5 : 13 EO Video: RM/MOV動画の変換

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不歸 / 詩

2002年 4月14日
記事ID d20414

불귀 不歸

この白い小部屋で
もし君が眠るなら
決して帰ってこられない――

この眠りは全身を麻痺まひさせ
底知れぬ幻覚でたましいをおおうから。

この白い小部屋で
君が目を閉じるなら
決して帰ってこられない――
リンゴが重みを持ち、本物の星がまたたく世界へは。

たとえ果実に毒がぬられ、
同じ星の住民が殺戮さつりくの流星雨を降りしきらせようと
君には何の重みも感じられなくなるだろう。

もしわたしが眼をぎらつかせ絶叫したなら――
爪を引き抜かれる拷問ごうもんの痛みにたえたなら――
あらゆる摩擦まさつ嘲笑ちょうしょう皮相ひそうの観点にたえたなら――
このふるえるたましいが、
もういちど、リアルに生きることができるだろうか?

多くの友も、この鈍い眠りに落ち、
消えていってしまった……喜びをともにした親友、
悲しみをわかちあったこころの友さえも。

ああ決して、決して帰ってこられない
もし君が眠るなら――
この白い小部屋で。
もし君が君自身のために
なりふりかまわず 激しく 誘惑をふりきって
全力であらがわないなら――

土のにおいのする世界、本物の風を肌に感じる世界、
わたしたちがもういちど生きるための世界へは。

시 詩

やさしいうたが訪れたとき、
ぼくはつばを吐きかけた。
うたが去ろうとしたときに、
ぼくはすがりついて言った、
「待って! きみは、うつくしい」

うたがためらっているのをみて、
ぼくは言った、「いやなら行ってしまえ」
小さな声で、傲慢に。

「友よ、ぼくにかまうことはないよ」
少し誠実に言い直す。
ほかに道はない。

立ち去ってほしい、と、うたに頼んだ。
いまこのうたを手放せば、
もう二度と帰ってこないと知りながら……

いや、正直に言えば、
ぼくがいつもえんえんと
言葉をつむいでいたのは、
さもないと、また来てしまうからだった……

いま、うたはぼくを訪れない、
この牢獄で一晩中起きて待っていても。
ああ、親愛なるみなさん、
ぼくはもう若くない、
妥協だってできる年齢だ。
それでも、ほかに道はない。
ぼくはささやく、
「うたよ、ぼくにかまわないでくれ」

Note

キムジハ(김지하、金地下、金芝河、Kim Chiha)の 「不帰」(불귀)を、べつな方向で再マップしてみました(不帰~「未帰還者」)。2個めは同じキムジハの「詩」()という詩です。仮想の世界はいけないものでリアルの世界だけが真実だとか、その逆だとか、2世界は両立するとかしないとか、そういう主張をする意味でなく、これはこれとして、このまま、並べてみたのです。

ほかの訳詩(パロディー)より

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検索エンジンの「危険」

2002年 4月13日
記事ID d20413

ふたつの記事にまたがって、りょうほう読まないと意味が分かりづらいネタが分散してしまったので、ここで結合して再録しておく。Googleは、総当たり攻撃型のパスワード・クラッキング・ツールよりも、ずっと強力なシリアル・クラック能力を秘めたツールだ。

以下は「ファイルローグ: 禁止されたのは19曲だけ?/ほか」の一部。

「内容として、これらの曲の交換を禁止せよ」って言われたら、できないから困るけど、「形式として、これらの文字列を含むファイル名をフィルタしろ」なんかは楽勝でしょう。ファイルローグ型のP2Pについてのレコード会社側の認識を見ても、ファイルの実体とそれを参照するカタログ情報を混同してるっぽい。一貫した同じ間違いにおちいっているっぽい。「そもそもピア・ツー・ピア技術は,中央サーバに大量のデータを保存することが技術的に困難であることから,その代替手段として考案されたものであり,中央サーバ(ファイルローグサーバ)に大量のデータを保存するのと同じ現象をもたらす仕組みに他ならず」という訴えの主張でも、明らかに参照の蓄積と実体の蓄積を混同してる。これだと「ましてやGoogleは」という話になってしまう。――以上、単なる想像でした。

以下は、上のに続けて「EO Video: 動画再生と各種変換」のなかでメモしたことだが、動画処理の話と関係なさすぎなので、こっちに移動しとく。

さきごろ、日本地域で、あるローカルのファイル情報交換サービス「ファイルローグ」が「知的所有権」を侵害しているとして問題になった。実際に問題になったのは、「もせ」(MP3)だった。現場ではゴミ扱い、「もせ」なんか要らないから全面禁止にすればいいじゃん、などと考える人も少なくないMP3であるが、もし仮にMP3の所在しょざい情報を中央サーバで検索可能にすることが深刻な問題だとすれば、シェアウェアのレジストキーを簡単に検索できてしまう検索エンジンは、「ファイルローグ」などと比べものにならない凶悪な存在ということになる。

