Afghanistan

アフガンスタンのじゅうたんです。

「手榴弾柄」とでも言えばいいのか、 雪国のデザイナーが自然と雪の結晶やつららを意匠化するように、 かわいい爆弾模様なのです。アラビア陶器(フィンランド)にも似たのほほんとした線がフンイキ。

Afghan War Rugs


2003年3月――アメリカは中央アジアへの進軍の第二段として、イラクへ進撃している。 それを見る視点の問題は、2年前のアフガニスタンと同様だ。 また、他方において、アメリカは今もアフガニスタンで軍事作戦を展開中であること、 アメリカの宣伝とは裏腹にいまアフガニスタンはとても大変な状況になっていることも忘れてはならない。 イラクへの進撃は2年前の再現で、内容的には目新しくはないが、変化もある。

当時との変化は、アメリカへの支持が減っていることだ。当時は、政治的理由からの仕方なしの「賛成」も含めて約40か国がアフガン侵攻に賛成の立場ということだったが、 現在のイラク侵攻へ賛成の立場を見せているのは30か国だろう(地球上には160くらいの国があることに注意)。アメリカ国内での支持も、統計をごまかしてようやくぎりぎり過半数、実際に本当に賛成しているのは、 半分いないような感じだ。あと2回も続ければ、ほとんどアメリカを支持する国はなくなる。

もうひとつは、当時、湾岸戦争以来のアメリカの中央アジア政策は、わりと経済目的のものだと見られていた。 特にアフガンについては、中央アジアの天然ガス資源をめぐるグレートゲームということがよく言われていたし、 日本の外務省の公式ページや、自衛隊のケーススタディのページにも、そのことが明言されていたので、 仮説とはいえ、ある程度「通説」だった。 しかし、今回のイラクは油田こそあるものの、勝ってもそこの利権をアメリカが簡単に得られる状況でないし(アフガンなら、 完全に一からかいらい政府を作れる可能性があるが)、ものすごい戦費が報じられており、 どう考えても投資が多すぎて大赤字になるような気がする。 いわゆる「カネめあての戦争」のような単純な構図ではなく、心理的な理由がけっこう入っているのでないか。 もちろんそれも仮説にすぎない。あんがい当事者自身、なぜ戦争をしているのか本当の理由がハッキリしないのではないか。 惑星全体の資源をひとりじめしても、どのみち百年もたないだろうし、本質的には絶滅寸前の最後のみにくい争いなのかもしれない。

2002年6月: 写真家の久保田がアフガニスタンから出国しました。アフガニスタンのフォトレポートをお読みください。


重要な注意 - 視点の取り方

> アフガニスタンについての短いメモ 2001.11.23

ダイジェスト版、アフガン紛争――4パラグラフで

なぜそこにテロリストがいるのか?

Note #2 - アメリカを理解する視点

(参考)1分で分かる!パレスティナ問題

2001.09.16 アフガニスタン memo

2001.01.19 国連による追加制裁発効 - 米ロごり押しの記録

> アフガニスタン:これだけは知ってほしい

ハイジャック事件1

フォトエッセイ「Afghan Children in Pakistan」(日本語)

ジョージ・ブッシュ現大統領の父が大統領だった時に起こった湾岸戦争は、米国の景気対策(及び大統領選挙対策)だったというのが現在では通説となっている。現在のブッシュ政権のバックボーンには、軍需産業とエネルギー産業 ( 石油業界など ) があると指摘されている。このようなことから、「この夏にも中東で戦争が勃発する」との予想さえある。

Microsoft Money Headline 2001年7月9日

アフガンで活動18年、中村医師が語るタリバンの真実

対談 “同時多発テロの意味” 山本芳幸 × 村上龍つづき - 語り手は現地で実務をしていて、個人的な思い入れなどのため少しタリバンに同情的ですが、その点を踏まえても、参考になる対談でしょう。アフガン問題のいくつかのポイントを簡潔におさらいしています。


カブールノート。前回のアメリカのミサイル攻撃(モニカ・ミサイル)のとき現地にいたスタッフのお話。

現地の国連職員、千田悦子さんからの手紙」もお読みください(削除圧力がかかってるようなのでお早めに)

アメリカの事件、「被害者の家族からの手紙」もごらんください。

現地で活動するNGO団体からもメールが寄せられています。


アフガン問題FAQ - 石仏破壊問題から見て(長い)

