オープニング

起動。

オープニングムービーはよくわからない。何かメッセージ性があるわけじゃなくて、名場面集的なものなのだろうと思う。PS版「テイルズ オブ ファンタジア(TOP)」のOPムービーもそうだったが、話が進むにつれ、この場面だったのか、とわかってきた。この先、毎回、起動時にはムービーを見ることにしようかな。

ニューゲームを選んで本編スタート!

飛行竜

空を走る飛行竜から物語は始まる。

名前は竜だけど、実態は人工の航空機。寸胴で、まるで船のよう。いったいどうやって飛んでいるのかわからない。空気の流れる様子からして、ほぼ一直線にドーンと前進し続けているらしい。

倉庫のような場所で昼寝中の主人公スタン。巡回の兵士に発見されるも、目を覚まぬまま引きずられていく。着いた先で叩き起こされるや、スパイ容疑をかけられ痛めつけられる。この飛行竜は、何か大切なものを運んでいるのだが、スタンはそうとは知らず、単に旅費と移動時間の節約を狙って忍び込んだだけ、らしい。

まあ、信用されないのは当然なのだが、「ぎゃー!」と絶叫するスタンはかわいそうだ。○ボタンをポチポチやって会話を進めていくと、チャラ風の若造が拷問されて口を割らないということもなかろう、スパイ容疑は推定無罪、みたいな判断が示された。しかし不法侵入には違いないから、甲板掃除の罰を受けることに。

最終的な処分は甘んじて受けるが、しかしスパイ容疑の件は不愉快だ。しかし甲板への道中、見張り役から、ふだんの艦長はいい人なんだ、みたいなフォローが。特別に厳重な警戒が必要な荷物があるということで、あえて厳しい対応をしているというのだが、釈然としない。

甲板で掃除を始めると、モンスターの群れが襲来する。今日は何かよくないことが起こりそうだ、とかいってる人がいたけど……。

羽付モンスターから人間ぽいモンスターが次々に飛び降りてくる。パラシュート部隊の強襲って感じの絵なんだけど、飛行竜も高高度を高速移動中なわけで、相当な技量だ。

さて甲板掃除を諦めて船室へ戻ったスタンは、武器がなくちゃ勝ち目がない、と考える。敵の目を盗んでコソコソと艦内を探索すると、暗い部屋を発見。その一番奥に古びた剣が置かれていた。

この古びた剣こそが古代の武人の人格を宿す魔法の剣、ソーディアン。スタンが発見した剣はディムロスという人格を持っていた。

ディムロスに話しかけられたスタンは驚愕し、こんなヘンなモノとは係わり合いになりたくない、という感じの反応を示す。そりゃそうだ。しかし直感的に状況を察しているディムロスは、悪しき者に奪われるより純朴な睡眠大好き男に己を託すことを希望した。

部屋の中に敵がいればスタンが四の五のいうこともなかったんだろうが、人間、ちょっと隔離された場所へ移ると、目の前のちょっとした心理的障碍にこだわってしまうもの。俺を連れて行かないと死ぬぞ、とディムロスに脅されても、他にもっといい武器があるんじゃないのかなあ、みたいな迷いを見せる。

プレイヤー的にはイラッと来た人が多かったのかもしれないけど、私はこの迷いを見て、主人公にスーッと感情移入できた。

とはいえ、ずっと迷っていても話が進まないわけであり、会話を進めると自動的にディムロスと契約することになる。何でもソーディアンの声が聞こえるのは特別な人物だけなのだそうだ。密航したスタンが、船内で唯一ソーディアンマスターの素質を持っていた、と考えると、なかなか運命的ではありますな。

武器を手にして気が大きくなったスタンは魔物狩りを開始。サクサク勝利を重ね、みるみるレベルアップ。だけど、肝心の生存者が見つからない。逃げているときはあちこちに生存者がいたのに、ディムロスと押し問答をしている間にみんな殺されてしまったらしい。頼みの綱の艦長もやられてしまっていた。