ちょうどレジストキーが必要な EO Video を紹介したので、これを例に、具体的にどういうことだか説明させてほしい。例えば、Google中国語版(簡体字かんたいじ
http://www.google.com/intl/zh-CN/
を開いて、検索窓に EO Video 注册码 と入力し [Enter] キーを押すだけでいい。注册码 は中国語でレジストキーのことだが、ほんの数秒で求める文字列がずらっと表示されるだろう。「まんなかへんの0は数字のゼロです。英語大文字のオーではありません」などと親切な注意書きをしているページまである。このようにアプリの正規レジストキーが簡単に交換できる現状をふまえると、ファイルローグで「もせ」交換なんて幼児の遊びにしか思えない。グーグルを開いて、ソフト名とレジストキーを意味する単語を入れるだけなのだから、ファイルローグを起動するより速く結果が得られるだろう。

もちろん、だからといって、検索エンジンがなければ困るのも明らかだ。P2Pについても、普及途上のためそのべんりさ(合法的な範囲での)を体感しているかたがまだ少ないかもしれないが、例えばICQがなければ困るのは明らかだろう。理念としては、究極的にはウェブで流せるものに課金するのは無理で理想としてはお金というものがない世界になれば良いのかもしれないけれど、そんなのは現時点(2002年)においては非現実な空理空論くうりくうろんで、遠い未来にそうなるとしても、いま現在は過去とのかねあいで、たいへんなディレンマであると言わざるを得ない。

このような問題に気づいた者は気づいても黙っているべきなのではないか、という思いも強い。アプリのレジストキーが簡単に検索できてしまうことが広まるとアプリの製造者にとって不利益だからというより、こうしたことを口実に、検索エンジンやウェブの統制が行われることを気づかうからである。人がレジストキーをウェブに書くことを止める権利は無いかもしれないし、倫理りんりや道徳に関して全然きちっとしてない自分が言うのもへんかもしれないけれど、普通の検索エンジンで簡単に検索できるような書き方でレジストキーを落としておくのは良くないと思う。――がんばって探せば、事実上、どっちみちクラックできないソフトなどないかもしれないとしても、だ。レジストキーがあろうがあるまいが、毎週一度はOSをクリーンインストールするような実験機がLANにぶらさがっていれば、どうせ試用期間は永遠だとしても、だ。――

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EO Video: 動画再生と各種変換

2002年 4月12日
記事ID d20412

2002-11-24 追記: RMの録画、RM→AVI変換に関しては、Real7ime Converter が現在、いちばん良いようだ。 Streambox VCR ではダウンロードできないものでも大丈夫。 「Realストリーミング録画の決定打: 新ツールR7C」参照。

Windowsソフト EO Video には2つの機能がある――多形式対応の動画プレーヤーと、画像形式の各種変換を行うコンバーターだ。プレーヤーの部分はフリー(無料)。最近のフリーウェアの水準にてらすと圧倒的にすぐれているとまでは言えないにしても、なかなか良い。特にRMファイルを矢印キーでコマ送りできるのは、べんりだ。

現時点(2002年4月12日)のバージョンは 1.2 で、公式ページからダウンロードできる(直リン)。

以下は「RM→AVI変換、ストリーミング録画」に対する補足情報でもある。

どんなソフトか?

非リアルタイムのRM→AVI変換

これまでRM→AVI変換は、リアルタイムで行われてきた。キャプチャリングを利用する方法TINRAを利用する方法もリアルタイムエンコだ。リアルタイムエンコは大きなマシンリソースを必要として、リソースが不足するとコマ落ちやフリーズが生じる。

これに反して、EO Video では、再生の実時間より遅い任意のタイミングでエンコードができる。しかも、変換先は無圧縮AVIに限らず、コーデックがあればMpeg1や、Mpeg4で一気に再圧縮できる。この処理も非リアルタイムで良い。実験のため、重いJavaソフトを起動した状態で、RM→DivX3の変換・再圧縮を行った。しかも圧縮処理中にメーラやブラウザをわざと動かしてみた。エンコードには、まったく影響がなかった。CPU時間が足りなければエンコードの進行がのろくなるだけで、出力精度は落ちない。リアルタイムエンコではできない良い点だ。

変換スタートの数秒後にエラーメッセージが出て変換失敗することが何度かあったが、エラーを無視して、もう一度、変換スタートすれば、問題ない。MOV→AVIの変換ができることも確認した。

しかし、RealPlayerやその互換品で再生できるにもかかわらず、EO Videoでは再生できないRMファイルもある。同様に、Media Playerで再生できるにもかかわらず EO Videoでは再生できない asf(wmv) も見つかった。アプリケーション側の問題なのか、データ側に何らかの再生制限があるのか、未詳。

まとめ

一般的なRMダウンローダーである Streaming Box VCR が前ほど使えなくなった現状、このようなRM→AVI変換、RM→MPG変換がどの程度、必要とされるのかは疑問だ。フリーウェアで再生できるのに EO Video では再生できないRMがある、というのも変な話だ。手元ではリアルタイムでAVIキャプチャーができるので、フリーウェア「劇場版あれ」のほうがべんりだ(動画の一部を簡単に切り出すこともできるし)。

TINRAでは変換できないRMがある。EO Videoでも再生できない動画がある。したがって、RMからの変換については、やはり最初に紹介したキャプチャリング経由の方法が最も確実で汎用性はんようせいがある。

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