重要な注意(視点の取り方)

2001.09.20

たしかにアメリカの態度に疑問を持つ人も多いと思いますし、それも当然だと思います。米政府はアフガニスタンに滞在中のラディン氏が首謀者だと一方的に決めつけ当初「ラディン氏を引き渡せ、さもないと攻撃する」と脅しましたが、今はラディン氏をたとえ引き渡してもアフガン侵攻はやるなどと、言うことが二転三転してきています。

米政府のある種、不誠実な姿勢が、二次災害とも言うべき多くの犠牲者を生みつつあることもご承知の通りです。「慎重かつ徹底的に捜査を進め、再発防止のためハイジャック対策を全面的に見直す」といった、当たり前のスタンスがなく、世界中の動揺をさらに増大させることばかり、それも故意に行ってきたからです。日本にも、ラディン氏はまだしも「アフガニスタン」なり「タリバン」なりが犯人であると勘違いしているかたがおられるようですが、意図的に混同させるような報道がなされているのでしょうか。

これは「情報テロ」という新しい犯罪ではないかとすら思えます。情報テロから身を守る方法は簡単です。テレビという一方向的なヘッドギアを外して、双方向的なネットで自分で調べてみる習慣、物事を何でもうのみにしない習慣を身につければ良いのです。「イラクの環境テロ」とアメリカが言い張ったのもあとからヤラセ写真と判明しました。

物理世界のテロについて言えば、報復合戦より対話を選択したイギリスとIRA、イスラエル(ラビン政権)とパレスティナなどは、良い方向に進展したのに対し、アメリカが“武力による平和実現”を主張したイラク、コソボなどは激しく逆効果になり、しかも、その禍根は、単に軍事介入当時にとどまらず、今も、無関係の多くの民間人や米兵士自身さえもが、使用された兵器による放射能汚染でひさんな状況になっていることも、広く知られているところです。

しかしながら、どうか反米感情――とりわけ「米政府の世論操作の結果」をアメリカ人一般への嫌悪に勝手に拡大すること――だけは、思いとどまっていただければ、と思います。そのような怒りは、あなたが怒りを向ける対象の「おろかさ」とまったく同種のものであることは明らかだからです。

アメリカ政府のスタンスについて、明快かつ端的に指摘するには、どうしても「非難」になってしまい、その点にも、ある種のディレンマを感じています。そのつもりがなくても、結果的に読者の立場において「反米感情をあおることの自己目的化」になり、「アメリカは、そういえばこうもしたし、ああもした」というせんさくになるなら、同じ穴のむじなと言わざるを得ません。アメリカは「良い」こともたくさんしているのです。SETIにせよ、火星探査にせよ、ある意味「何の役にも立たない夢、ロマン」のために多くのおかねを使っています(ひねった見方をすれば、これもいろいろ言えるでしょうけど)。わたしは、アメリカのそんな部分がだい好きです。

個人的にアメリカには友人や敬愛する相手も多く、日本文化ではむしろネガティブに見られる「アグレッシブ」を良しとするアメリカ文化の価値観についても、自分自身は完全に「アメリカ側」で、日本文化の謙遜の美徳になじめないと断言できます。

実のところ、cryptome対イギリスの件のときなど「ああ自分もフロリダに住みたい」と思いました。イギリス政府からの削除要求圧力に屈せずウェブを守ってくれるアメリカのISPには、涙が出るほど感激したものです。また、言うまでもなく、今回の件でも、アメリカには、米政府のやりくちについて批判的な見方をしている市民もおおぜいおられます。どうか、そのことを肝に銘じて、便宜上「アメリカは」を主語に立てるときのくくり方(「国体としてのアメリカ」を意味するのであって「アメリカ国籍の人々全員は」ではない)について、自覚的になっていただければと思います。

ここでときには批判したり風刺している「大国」は、決して「アメリカ人、ロシア人‥‥」という国籍でくくった人々のことではないです。そもそもここはアフガニスタンという国について紹介するディレクトリであって、ロシアやアメリカを批判するために存在するディレクトリではなく、たまたまアフガニスタンが米ロによるごり押し制裁など受けてきているので、その点について、アフガニスタンに視点をおくとどうなるか、という視点の提示をこころみてるにすぎません。むろん、アフガニスタンという国についてまじめに述べるなら、アフガン紛争、大国の利権争いに言及しないわけには、いきません。「首都カブール、人口2000万、言語パシュトゥ語、ダーリ語、面積‥‥」なんていう表面的な「紹介」だけなら、わざわざ記事にするまでもないからです。

