーザの技術不足です。 メッセージセンターを無効にしてください。 さらに、Real Player Options - On startup display を Player only (no Media Browser) にすると良いでしょう。
リンク先の記事のなかには、その時点での最新情報=古くなった情報が混ざっている場合があります。 一般向けの部分と、マニア向けの部分が混ざっている場合もあります。 適当に取捨選択してご利用ください。
この記事は「RM→AVI変換、ストリーミング録画」(2002年4月1日)の改訂版です。
RealMedia(拡張子.rm)の動画や音声ファイルのダウンロードと、RM動画をAVI・OGM・MKV・MPEG-1などの他コンテナに変換する方法について。
簡単にダウンロードできない場合には、次のような方法があります。
Streambox VCRなどを使う場合で、目的のRMファイルのURLが分からない場合には、 R7C の URL fetcher が便利です。
R7Cや、Streambox VCR Suite付属のStreambox Ripper 2009を使うか、 録音ソフトを使って再生音声をじかに録音するか、 またはRealMedia Splitterを使う方法があります。
RM→WAV変換は比較的簡単で、WAV経由でMP3やOgg Vorbisなどで再圧縮することも可能です。
2003年11月現在、事実上、変換は常に可能ですが、 再圧縮すれば劣化が避けられないこと、 方法によっては音ズレの問題があることから、 どうしても変換する必要がないのなら、RM形式のままで保存するほうが良いかもしれません。 RM形式が気に食わないならMKV形式にすることで、ある程度、再編集の道も開けます。
RM→AVIの変換法としては、
このようにどれも一長一短で、決め手に欠けます。 R7Cで成功するなら、それがいちばんでしょう。 R7Cで画面サイズでなくファイルサイズが問題なら、RMファイルを分割して、部分ごとに変換してやることも考えられます。 rmeditor 等を使えば、RMファイルは自由に分割できるので、 部分ごとにHuffyuvにでもして、後から結合してエンコすれば同じことです。
OGM、MP4、 MPEG-1、MPEG-2へは、AVI経由で変換することになるでしょう。 TMPGEnc を使って、直接変換も可能です。
基本的には、MMGで直接、Transmux可能であり、 音ズレもしません。 2003年11月現在では、まだ実験的な段階であり、うまくいかないこともあります。