夏休みの宿題 - とにかく「書けちゃう」方法・1

とにかく「書けちゃう」方法・1

ではいきなりですが、作文に挑戦してみましょう。

まず、誰でも簡単に「書けちゃう」方法をご紹介します。ただし最初に断っておきますけれども、頭を悩ます必要はないのですが、手間暇はかかります。

基本的な考え方

作文が苦手な人だって、とりあえず他人とお喋りすることはできる場合が多い。ひどく無口で、誰とも何も話をできないような子なら、とりあえず宿題より先にそっちを何とかしていただくことにして、ここでは親子で会話が成り立つことを前提として話を進めます。

話ができるなら、それをそのまま書けばいいじゃないか、というのがひとつ大きな疑問としてあるわけです。「そんなことをいってもね」という意見はあると思う。たしかにそうなんです。話すように書こうとしても、うまくいかない。

それはなぜか?

そう、独り言だからです。それに時間がかかり過ぎる。文章を書くには時間がかかります。2時間も3時間もひとつのことを考え続け、独り言を言い続けるのは並大抵のことではない。だから、作文はつらいのです。そもそも、ふだんぼんやりと生きているわけだから、そんなにたくさん言いたいことや書きたいことがあるわけないんですよね。

ところが、状況を一気に改善する妙手があります。さて、それは何か?

もうおわかりですね、会話です。相手が一人いるだけで、あるいは数人いるだけで、10分や20分は延々と話し続けることができる。これは社会的動物である人間に秘められた偉大な能力です。とりあえず作文のことは忘れて、家族でいろいろ話をしてみればいい。面白い話、つまらない話、いろいろ出てくるでしょう。

これを録音して文字起こししますと、簡単に作文ができあがります。

実践手順

たいてい作文にはテーマがありまして、じつはそういった作文課題の方が、やりやすい。自由題の場合には、ニュース番組や情報バラエティーなどを家族で見ながら適当にしゃべるのがお勧めです。あるいは学校の話でも何でもいいです。とにかく、何らかの方法でテーマを設定し、あとは喋るだけ。

  1. テープレコーダーを用意する。
  2. テーマに沿って親子で雑談をする。
  3. 必ず30分以上、雑談を続ける。
  4. ひたすらテープ起こしをやる。(パソコンを使用)
  5. 短くまとめる。(印刷した紙の上で行う/パソコンでやってはいけない)
  6. 原稿用紙に清書する。

以上、6段階で必ず作文できます。雑談の内容はどんどんテーマから外れていっても構わない。家族の誰かが適当に話の流れを修正していけば十分です。

注意点

親の協力について

テープの文字起こしについて

この方法は非常に簡単で、そして確実に作文が書けるのですが、テープの文字起こしだけは難渋します。たった30分間とはいえ、文字起こししようとすると素人は半日かかります。あんまり大変なので、初心者はすぐにずるをしようとするのですが、それは絶対に厳禁です。

全員の全発言を拾うことを目標としてください。言葉遣いなどは多少、実際と違っていても仕方ない。ただし決して「議事録」にしてはいけません。生の言葉の雰囲気を残すことが大切なのです。

作例(最初の1分間)

「テープ回ってる?」

「うん、ランプついているし」

「本当かな」

「大丈夫だって。信用してよ」

「そっか。じゃあ、話を始めようかな。テーマは何だっけ」

「もう忘れたの?」

「いや、確認だってば」

「じゃあテストしようかな。さて、今回のテーマは何でしょう?」

「えーと」

「ほーら、やっぱり忘れてるじゃない」

「そんなことないってば。ほら、お金の何とかでしょ」

「何とか、って、そんなアバウトな」

「意地悪しないで教えてよ」

「えっとね、えーっと、この夏休みの宿題の紙を読むとね、んー、おかねの作文コンクール、金融教育元年、テーマ、よりよい消費者になるために、だって」

「よりよい消費者になるために? そりゃまた漠然としてるね。それで作文を書くの?」

「そうだよ。難しいよね。お小遣いだって、ちょっとしか貰ってないもん、わたし」

「ちょっとって、十分あげてるじゃない。そんなにたくさんほしがって、いったい何に使うのよ」

「まあまあ、それはいいとしてさ」

(以下略)

30分というのは、この30倍の分量です。頭を使わないという意味では簡単だけど、ラクチンではないということはお分かりいただけるかと思う。

どうやって短くするか

作文を書く前にで説明した通り、下書きには必ずパソコンを使ってください。そして O's Editor2 のようなエディタを用い、原稿を書き進めます。

今回は原稿といってもひたすらテープの文字起こしです。作業が完了したら、いったん全部印刷してください。

たいていの作文は規定枚数が3~5枚なので、30分間話せば、少なくともその5倍以上の原稿が手許にあるはず。場合によっては20倍以上となることもありますよ。というわけで、面白い会話だけ残して、他はとりあえず×印をつけて消してしまってください。

そして最後に飛び飛びになった会話をつなぐ文章を1行ずつ挟んでいく。脚本のト書きでかまいません。簡単に状況を説明すればいい。

作文の目的について

なぜ作文を書くのはつらいのか?に書いたことの繰り返しですが、作文という宿題に取り組む際、「いい文章が書けなければダメだ」という考えは捨ててください。

一番重要なのは、考えることです。多くの子どもが作文で苦しむのは、考えることができないからです。とりあえず、考える方法というものを身に着けていくこと、それが大切なんですね。

しばしば、考えることのできない子の親は、やっぱり考えることができない人です。今回解説したとにかく作文が「書けちゃう」方法は、非常に手間暇はかかるのですが、今申し上げたような「作文以前」の部分を鍛えるためにとても有効な方法です。

人はなかなか一人では考えることができない。だから親子で考えるのです。そしてテープ起こしの作業を通して、自分の言葉に向き合う。相手の言葉に向き合う。最後に、意見を整理して重要なことを見つけていく。

最終的に完成する作文は、ト書きと会話文ばかり。構成も破格、結論もあるんだかないんだかよくわからない。だから先生には誉められないかもしれませんが、今すぐに先生に誉められる必要がありますか?

宗教めいていますが、やってみればわかります。いい作文を書くことより、これはずっと大切なお勉強なのだと。

(2006-08-14)

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