おはなし

人食い遺跡

マウリッツの庵は対クルザンド戦の前線基地である。クルザンドからメルネス(=シャーリィ)を奪還するべく水の民はちゃくちゃくと準備を進める。蚊帳の外になったセネルたちだが、シャーリィを救いたいという思いは強まるばかり。しかしウィルは個人的な感情で戦争に参加することを認めない。

そんな折、「ささやきの水晶」を取りに行ったワルターが任務に失敗、重傷を負って帰還する。セネルらは任務の代行を申し出て、人食い遺跡へと向かう。

遺跡の内奥で人食いベッドを撃破し、ささやきの水晶を手に入れた一行は、最深部でグリューネを発見する。以降、セネルたちは記憶喪失のグリューネを連れ歩くことになる。

遺跡の出口でクルザンド兵に遭遇するが、カカシ型ロボット「ミニオートマタ」があっさり撃破してくれる。ささやきの水晶は、人数に劣る水の民が大量のミニオートマタを操作して陸の民と戦うためのキーアイテムなのだった。庵に戻ると、水の民とレクサリアの同盟が成立しており、セネルらの同盟軍加入も認められた。

夜、セネルとクロエは特訓に励む。

前線基地〜艦橋前平原〜艦橋

水の民、ミニオートマタ軍団とレクサリア軍が合流、気勢を上げる。

セネルさは前線基地を隠密行動で突破。クルザンド軍の撹乱に成功する。混乱に乗じて艦橋前平原で決戦。混戦模様のさなか、セネルらは環境に突入。トリプルカイツを撃破し、最上階のヴァーツラフの元へ。

しかしかなりの時間がかかったため、遺跡船は聖ガドリア王国に到達。シャーリィとステラの生命エネルギーの滄我砲への充填が完了、という状況。ヴァーツラフを撃破し、光のカプセルから二人を救出するも、滄我砲の発射指示は既に行われていた。

シャーリィは再びカプセルに入り、滄我砲をコントロールしようとするが、反応しない。滄我砲はついに発射され、ガレリア首都の背後にそびえる霊峰が一撃で砕け散る。そして第二射!

その瞬間、眠り続けるステラの身体から光の翼「テルクェス」が飛び出し、滄我砲を無効化する。

ステラの光の色は、セネルとシャーリィを遺跡船に導いた光、崖から投げ捨てられたセネルを救った光などと同じだった。クルザンド軍に捕われ遺跡船の艦橋に監禁されて以降のステラは、眠り続けているだけに見えたが、彼女は遺跡船と同調し、セネルとシャーリィを導き、守ってきたのだった。

手当ての甲斐なく、ステラは力尽きる。

かんそう

強行突破したい!

前線基地に潜入する、というイベント。巡回中の敵兵の眼を盗んで、奥へ、奥へ。敵兵に発見されるとアウト……なのだが、やり終えてみて、もやもや感。

途中、敵兵に見つかると、「仲間を呼ばれると面倒だ」といって速攻で倒すことになる。それはいい。問題は、騒ぎを聞きつけて仲間が集まってくると危ない、とかいって分割されたマップの入口まで戻され、そのたびに敵兵が復活すること。これは理不尽だ。倒れている前任者に気付かないのだろうか。

そして、基地最深部まで到達すると、なぜか占領イベントが発生し、前線基地が同盟軍の支配下に入る。「缶蹴り」じゃあるまいし、敵の目を盗んで陣地を通り抜けたら占領に成功、てのは理屈が通らない。ていうか、どうせ占領するなら敵兵をバッタバッタとなぎ倒したってよかったんじゃないのか。

パズルブースがあるゆえに、通常の場所では「タイミングを計って行動する」場面がTOLには少ない。少しくらい強制イベントでそういうのを入れておきたかった、ということか。でもちょっと強引?

