高みを目指す人は入社前から大変ですね……。ま、頑張ってください。
でも、こういうことを個人の責任と努力でやらせることをよしとする風潮は嫌だね。Asmodeus-DBさん個人の信条は結構なんだけれども、こういう記事がウケる社会というのが、ホント嫌ですわ。
Asmodeus-DBさん個人が、職場の同僚とどう接しているかはわからないけれども、Asmodeus-DBさんの記事に感心しているような人々が形成する会社というのは、きっと「ダメな人を蔑む」会社だと思う。「あんなクズ、いなくなってしまえばいいのに。人の足ばっかり引っ張りやがって」みたいな。
だってさ、Asmodeus-DBさんの記事って、そこに書かれているようなことを「当たり前」とか「これくらい常識になってほしい」という風に書いているでしょ。それを実践していくことがいかに苦しいか、難しいか。そういう実際には多数派のはずの一般人の気持ちがわかっていないように思う。
いやさ、それはね、「そういう階層」に向けて書いているんだから、「本当にこれくらい基礎の基礎じゃなきゃ困るエリート向けの記事」なんだから、といわれれば、それはそうだろうと思う。ひとつの記事で万人への配慮はできない。だから繰り返しいっているように、Asmodeus-DBさん個人がどうといいたいんじゃない。
まあね、私は妄想というか、幻覚に対して恐怖を感じているだけなのかもしれないけれども。
自分自身、仕事は「できない方」だと思っているので、仕事の話はあまり書いていないつもりだったのに、案外あれこれ書いてました。全部紹介しても読む人がいないと思うので、「自分は、どんな記事なら安心できるのだろう?」という問いを念頭において、いくつかピックアップしてみました。
Asmodeus-DBさんの記事群とひとつ大きく違うのは、「お説教」で人を動かす、というアプローチを排除していることでしょうか。人は放っておくとマズい方向へ進む、というのが基本にある。お説教なんかで、それは止められない。もちろん、これは自分自身を含んだ話です。
ゆえに私は、「こんなダメリーマンを部下に持ちながら、上司が毎日ニコニコ笑顔で仕事をできるのはどうしてなんだろう?」という疑問に行き着きます。私は運がいい。周りの人を観察しているだけで、「これはすごいな」と思うことがたくさんあるのです。
私は「隆夫ちゃんはいい子ね」といわれて育ったけれども、実際には、私が平均の何倍も褒められるようないい子だったとは考えられない。ではなぜ、私の両親は、毎日私を褒め、「楽しい子育て」を実践することが可能だったのか?
これも、同じことなんです。「やれ」といっても、「やらない」から、怒ることになってしまう。「やらせる」ために本当に必要なことは何か、それを考えればいい。
「やらせる」仕組みは、個人の自由な発想を縛る面がある。また、仕組みを構築するのに、相当のエネルギーを要する。つまり管理する側の負担が相当に重くなる。それは認めざるを得ない。
会社では、各個が自律的に正しく行動できるなら、上記の管理コストはオーバーヘッドとみなすことができます。本来、管理職の頭脳をもっと有意義なことに使えるはずだ、と。だから、エリート集団の企業では、Asmodeus-DBさんの記事が有用なのかもしれない。お説教でうまくいくなら、お説教は正解なんですよ。
だから、いい加減しつこいけど、Asmodeus-DBさんの周囲で、うまくいっているなら、それはいいと思う。Asmodeus-DBさんの記事は、エリート集団に入ろうとしている新人向けなんだろうから、記事にも文句はない。ただ、それに感心してる人たちって、本当にその記事の対象層なんですか、と。
私はやっぱりね、新人にどんな説教をしてやろうかとてぐすね引いてる先輩方のいる会社より、まず無条件で仲間が増えたことを喜んでくれて、「仕事はね、大丈夫! 俺らがついているからね!」と迎えてくれる会社の方がいいと思うんだ。