スノーフィリア

また状況を整理しておきたい。

セインガルド国のストレイライズ神殿から「神の眼」を強奪した大司祭グレバムは、紆余曲折を経てファンダリア国を襲い、占領するに至った。神の眼の力とは、具体的にはモンスターを作り出す力のことであるらしい。神の眼を触媒として利用すると、レンズを動物と融合させモンスター化することができるようだ。

セインガルド王の名代リオン配下のスタンたちは、グレバム配下のバティスタに占領されていたアクアヴェイル国モリュウ領を解放し、前領主の子息フェイト・モリュウが領主を世襲した。

続いてグレバムの支援でアクアヴェイルの大王となったトウケイ領のティベリウスを打倒。フェイト・モリュウがアクアヴェイルの新しい盟主となる。

グレバムを追ってファンダリアへ向かうスタンたち。その前にグレバムの命を受けたファンダリア艦隊が立ちはだかるが、海戦ならフェイトのアクアヴェイル艦隊に分があった。グレバムの艦隊は全滅し、スタンたちはファンダリアの海の玄関スノーフィリアに解放軍として入港する。

しかしフェイトたちは義理で海戦でスタンたちを助けたものの、ファンダリアと戦争する意思はない。協力はここまで、とばかりアクアヴェイルに帰ってしまう。スタンたちはまた孤独な潜入作戦に身を投じていくのであった。

ようするにスタンたちのやってることというのは暗殺テロなんだよね。敵の本拠地に潜入して首領を撃破する。モンスターたちが烏合の衆であることに目をつけた作戦、と考えれば、セインガルドとしては軍の損耗を最小限とする賢い作戦、なのかな。

ともあれ、スノーフィリアまできたわけだ。

すごく寒そうな街。毛皮のマントがないと凍えちゃうよ、という話を聞いたので、全員分買って装備させた。いったい何の毛皮なんだろう……。

あと、港でマリーの記憶が少し戻ったようだった。そういえば最初に会った国境の町ジェノスって、ファンダリアとセインガルドの国境だったんだよね。

他にはとくにこれといった情報もないので、街の外へ出てみる。

西側の森に入ると、ウッドロウが兵士たちに襲われていた。「くっ、これまでか……」とかいってるんだけど、戦ってみたらザコい敵。なんでこんなの相手に苦戦するのかなあ、と思ってウッドロウのステータスを見たらビックリ。分かれたときの能力のまま。戦闘能力が必要なときに修練をサボる精神は理解できない。

ウッドロウを宿屋で介抱すると、衝撃の事実をいろいろ話してくれた。

なんとウッドロウはファンダリアの王子だったのだという。しかもソーディアン・イクティノスのマスターでもあった。ただしイクティノスは現在、傷ついて使用不能の状態にあるのだそうだ。つまり彼もまた「素質」の持ち主なので、かつてトーンの山小屋でウッドロウにはディムロスの声が聞こえていたんですね。

グレバムはファンダリアの首都ハイデルベルグにいるらしい。スノーフィリア西の「ティルソの森」は兵士がいっぱいなので、北の「氷の大河」を経由して向かおう、という。

森の兵士は正直いって弱かったから、プレーヤーとしては森を抜けたいのだけれども、シナリオ的にそれは無理っぽい。ゴネても仕方ないな、と思い、素直に北へ向かう。

氷の大河

PS版「テイルズ オブ デスティニー(TOD)」では、控えメンバーには半分の経験値しか入らない、弱いメンバーを控えに置き続けていると、いつまでたっても控えから抜け出せないわけだ。

最近、戦闘が楽勝過ぎる感じだったので、マリーを控えにしてウッドロウを入れることにした。フィリア加入以来の戦闘メンバー変更となる。弓矢が使えるので、一番安全そうなところに配置しても攻撃力として役に立つ。前衛はスタン一人、ルーティ、フィリア、ウッドロウが後衛となる。