遺体を調べると防具が手に入ったりする。悲しい。ただ、武器だけはひとつも手に入らない。正直なところ、これほど敵が弱いなら、まともな装備の兵士を数人配置しておけば問題なかったのではないか? レベル1の素人が大したダメージも受けずに一人で数十の敵を撃破できてしまうのだ。

とはいえ、戦闘を繰り返すうち、体力が厳しくなってきた。泥棒しない方針なので、飛行竜での回復手段は厨房のマーボーカレーのみ。盗み食いくらいは大目に見てほしい(食い逃げも立派な泥棒です)。しかし厨房は辺鄙な場所にあり、いちいち戻りたくない。ついつい無理をして体力が赤字ゾーンに突入。

最初の甲板に戻ると、見張り役の人がまだ生きていた! しかし再会を喜ぶ間もなく致命傷を負ってしまう。最後に元気なスタンに脱出ポッドに乗るよう指示。置いていくなんてできないよ、と優しいスタン。しかしそれ以上、何度話しかけても、一人で行け、とうわごとのように同じ言葉を繰り返すのみなのであった。

スタンはディムロスを手に脱出ポッドに乗り込み、離艦する。

トーンの山小屋

湖に落ちた脱出ポッドは大破。山小屋で目を覚ます。

主のアルバ老が孫娘チェルシーを探しているという。幸い、体力も回復しているので、老人の弟子だというウッドロウと一緒に裏の雪山へ。

チェルシーはすぐに見つかった。聞くと、山の木々とお話をしていたのだという。剣と魔法の世界だし、そういうこともあるのかな、と私は思っていたのだが、後で調べると、これはチェルシーの作り話。本当は単に道に迷っていただけなのだという……。リアルとファンタジーの境目がよくわからない。

ところで、スタンは田舎のリーネ村で生まれ育ったのだという。以前から都会への憧れがあり、それでいまいちばん栄えているセインガルド国の王都ダリルシェイドを目指して旅に出たのだそうな。だが金がない。飛行竜でステータスを見たら、見事に一文無しだったので噴き出してしまった。密航したくなるのはわかる。

ともかく山小屋に居座っていては旅に出た甲斐がない。アルバ老にお礼をいって、ジェノスの街へ通じる森へ向かう。ウッドロウの護衛は本当にありがたかった。

途中、あまり遠回りせずに取れそうな(ゲーム的には森の探索に精を出してもいいのだが、常識的にはボランティアで護衛を買って出たウッドロウに失礼だと思う。あくまで街へ行くという目的を外さない範囲内でやるべきではないか)宝箱をいくつか開けたのだが、誰がこういうのを用意してるのか。いつもながら不思議。

そういえばウッドロウはフードサックもくれた。優先的に食べたいものを入れておく袋で、ゲーム的には戦闘の合間に体力が自動回復すると同時に中の食べ物が減っていくというシステム。

鳥のモンスターを倒すと時々チキンが手に入る。これをフードサックに入れていく。TODでは敵モンスターを殺しているということだ。(ドラクエでは敵を殺していないので、起き上がって仲間になる)

ジェノス

北へ行けばセインガルド国、南へ行けばファンダリア国、そのいずれにも属さない山間の街ジェノスはしかし、自然環境的にはファンダリアっぽいですね。寒そう。

体力的に厳しいので宿屋へ。これはいつもの儀式なんだけど、泊まる前に他の宿泊客の話を聞いて回る。

うーん、面倒くさい街みたいですね、ジェノスって。北か南から街に入れば、それぞれの国の発行した通行証を渡されて、用事が済んだら元の国に戻ることができる。ようするに、緩衝地帯のジェノスでの交流は自由なんだけど、街を通り抜けて国と国の行き来をすることは許されないわけなんですね。

で、スタンは街の東にある森からやってきた。なので通行証を貰っていない。とすると、北門から堂々と目的地であるセインガルドに入ることはできそうにない。通行証を落としちゃって困ってる一家には同情したけど、こりゃ他人事じゃないぞ、と。

あちこち話を聞いて回るついでに南のファンダリア側詰め所へ行くと、落し物の通行証が届いていた。宿屋で途方に暮れていた一家のご主人に情報を伝えてあげると、とても喜ばれた。

