航空自衛隊トップだった田母神さんが、「日本は侵略国家であったのか」(リンク先は桜木朱雀さんによるHTML版)という論文を公表して更迭された話題について。
私が新聞記事を読んだ印象では、先の戦争に関する歴史認識が一般常識に沿ったものであることは「自衛隊幹部として必要な能力」とされているようです。田母神さんが自らの論文によって己の無能を暴露したため、無能者を昇進させた任命権者の責任が問われている、と。
映画やテレビドラマでは当たり前のように「お前に医者を続ける資格はない」とか「だったらサラリーマンやめろ!」など、思想信条の問題で職を辞すべきと迫る人物が登場し、しかもそれが異端ではなく視聴者の感覚に寄り添うキャラクターとして描かれてきました。
少なくとも日本では、ある種の思想信条は、その仕事をするために必要な能力とみなされており、それを持たないものは職を追われて当然という考え方が強いのではないかと思います。仮にこれまで職務上の失点はなかったとしても、それは単なる幸運であって、潜在的危険性を重視する、というような。
もし憲法の素直な解釈がこうした社会常識と対立するならば、(解釈)改憲によって憲法の方が修正されると思います。というか、現状すでにそうなっているのではないでしょうか。
……とコメント欄に書きました。
何件か後に Idyll さんが、防衛省が、発表の手続きの問題を調べたり、本人の能力の問題を言い出したりしているのは、懲戒にせよ分限にせよ免職が法的にも可能であったとしておかないと、大臣の更迭行為の正当性を説明出来ないというある意味まともな認識からと思います。
と書かれています。
こういうことを大切にしないといけないな、と思いました。くだらない手続きをゴチャゴチャやってるんじゃないよ、みたいな意見に私は与しない。
私の中では少しずつつながってる記事。