氷の大河は、意外と短かった。凍った水面の上を歩くと、ツーッと滑っていく。滑っている最中は敵と出会わない。戦闘回数が少ないと、精神的にラクでいい。

ハイデルベルグ

氷の大河を抜けると、ハイデルベルグは目の前だった。予想以上にウッドロウは弱く、ルーティのオート回復が間に合わず、アイテム使用を指示して自分で回復させることが多かった。それで少し回復アイテムに不安を感じていたので、これはありがたいと思った。

ところが、ここでもお店が利用できない。グレバムって、為政者として無能なんじゃなかろうか。なんで国民の経済活動を制限して兵士ばっかりやたら増やすのだろう。富国なくして強兵なし。こういうバカなことをやっていると、早晩、兵士に払う給与の原資に困ることになる。

だから給料の要らないモンスターを増やす? これもバカな話だよ。見境なく人を襲うモンスターは通商の阻害要因だし、さらに深刻なのは農業・漁業への影響だ。アクアヴェイルではグレバムの勢力を追い出すまで食糧供給が滞る様子が観察された。徴税権を振りかざしても、無い袖は振れない。

国民が貧しいのに為政者だけ裕福であり続けることは不可能なのだ。地球の発展途上国の場合、裕福な外国との貿易を独占して大金持ちになっている為政者はいるが、グレバムは鎖国政策に固執している。どうしようもない。

セインガルド国王が神の眼の行方だけ気にして、グレバムには無関心な理由は明らか。グレバムはいずれ自滅する。しかし強大な神の眼の力は人々に災厄をもたらす。肝心なのは神の眼。グレバムはどうでもいい。さすが国王、その洞察力、只者ではないな。

ともかくハイデルベルグでは買い物ができないので、宿屋に泊まって、他に街がないかどうか、周辺を探索することに。

サイリル

ハイデルベルグの遥か南の街、サイリル。

せっかくここまできたのに、最悪。どの家も扉を固く閉ざしてる。完全に無駄足。東にティルソの森が見える。森をまっすぐ抜けても、ろくなことはなかったわけか……。

と、ガッカリして帰りかけたとき、南西の家の扉が開いた。なんと、かつてマリーが住んでいた家なのだという。暖炉には火が入っており、今も誰かが暮らしているようだ。出かけていて姿が見当たらないわけだが、それってちょっと危なくない? 火事とか、一酸化炭素中毒とか。

マリーの記憶は結局、少し戻ってきただけだった。ハイデルベルグに戻ることにする。

ハイデルベルグ

お城に裏口はなさそうだし、正面突破を試みる。すると、兵士に囲まれてしまった。倒しちゃえばいいんだけど、イベント的にそれは無理らしい。リオン、フィリア、ウッドロウは逃亡したが、マリーは兵士の中に見知った顔を見つけて立ち止まってしまった。スタンとルーティはマリーを置いていけず、兵士に捕まった。

マリーがダリスと呼んだ兵士が、マリーだけを牢屋から連れ出していく。スタンとルーティはどうしようもなく、有り余っているエネルギーを使って、いつものように口喧嘩を始める。

いつの間にか話はリオンの悪口になるが、噂をすれば何とやら、リオンが救助に現れる。

1階に上がると兵士たちがみな気絶させられていた。外へ行こうとしたら、マリーさんを忘れてるよ、と止められる。マリーとダリスは2階にいた。プライベートな話をしているようなので、邪魔をしては悪いと思ったか、扉の外で聞き耳を立てるスタンたち。監視役のリオンが何もいわないので、これでいいのだ。

ダリスはかつて敗残兵のマリーを助けて夫婦となり、二人でサイリルの自警団に参加していたのだそうだ。しかしサイリルがグレバム軍に襲われたとき、マリーを強引に逃がそうとして記憶喪失にしてしまったらしい。現在のダリスはマリーとの記憶をほぼ封印され、グレバムの精神的支配下にあるようだ。

……てことはさあ、最初からグレバムはファンダリアにいたんじゃないの? ティベリウスがアクアヴェイルの大王となったのも、ずいぶん前のことらしいし。

何がいいたいのかっていうと、物語序盤のセインガルドで、ストレイライズ神殿が音信不通になって心配しているって話があったよね? だけど情報を総合してみるに、スタンがリオンたちに捕まった時点で、音信不通になってから数ヶ月が経過していた、と。そういうことになるんじゃない?