アフガン紛争、ダイジェスト版(2001年6月・記)

1 ソ連。1978年、アフガニスタンでは革命政府が社会主義国家を作ろうとしたが、国民が激しく抵抗したので、ソ連に助けを求めソ連軍が来た。このままじゃアフガニスタンがソ連の仲間になってしまう、それは困ると思ったアメリカが反政府ゲリラ「ムジャヒディーン」を全面的に支援。武器をじゃんじゃか与え、アフガニスタン国内にゲリラ訓練施設を(アメリカが)作って、徹底的に、政府&駐留ソ連軍と戦わせた。

2 内輪もめ。ソ連軍は引き上げ、1992年にゲリラ「ムジャヒディーン」は政府を倒し、ラバニが大統領になった。が、政権をとったとたん「ムジャヒディーン」の内部で権力争いが起きた。勝ったとたんに「同盟軍」が内輪もめ、という、いつものパターン。長期のゲリラ闘争で各派とも気が荒くなっているし、アメリカが買ってくれた武器弾薬がそこらじゅうにくさるほどあるので、めちゃくちゃな内戦となった。各派とも略奪や強姦といった蛮行を繰り返した。

3 タリバン。このありさまを嘆いた神学校の若者たち(タリバーン)が1994年、「世直し運動」を始めた。その誠実な姿勢は多くの支持を集め、1996年には首都カブールを制圧、今ではアフガニスタンの95%を平定し、治安を回復させた。もっとも、それは厳罰主義でびびらせて、であった。破壊、レイプ、殺人が日常茶飯事だっためちゃくちゃをいさめるには仕方ないといえば仕方ないのだが……

4 アメリカのおもわく。アメリカが、巨額の軍事援助でソ連を追い出しラバニ政権をでっちあげたのは、もちろんアフガニスタンを自分のものにして「21世紀の石油」天然ガスのパイプラインを作ったりしたかったからだが、思わぬ展開でタリバン政権というのができてしまった。アメリカは、今度は、ムジャヒディーン各派を反タリバン同盟として戦わせているが敗勢濃厚、仕方ないので「タリバンは人権を侵害している」だの「テロを支援している」だの、けんめいにデマを流したりして各国がタリバン政権を承認しないように工作を続けている。また、(かつての共産圏に対する憎悪と同様)アメリカは、イスラム世界といろいろな意味で敵対関係にあり、アフガニスタンにおける神学生たちの勝利を認めたくない。ロシアも各地で利己的な弾圧をこころみている関係上、アフガニスタンが自立して他地域の精神的支えとなることを恐れている。

2001年9月追記: 「タリバンは女性を抑圧するが反タリバン(Mujahideen)は女性を守る」と信じていたかたへ。アムネスティの公式ページなら信用しますか?(あるいは、現地にいたスタッフによるカブールノート。)
Women in Afghanistan: a human rights catastrophe, Amnesty International, London, 1995.
1992年〜94年の状況の詳細な、なまなましい聞き取り調査報告。1992年にタリバーンなんていましたか(自分で調べよう)。誰が(というより「何が」)アフガンを「支配」していたんでしょう(自分で調べよう)。右に30度偏った「常識」に照らせば、真実が左に30度偏って見える。「タリバンは悪いことをひとつもしていない」なんて誰も言ってない。ただ「タリバンはすべてにおいて悪で反タリバン(ムジャヒディーン)は正義」だと単純に信じ込まされているかたは、メディアの宣伝と正反対の事実に驚いてください。そして、知ってください――国連の名をかたってアフガニスタンに何がなされたか

15歳の少女の証言, from http://www.amnesty.org/ailib/intcam/afgan/afg5.htm, 中学生レベルで読めるシンプルな英文なので、英語が苦手な人もがんばって読んでみてください。

They shot my father right in front of me. He was a shop-keeper. It was nine o'clock at night. They came to our house and told him they had orders to kill him because he allowed me to go to school. The Mujahideen had already stopped me from going to school, but that was not enough. They then came and killed my father. I cannot describe what they did to me after killing my father...