その先の展開はよく覚えていない。どう意気投合したのか、記憶喪失のマリーさんと行動を共にするようになり、他にすることもないという消極的な理由から話の勢いで神殿に入り込み、盗賊ルーティを助けてしまう。人助けに協力するとはいったけど、悪党に味方するといったつもりはないんだがなあ……。

このルーティ、ただの盗賊なのにソーディアンマスター。飛行竜で大切に運ぶようなモノを、どうしてあなたが持っているんですかね……。素質の方は、スタンにもあったんだからルーティにあってもおかしくはないけど、ソーディアン・アトワイトは別。

ドラゴンクエスト7で「石版」が宝物として厳重に保管されていたり、逆にただの石として見向きもされず地面に捨てられていたりと、いろいろな扱いをされていたようなものかな。

ディムロスは、スタンが手にした時点では剣レベルが1に戻り、過去の栄光を想像するのが難しい貧弱な剣となっていた。一般人には剣の声が聞こえないわけであり、見た目が派手なだけの安物剣と勘違いする人がいてもおかしくはない。ま、話が進めば、だんだんわかってくることかな。

スタンたちは詐欺的手法により通行証をゲットし、セインガルドへ入国。

山小屋とジェノスの間の森の途中に神殿への洞窟があり、そこから神殿へ行って、別の出入り口から外へ出てみると、そこはセインガルド。よって北門からジェノスに入るとき、セインガルドの通行証をもらえる。あれ? 既にジェノスからの脱出に成功しているんだから、通行証なんか不要な気がする。

でもルーティたちは一度ジェノスに戻りたがる。一仕事終えたので酒が飲みたい、とかそういった理由だったと思う。でもさあ、話を聞くに、ルーティは他人の依頼で神殿の宝を盗んだんだよね? だったら盗んだ宝を届けるまで、仕事は終ってないと思うんだけどなあ。

「泥棒をしない」という看板を掲げていたはずが、いつの間にか「盗賊ルーティと愉快な仲間たち」の一員になってしまったスタン。人生流転。

ハーメンツ

ルーティは盗賊ではあるが、個人の持ち物を奪う強盗ではない。レンズハンターと呼ばれる、トレジャーハンターの亜種なのだ。で、ときには人の依頼を受けて動いたりもする。

ハーメンツでは現在の依頼主ウォルツが待っている。スタンらの助けもあって無事に神殿の宝物「ふるびたつえ」を盗んだルーティは、報酬として10000ガルドを毟り取る。ひどいなー、とは思うが、スタンは何もしない。

翌朝、ソーディアン回収のため少年剣士リオンが率いる王国軍が宿屋に現れる。プレーヤー的には抵抗の意思ないのだが、キャラは戦いたいらしい。仕方ない。兵士は倒したがリオンには完敗した。

ダリルシェイド

セインガルド国の王都ダリルシェイドへ移送された主人公たち。いったいスタンたちの何がいけなかったというのだろう。まあ、信頼がないということなんだろうね。飛行竜が墜落し、ソーディアンが消えた。その消えたディムロスを持っていたスタンが犯人であろう……妥当な推測ではありますな。

現実に一人であの大きな軍艦を制圧するなんて不可能なんだけど、TODの世界では個人間の能力差が圧倒的なので、十分に考えられる話ということになるわけだ。

さてお話は新たな展開を見せる。セインガルドの人々(の多く)が信奉する宗教の総本山、ストレイライズ神殿と連絡が取れない、という。モンスターが出現し、人の行き来ができなくなってしまったのだ。せめて無事を確認したいが、セインガルドにはろくな兵士がいないらしく、王様には打つ手がない。

ここでヒューゴという人物が登場する。レンズ技術を独占するオベロン社の総帥で、ダリルシェイドに居を構える世界一の富豪。民間人でありながらセインガルド王の信頼は厚い。このヒューゴが一計を案ずる。