それほどの期間、セインガルドは大事な神殿のことを放置していたわけであり、スタンたちがどこへ行ってもグレバムは去った後だった……って、スタンたちが後を追うのが遅すぎるんだってば!

グレバムは結局、スタンが討伐の命令を受けた時には既にセインガルドと国境を接するファンダリアにいたのだ。いくらセインガルドとファンダリアが緊張関係にあるとはいえ、隣国の軍事クーデターに気づかない諜報能力の低さはもはや致命的。あーもう、イライラする。リオンくん、怒っていいんだよ、こういうときは。

ダリスとマリーの会話を聞いている間に、異変に気付いた仲間の兵士たちがやってきた。ダリスの洗脳は解けず、スタンら4人とダリス+応援の兵士の戦いに突入。ウッドロウが2度ほど倒れたが、全体的には圧勝。

まだ息のあるダリスを担いで脱出。あれ? 城の中かと思いきや、街中の兵士詰め所だったのか、ここ。

ダリスの看病はマリーに任せ、ハイデルベルグ城へ。

戦闘メンバーから外したときに重要なアクセサリーをウッドロウ用に外しておいてよかった……。まさか問答無用で装備品ごとマリーが旅のメンバーからも外れてしまうとは。武器や防具は買えばいいので諦めもつくけど、アクセサリーは宝箱経由なので、ここでマリーと一緒に消えちゃうと衝撃を受ける人も多いと思う。

ハイデルベルグ城

正面突破には一度失敗しているので、ウッドロウは古い地下通路からの侵入を試みる。

そこにはグレバム軍の襲撃を逃れた人々が身を潜めていた。道具屋もあって、ホッとする。

この城もグレバムの趣味で改装されたようで、王座の間の奥に実用性皆無な迷宮が用意されていた。

途中、エレベーターの仕掛けで一人を一時的に置いていくことに。いま戦闘に参加していないのはリオン。ここでも迷わずリオンを置いていく。いつものことなんだけど、こうして置いていかれたメンバーが、うようよしているモンスターに襲われない理由はよくわからない。

最深部にあったのは、床に大きな時計が埋め込まれた部屋。神の眼は宙に浮いていて、とっても美しい。大司祭グレバムはザンバラ髪の鬼みたいなおじさんだった。心配だったウッドロウもいつの間にかけっこう強くなっていて、圧勝。

ウッドロウはファンダリアの新しい王となった。今後はセインガルドと仲良くしていきたい、という。

ダリルシェイド

神の眼を取り戻したので、セインガルドの王様に旅の報告をする。

ようやく危ないヘッドギアを外してもらえた。

もう戦う必要もないということでソーディアンを返却。

みなが辞退したので、報酬はルーティが総取り。ルーティは故郷の街クレスタへ、フィリアは神殿へ、スタンも故郷リーネ村へ帰ることに。王様の厚意で飛行龍で送ってくれるという。

たしかスタンって、都会にあこがれて、世界で一番栄えているセインガルドの王宮兵士になりたかったんじゃなかったかな。でも実際の兵士たちの軟弱さ、トップが変わったらそのいいなりになる情けなさを散々見てきて、宮仕えへの憧れはスッカリなくなったみたい。

犯罪者としてヘッドギアをつけられ、少年にこき使われながら、ではあったけれど、世界を旅することもできて、スタンとしては達成感があったみたいだね。本人が納得しているなら、プレーヤーとしてもいうことはないです。

飛行竜に乗る直前、スタンはふと思い立って換金前のレンズと手持ちのお金を全部ルーティにあげてしまう。理由は聞かないけど、ルーティのことを信じている、きっとお金が必要な理由があるんだよね、とか何とか。ま、いいか。別に、お金には今後も困りそうにないし……。