これはアメリカが支援する「反タリバン北部同盟」(旧:ムジャヒディン)の行ったことです。タリバンこそが、こうした女性への暴行をやめさせた、という意外な一面もあるのです。ちょっと検索すればここ十年くらいのアフガン史は、いくらでも検証できるはず。さすがの二大国も「タリバンは女性の人権を抑圧」とは言うけれど「反タリバン側は、そういうことをしない」とは言えずお茶を濁してます。

注: アフガニスタンは、米ソが介入したアジアの非力な国の一例にすぎません。上のようなことがあったから、アフガニスタンが仕返しをしたのだという意味ではなく、アフガニスタンには、それだけのちからもないでしょう。やればもっとやり返される、やらなくても「やり返される」ことも、身にしみて分かってるわけだし(アフリカの米大使館爆破事件、イエメンの米軍艦爆破事件、参照)。

Note #2

『ニューヨーク・タイムズ』などは、せんそう賛成の意見でいっぱいだが、一般市民たちは、オンラインに集い、幅広い意見を交換している。――Wired News

2001.09.22 米大統領の演説は「世界各国は我々に味方するかテロリストに味方するか決定しなければならない」というちょっと強引な感じのものでした。アメリカの味方をしない者はテロリストの味方とみなし、攻撃するという意味にもなるので‥‥。「絶対正義」である自分たちに味方をしなければ正義の敵=わるものとみなす、という、中間的なものを認めない二分法の考え。オサマ氏について「犯人である証拠は充分」と言っていますが、アフガニスタン政府から「では引き渡すのでその証拠を開示してください」と求められると、「交渉には応じない」とのことでした。引き渡してほしければ、証拠を出したほうが、世界中の国々も納得すると思いますが、捜査上のつごうで、まだ公開できる時期でないとか、あるかもしれませんよね。例えば、だれだれさんも協力したらしいので、いま事情を聞こうとしている、とかの情報が出ると、そのだれだれさんがびっくりして隠れてしまうかもしれないとか。

でも、あんまり、せんそう、せんそうとあおるのも、どうでしょう。あとからアメリカ人もたくさん協力していたことが分かったとき、その人の住む州も、しかえしとして、こわすのでしょうか。そんなわけないと思うけど、犯人がいる場所がきらいな国だったらこわしていいけど、こぶんの国だったらゆるしてあげる、というのも、なんかヘンですね。まだ捜査中なら、真犯人も不確実だろうし。

アメリカには確かにあおられたかのように闘志まんまんな人もおられますが、米政府のややうわずった「事件利用」の姿勢に疑問を感じ「まず徹底的な調査を。報復よりフェアな判断を」とうったえる人々はアメリカにもおおぜいおられます。あとから間違いでした、では済まされないことですし。すでに、報道の仕方(させかた?)があまり良くなったため、犯人であるかのように名指しされた人の住む地域と同じ地域の出身だというだけで、動揺した市民かららんぼうにあつかわれる、という「二次的」な問題も起きていて、いたたまれなくなります。「事件と事故の両方の線から慎重に捜査を進めます。事件としても現段階では何も断定できません。国民のみなさんは予断をもたず、冷静に調査結果を待って下さい。デマに惑わされないでください。これまでも偶然の事故がびっくりするほど立て続けに起きたケースもあるのです」とでも言ってとりあえず自分の国のひとびとを安心させる、ということを考えていれば、またずいぶん違った結果になったのですが。だって、**人がやったらしいよとかのデマが流れて、いじめとかになったらかわいそうじゃないですか。本当に**人(実際にはサウディアラビア人のオサマ氏が疑われてるわけですが)がやったこととしても、同じサウディの人だっていうだけで、わるいなんてこと、ぜんぜんないんですから。