スタンたちはソーディアンと契約を結ぶことに成功したソーディアンマスターであり、彼らに危険な任務を命じてはどうか、というのだ。

犯罪者なんか信用できるか、と軍人。ヒューゴは、王国軍唯一のソーディアンマスターであるリオンを監視役とし、オベロン社特製の電流ヘッドギアを併用すれば心配無用、と畳み掛ける。王様はこの案に乗った。

スタンだけでなくルーティやマリーもヘッドギアをつけられるのだが、この理由がよくわからない。いったい何の容疑なんだろう。神殿の宝物を盗んだということらしいが、だったら依頼主のウォルツさんがお咎めなしなのは矛盾してる。しかしブツブツいってても仕方ない。神殿へ行く他ないのだ。

ヒューゴの屋敷でソーディアンを返却してもらう。

ストレイライズ神殿

大神殿がジャングルの向こうにあるという不思議。王都と大神殿くらい街道で結んでも罰は当たらないと思うんだけど。

街の人は、最近、神殿へ通じる森に人喰いモンスターが出るようになり困ってるそうですが、モンスターとか関係なしに、そもそも不便すぎるんだよ。

ともかく神殿に到着。ううむ、人がいない。ディムロスは「生存者はいないかも」みたいなネガティブなことをいう。でも予想はいい方に外れて、ちゃんと教会の奥で生き残りが息を潜めていた。が、話を聞いても要領を得ないので、神殿に突入。

奥へ進むと、「神の眼」が盗まれていた。神の眼が何だか知らないスタン(+プレーヤー)はピンときてないんだけど、ディムロスらソーディアンは衝撃が大きかったみたい。石にされていた神官フィリアをパナシーアボトルで助けると、神の眼を持ち去ったのは大司祭グレバムだと教えてくれた。

フィリアが仲間になったので、以降、リオンを戦闘メンバーから外してフィリアを入れることに。リオンは強いけど、回復技を使えるルーティが、リオンの体力は自動では回復してくれない。リオンを味方と認識していない、ということか。

正規の解除手順を踏まずにヘッドギアを外そうとすると自動的に電流が流れる、という設定は既に説明されている。リオンが死んでも救われないのだから、信頼を勝ち取ることを目指した方がいい。とはいえ、そんな損得勘定を一顧だにしないのがルーティらしさ。しょうがないね。

ともかく、後衛の安定を信じてスタンは攻撃に専念しているわけであり、いつの間にかリオンが死に掛けているのは私の趣味ではない。前衛はスタン、マリーと2枚揃っているので、リオンが抜けても不都合はないと思った。

神殿には「知識の塔」が併設されており、最上階まで行ってみた。いろいろな本があるみたいだけど、読めるのは机などに出しっ放しになっている本だけみたい。だいたい歴史の本ですね。ちょっと賢そうな人たちがいましたが、とくに役に立つようなヒントはくれず。

神殿を出て、教会の奥に隠れていた神官たちに状況を報告すると、みな驚いた様子だった。

というわけで1日目終了。スタンの旅の目的が次第にわからなくなっていく謎展開でした。というか、そもそも大した動機じゃないので、より危急の目的みたいなものが示されると、するすると誘惑されていくのは当然といえば当然か。「進学」したはずが、必要もないのに部活動にハマる、みたいな。

今日の一般人

きれいな女「えっとー、かっこいい男とお、たっくさんのお金とお、きれーなお洋服がほしいなあ」
男「付き添いもめんどくせーなあ。たかだかお祈りくらいで願いが叶うんだったら、今ごろ俺は億万長者だよな」

かなり破壊されたものの落ち着きを取り戻したストレイライズ神殿の一般向け礼拝堂にて。最初、女性の方に話しかけてウワーと思ったんですけど、男性の話を聞くと、どっちもどっちというか、まあ、その……。他に「大きくなったらお姫様になれますように……」と祈っている女の子も。「無理」だから神頼み、なのか。

*ちなみにその後、天上都市が復活しても科白は変わりません。延々と祈り続けてるらしいです。しかし空が外殻で覆われると「かっこいい男もお金もきれいな宝石もいらないから私たちを助けて……」に変化! さすがにねえ……ていうか、いつまで教会にいるのか、って話ですよ。

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