というわけで、第1部、完。

リーネ村

寝ぼけているスタン、力ずくで起こす妹リリス。

お使いを頼まれて大きな魚を買いに行く。ところが村の魚屋は小魚しか扱っていなかった。仕方ないのでノイシュタットまで足を伸ばす。

……武器、どうしよう。ディムロスは返却してしまったし、村に武器屋はない。荷物を探ると、モンスターの落としたショートソードがあった。こんなものでも装備してないよりはマシだろう。

ノイシュタットはものすごく遠かったが、鯨を買って帰ることにした。帰りも遠いが、バトルアクスを買って戦闘は楽になった。これだけ苦労したのに、案の定、鯨は魚じゃない、とリリスにバカにされる。悲しい。

*攻略情報によると村の池で魚を捕まえたり、大きな魚はなかったと報告してもいいのだそうだ。2周目をやるならラクをしよう……。

クレスタ

お使いを終えるとフィリアが迎えにくる。神の眼がまた盗まれたのだという。セインガルドの連中には何も期待していなかったが、それでも「ふざけんなー!」の思いでいっぱいだ。

村を出るとき、リリスが大きなフードサックをくれた。村長の娘さんに話しかけたらマジックミストをもらえた。好きな人がいるんですか? みたいなことを聞かれたんで、いるよ、みたいなことを答えたら、フィリアがどぎまぎしていた。プレーヤー的には、ただのでまかせ。とくに意味はない。

ただストーリー的に村長の娘と結婚するという展開はなさそうなんで、ルートを潰しておいた方がお互い幸せかな、みたいなお節介は少し意識してた。

で、長い道のりを延々と歩いてノイシュタットへ。

船に乗ってスノーフリアへ。ティルソの森を通り抜けサイリルへ行くと、ダリスはまだ療養中だった。マリーは幸せそう。ハイデルベルグへ行くと、ウッドロウが仲間に。

スノーフリアへ戻って船でダリルシェイドへ。そしてクレスタまで歩く。ルーティの故郷。

ここでようやくわかったことなんだけど、ルーティがお金にがめつかったのは自分が育った孤児院を守るためだった。そういうことなら、スタンがレンズとお金を全部ルーティにあげたのも、無意味じゃなかったということかな。孤児たちを置いてルーティは再び旅立つのであった。

ダリルシェイド

ソーディアンマスターがいないとセインガルドは何もできないらしいね。しょうがない、王様の頼みを聞いてあげましょう。というわけでソーディアンを渡してもらう。神の眼を盗んだ連中がソーディアンも持ち去っていたら、けっこうピンチだったんだけど、その点は助かった。

何でも神の眼と一緒にオベロン社の幹部たちも姿を消しているのだそうだ。つまり彼らが犯人なのではないか。ヒューゴ総裁の屋敷へ行ってみると、社員たちがオロオロしていた。

書斎の本に気になる情報が。入り口付近にいるヒゲの社員に尋ねると、北の島にある廃工場のことではないか、という。

王様に報告して、船で島に向かう。

オベロン社秘密工場

廃工場といわれていたけど、行ってみたら稼動していた。でも、正直、何かを作っているようには見えない。ていうか、これって本当に工場なのかなあ。なんでRPGの悪党って、こういう無意味な施設を作るのがすきなんだろう……。

ところどころにオベロン社の社員がいて、「にんしきカード」とやらを守っている。一般人も鍛えたら相当に強くなれる、ということなんだろうな。けっこう強い。しかしね、なんで社員がブラックナイト、ダークナイト×2、シアンドギャルドのパーティなんだろう。ナイトってことは警備員なのか?

途中でセーブし、4日目はここまで。

今日の一般人

がんこじいさん「けしからん! わしがいない間に家具の位置がかわっとる! タンスは2ミリほど左じゃったぞ!」
おばあさん「うちのじいさん、なんでもぴっちりしていないと気が済まなくてねえ……。家具がずれてるといってもたかが2、3ミリ程度なのに」

ハイデルベルク城下町にて。こういう才能をもっと他のところで活かしてほしいですね。

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