見るところ、今回の米政府のスタンスは、かねてからの中央アジアへの進出計画を進めるのに利用するということのほか(もちろん、オサマも除去したいでしょうけど、それは「ついで」みたい)、あんがいアメリカ自身の良心のいたみも、あるのかもしれません――二次大戦後の、数え上げればきりのない、世界中でやってきたいろいろなコトに対する罪の意識みたいなものが重くのしかかってきて、世界から仕返しされるのではないか、という危機感もあるのかも。そう考えると、鼻息あらい大統領をみて、直感的に「何かおかしい」(戦いの魔にでもとりつかれたの?)と疑惑を感じているかたがたも、「これは、むしろ人間的なこころの反応なのだ」と納得できるのでは、ないでしょうか。人をいっぱい踏みつけてきた人が悪夢をみたり、人を踏み台にすることについて自分は何も感じないわけでなく、やっぱりホントは心が痛む――というようなストーリーがあると思うのですが、もし仮に(あくまで仮定)そういう感じだとするなら、政治家たちは、本当はあんがい優しいせんさいな心根を持っているのかもしれませんね。それに、自分のメリットもあったかもしれないけど、結局は、自国民に良かれと思って、自国の繁栄のためと思って、あえて難しいこともやってきた、そのこころの痛みだとしたら、アメリカの政治家さんたちのことを、あまり責められないのでは、ないでしょうか。

さきの世界たいせんでかった国ですので、ちょっぴり自信過剰ぎみなのも、やむないことと思います。

けれど、国境のないインターネットの時代、アメリカの人々も、教科書が教えてくれないことを、自分で調べて、自分たちが本当は、どう思われているのか理解するように、これを機会に、こころのもやもやを「学習」「研究」に昇華させては、いかがでしょう。自分が知らないことについて言われると「ウソをつかれてる、つみをきせられてる」みたいに思ってふゆかいになりますもの。ご承知のように、日本以外のたいていの国(とくにはアメリカ)では、たとえば広島のことは、あんまりひがいもなくて、民間人もさほど巻き込んでいないし平和の実現にとても役だった良いことだった、というふうに習います。この見方は自分はよく分かるのですが、日本地域のひとびとは、もう少し違った感じ方をしてると思います。また、決してアメリカ人のひとりひとりがわるいということはないですし、むしろぜんぜん知らなくてびっくりして、とまどってしまうと思うのですが、アメリカがぐんたいをはけんした国々は、どこも、だいたい、あまりうれしくないめにあっています。これは、ばつを与えるために行ったところは当然として、平和や秩序のためにということで行ったところでも、たいへんなことなんです。

ですから、アメリカだい好き!なかた、またアメリカに好意をいだいていたいかたは、そうした現実を見つめて、そこを直視したうえで、なおアメリカの良さを分かるようにすることがたいせつです。やったことを、そんなことうそだ、と目をそらして、話も聞かないようでは、いつまでももやもやを乗り越えられないからです。


現地の国連職員、千田悦子さんからの手紙」をお読みください。

アフガニスタンについての短いメモ

2001.11.23

それなりに平和な生活を回復していた多くの町を、介入した諸国の軍隊は、ふたたび滅茶苦茶にした。この点は評価が分かれるだろう。必ずしも好ましいとは思えない。しかし「最後までやり通す」つもりがあるのなら、まだ良い。――いちばんまずいのは、また中途半端で引き上げてしまうことだ。10月2日の記事でも書いたが、むしろ占領して、統治してもらうくらいのほうがありがたい。ここまで来たら、やり通してもらうしかないし、たぶんそうなるだろうけど、「湾岸戦争」がそうだったように、だれも見ていないと思うと軍事も政治も暴走する面がある――当時と違って、今は「ネットが見ている」ので、それが潜在的に大きな抑制力になると思う。

自分で壊しておいて、「タリバン崩壊後の」なんて自然崩壊したみたいなくちをきくのは、いくらなんでもおかしいし、難民対策だの復興支援だのいうが、進軍しなければ難民は流出しないし、爆撃しなければ町の復興なんて悩まないでいい。けれど、壊しちまったもんは仕方ねー、善後策を考えるしかない。例えばアメリカの置きみやげのクラスターボムのばらけた不発弾を、どうやって除去するか。撒くのも除去するのも無駄な出費だが撒いたからには除去しないと困る。踏むと爆発するらしいから。

ともかく、今、アメリカが安易に手を引くといちばん困るのは現地の普通市民なのだ。「前回と同じ」になってしまう。意味も分からず「戦争反対、アメリカは即時撤退せよ」などと言っているかたは、この点も考えてほしい。

