メインシナリオが終了し、以降はキャラクタークエストが続く。メインシナリオの1〜4章がセネル編、5〜7章がシャーリィ編、という見方でもいいらしい。
序奏は、虫一匹殺せないはずのシャーリィが、セネルと一緒に暴れ熊を退治する場面で開幕。戦いから2ヶ月、シャーリィは水の民の外交官となり、水の民の里とウェルテスと行き来している。大陸に散在している水の民を遺跡船に移住させる計画について、源聖レクサリア皇国と交渉してきたが、無事に話がまとまった。
セネルはウィルの手伝いをしている。最近、魔物が凶暴化しており、倒した敵が再び起き上がることに衝撃を受ける。不死身の魔物から出てきた黒い霧に不安を感じる。
ウィルの家では娘のハリエットが怒っている。ウィルから情報を得てセネルが港へ行くと、大陸からクロエが帰ってくる。リザードマンに襲われるが、病気の娘エルザの治療のために、エルザとともに遺跡船へやってきたオルコットに助けられる。遺跡船に薬の材料があるのだそうだ。
道に迷っている老人ザマランを墓場に案内すると、そこにいたノーマとザマランがけんかする。酒場の地下でモーゼスと決戦、セネルが勝つ。ジェイがモフモフ族の村から帰ってくる。グリューネは望海の祭壇で出会った精霊セルシウスの種を植えている。
ウィルの家にみな集合。遺跡船で頻発する地震の震源を探索するよう、レクサリアの依頼を受ける。震源地とされた「輝きの泉」へ行くと、黒い霧から生まれた魔物がいた。魔物撃破後、現場に残ったグリューネの前で、黒い霧が女神の姿に具現化し、またすぐに消え去る。
ハリエットはウィルの娘だが、わけあって遺跡船に逃れたウィルは9年間もハリエットに会うことができなかった。ハリエットは母親が亡くなったため遺跡船へやってきたが、いつも忙しく家を空けている父親に馴染めない。
ハリエットの髪飾りは母親の形見で、遺跡船に咲く花をかたどったものだと聞いている。ハリエットは花を探して街から出歩いている。花の咲き誇る美しい場所「眺めのいい場所」を発見したが、髪飾りと同じ姿の花はない。それを知ったウィルは、魔物が強くなっているため、ハリエットが街から出ることを禁止する。
怒ってウィルの家を飛び出したハリエットは、ミュゼットから花の情報を得る。近年、植物学者に発見された遺跡船にしか咲かない花で、学者はその花に素敵な名前をつけたのだという。詳細は植物に詳しいウィルに聞くように、とミュゼットはいう。
そんな折、ウィルたちは赤ちゃんを残して消えた若夫婦を探すことに。自殺したくて巨大風穴へ向かったという。早速、彼らを追うウィルたち。赤ちゃんを抱いてハリエットも同行する。最深部で魔物に襲われている若夫婦を発見、救出する。自殺は防がれ、赤ちゃんは親の元へ戻った。
翌日、ハリエットの頼みで雷のモニュメントへ。ウィルが探しているレアモンスター「レッサーパピー」探索を手伝ってほしいのだという。結局、モンスターは見つかったが、シャーリィがハリエットを守って怪我をする。髪飾りが壊れたことを悲しむハリエットにウィルは怒るが、ハリエットは部屋に閉じこもる。
眺めのいい場所へ行ったウィルは、花が枯れていることに気付く。セネルらとともに毛細水道へ調査に向かうと、最深部に黒い霧が。ダークウィルを撃破し、霧と対話する。グリューネは精霊イフリートに出会い、その種を毛細水道に植える。
街へ戻ると、ハリエットが姿を消していた。ウィルは眺めのいい場所へ向かう。果たしてハリエットはそこにいた。亡くなった妻アメリアの話をするウィル。間もなく月食。このときにしか咲かない花がある、という。発見したのはウィルとアメリア。月食。開花する花々。その名は……ハリエット。
ノーマはエバーライト探索を再開。まず人食い遺跡へ。続いて氷のモニュメントへ。だが発見できず、毒を受けて倒れる。レジャーハンターとして「古刻語」の研究を続けるなど努力を続けてきたノーマだが、ここへきて自信を失ってしまう。ノーマの弱気に黒い霧がまとわりつく。
スヴェンはノーマの師匠である。ザマランは師匠の師匠である。スヴェンはエバーライトを探して果たせず、命を落とした(ということになっていて、ウェルテスに墓がある)。ノーマは夢とロマンにあふれた敬愛する師匠の遺志を継ぎ、ひとつ願いを叶えてくれるというエバーライトを探してきたのだった。
だが、エバーライトは存在しないのではないか。長年の努力は無駄だった。オルコットの解毒薬で回復するも、意気消沈したままのノーマを、ザマランは叱咤する。奮起したノーマはスヴェンが消えた水晶の森へ。
最深部でノーマから抜け出た黒い霧がダークノーマとなる。これを打ち倒したノーマたちの前に、エバーライトへの道が開かれる。そこにはスヴェンのメッセージが古刻語で残されていた……。
スヴェンの望みを叶えるため、ザマランをつれてエバーライトの元へ戻るノーマ。かつてエバーライトを探して失明したザマランの目が、ゆっくり開いていく……。
フェニモールの妹テューラがウェルテスに現れ、水の民の恨みをなぜ晴らさないのか、とシャーリィに迫る。
そんな折、マウリッツから水の民の里が結解を解き、陸の民と交流を持つことにしたという連絡があり、セネルたちは水の民の里へ招待された。滄我が怒りを静めた今、使命に忠実な水の民は融和路線へと転換したが、人としての感情を優先する多くの水の民は今も警戒心を強く持っている。
マウリッツの方針に納得できないテューラから黒い霧が噴き出す。シャーリィが抱き締め、黒い霧を消し去る。グリューネは精霊シャドウの種を水の民の里に植える。
間奏のマウリッツについて「以前といってることが違うじゃないか」という感想を目にすることが多いのだけれども、そもそもマウリッツは滄我の意志を重視する、神官のような立場。自分の村が襲われたという個人的な恨みで動いているわけではない。そのことは以前のせりふをチェックしても確認できる。
だから滄我が静まった今、滄我の意志に従い矛を収めるのは当然。一方、フェニモールは一個人としての被害者意識を公憤として語っていた。似たような考え方をしているであろう妹が、ずっと怒っているのもまた、当然のこと。主張が変わるのも、変わらないのも、それぞれの行動原理から考えて矛盾はない。
最終的にも、テューラは怒りを押し殺して水の民と陸の民の融和に協力する、というにとどまる。まあ、それ以上は望めない。
それにしても、なぜ滄我は鎮まったのだろう。水の民は滄我の意志を体現しているだけなのだから、滄我の意思を変えてしまえばいいんだ、というメインシナリオ最終盤の展開は、考えてみると面白い。滄我と一体化したマウリッツを殴り倒して改心させる、という乱暴さは、いかにもRPG的。