戦争の演出

艦橋前の荒野でレクサリア(+主人公たち)VSクルザンドの決戦が始まる……のだけれど、いまひとつピンとこない。

ランダムエンカウント方式のRPGで「戦争」を表現するのは、やっぱり無理がある。直進すると敵が多いぞ! といわれても、画面に敵は見えない。味方の姿もない。主人公らだけが、いつも通り死地を進んでいるようにしか感じられない。これはどうしたことか。

PS版「テイルズ オブ ファンタジア(TOP)」のヴァルハラ平原では、主人公たちは刺客として死中を突破する任務を命じられ、ボス退治に向かう。このイベント時のみシンボルエンカウント方式で、ルート毎の敵の多寡がわかりやすい演出。また味方の姿が見えず何の援護も受けられないことにも納得。

ゲームシステム上の諸都合とストーリーを融合させ、必要最小限ながら十分な演出をやってのけたTOPは偉い。それから7年も経っているのに、なぜ演出が劣化してしまうのやら……。

その挙句、苦労して荒野を突破した先には救護テントがあるというご都合主義。こっちが散々苦労してようやく到着した場所へ、ふつうの商人が先着して回復アイテムを販売などしている。ゲームの都合、といってしまえばそれまでなのだが。

ミミー

テイルズシリーズには伝統的に、移動中のみ使用できる回復アイテムとして「料理」が用意されている。ちなみに、いつでも使えるのがグミ類。

TOLはここでもシステムの簡素化を断行しており、今回の料理は「パン」に限定されている。パンは道端で作れないので、街などパン焼き窯のあるところで作成し、バスケットに入れて持ち歩くことになる。

問題はレシピ。ハンバーガーをたくさん作るとチーズバーガーを思いつくように、アレンジ程度なら自力でレシピを入手できる。しかしそもそもハンバーガーというものがあるんだ、ということまでは思いつかない。そうした原型となるパンのレシピを教えてくれるのがミミー・ブレッドである。

ミミーは常に主人公らに先回りして身を隠しており、発見されるとご褒美としてレシピをくれる、

今回の潜入先は前線基地。兵士の巡回ルート沿いに堂々と隠れて(?)いる。驚きだ。以前は山賊のアジトに隠れていたりした。力を合わせて秘密の地下道の扉を開けても、頑張って内海を渡ってみても、やっぱりミミーが先に到着している。

主人公らはミミーをバカにするんだけど、たった一人で常に敵陣のど真ん中へ入り込み、誰が見ても怪しいとわかる姿に化けて俄然目立っているミミーは、きっと主人公らよりずっと強いだろう。

いったいどういう人間がダンジョンの途中に宝箱など置くのか、という疑問と同様、ミミーについてまともに説明しようと試みるのは虚しいことかもしれないが……。

語尾に「パン」をつける漫画的キャラクターゆえ、生理的にダメ、という人もいる様子。TOLが嫌いな人は何でもイチャモンをつけたくなるようで、口を極めてミミーの痛キャラぶりを罵倒していたりする。ゲーム中でも主人公らにいじめられ、世間でもこんな評判で、不憫だ。

とてもありがたい存在なのだから、まずは感謝すべきだと思う。

一区切り

個人的には、これくらいで終劇となるのがベストの長さ。ここまで19時間程度。だんだんRPGの長さにも慣れてきたけど、私は長くとも40時間以内にエンディングを迎えたい。20時間以内が理想。タイムアタックとかじゃなくて、素人がふつうにプレイしてそれくらいというのがいい。

なんでここで終われないのかと考えてみると、多くのプレーヤーが許さないから、ということだろう。「テイルズ オブ ザ テンペスト」は、まず短いということが散々批判されていたもんね。20時間以内に終わるのは、いいことじゃないか! ちぇっ。「MOTHER」だって新作だったらボリューム不足っていわれたんだろう。

なんだろうね、そんなに長いゲームなんて、いったいどんな暇人がやるのか、って話でさ。だんだんゲーム市場が縮小していく中で、購入者の中に占めるヘビーゲーマーの割合がどんどん上昇しているということなんだろうな。するとアンケートはがきの分析結果がどんどん長大志向になっていってしまう。

「ステラー!」とセネルが叫んでエンディング、って、とても美しくていいじゃないか。悲劇で終わってさ、そういうRPGって珍しいし、すごく印象にも残る。オープニングからの伏線をきれいに回収して。

開発者のインタビューなどを読むに、もとよりここで終わるつもりなどなかったことはわかるんだけど。でも、エンディングまで見て、やっぱりここで終りでよかったんじゃないかと。グリューネの正体など、未回収の要素はカットするかオマケ要素にして……。

3日目終了。

目次