説明

諸国がアフガニスタンに対してしようとしていることは、うまくすれば、実際にアフガニスタンに住む諸民族にとってプラスになる部分も多い。そういう部分を最大限、確保するとともに、その裏で先進国などが、現地にとってフェアでないとりきめなどをして暴利をむさぼり現地がこれ以上、理不尽なつらい目にあわないよう、さめた目が見つめていれば役立つ。そもそも今回の軍事行動も、もう少しまともな情報が行き渡っていれば、あり得なかった。まさに「民主的に」国民が支持したのだから。「報復と称して、資源的野心から、終わりかけている内戦の火に油をそそぐような軍事介入など、言語道断。もしそんなことすれば確実に大統領職を失うだろう」という考えの人が多数派なら、こんな決断できなかった。――反政府側のマスードが死んで、本当に内戦終結したかもしれなかったのに。――

へんな話だが、アフガニスタンの諸民族は、ちょうど迫害されたユダヤ人のように、結果として(物質的には)良い方向に行くかもしれない。「過程」がむごすぎるが、これだけ理不尽にいじめると、世論もやや同情にかたむく。見殺しにするしかないやるせなさの罪ほろぼしに何かしたいという人も出てくる。もとより情報がある層でアフガンに対する6+2の2を支持する者は、ほとんどないが、今回のことはアメリカが狙っているのと逆の意味での一般に対するショー効果もあるようだ(それも分かっていて見切ったのだろうけど、相手が計算に入れた「大衆の愚鈍度」は、変化するパラメータだ)。

進軍側のおもわくは、たぶん「たくさん金を使って軍事行動を起こしたのだから、カスピ海の資源関連の権益は、たっぷりいただきたい」。被害側からいえば「町を破壊されて、そのうえパイプラインの利権もとられて足台にされて、あとは放置では、かなわん」と言いたいところだが、これほどやられた被害者心理としては、焦点の合わないうつろな目で「爆撃が終わるなら、何でもいい……」かもしれない。軍事行動自体でさまざまな「成果」をあげたけれど、ここまでやらかしたら、ついでにとれるものは何でもほしいだろう。けれど、どうケリをつけるか難しいのは、誰が見ても明らかで、なにより当事者は良く分かっている。そして……ユーゴを見てもコンゴを見てもパレスティナを見ても、アメリカは外交が下手。腕力があると、だいたい、ねばり強く交渉するのが下手だろう……第三者の立場の諸国の助けが必要だが、アフガニスタンごときのためにアメリカとの外交関係を犠牲にしたい国は恐らくないだろう。

2つの不安要素

もとをただせばラディンが初めの(そして昔からの)口実だった。口実だからどうでもいいようなものの、慎重に処理しないと「ただの便宜上の口実」では済まされなくなってくる。あれこれで支持者たちは態度を硬化させたろう。

「容疑者を秘匿するのは容疑者と同罪」というのは暴論で、裁判を受ければ死刑になるような重大な犯罪者をかくまっても、日本の刑法の場合で考えても最長でも懲役2年にしかならないし、事情によっては刑を免除される。身内(親族)であるとか、聖職者が教会に来た犯人をかくまった場合とか。「死刑犯」をかくまったから、おまえも死刑だ、などというのは、現代のまともな刑法では、あり得ず、だからこそ「彼らには普通の裁判を受ける権利は、ない」などと、めちゃくちゃの上塗りを重ねているのだろう。言い換えれば、まともな裁判では有罪を立証できない可能性が高く、実際、今回はラディンは関係ないのかもしれない。……ただ、この点は、もう暴論を押し通してしまった以上、今さら無思慮に止めるのは、かえって良くなく、めちゃくちゃな論理だけれど、そのまま進んでもらうしかない。

「元アンティ・タリバン」も怖い。彼らは、会議には招かれているが、政権をまるまる与えられないことは、ほぼ確定している――。タリバンは少なくとも何割かの地元の支持があったが、アンティ・タリバン側は、国際的にも現地的にも信頼されていないようだ……。

ここに一枚の写真がある。BBCが11月19日の記事の一部として流したものだ。

爆撃機から爆弾を投下されたのか、大きなキノコ雲。それが山のむこうに見える。眺めているのは反タリバン側の若者だ。キャプションによると、クンドゥズ付近が爆撃されているのを撮影したもの。そしてこの記事を信じるかぎりでは、米軍は、タリバンが秩序を回復した町をふたたび滅茶苦茶にしているだけでなく、反タリバンの抵抗ゲリラが支配してる側の町も爆撃しているという。事実とすればこれは暴走で、十年後、二十年後の「結果」が怖い。「ラディンをかくまうアフガン政府(タリバン)を攻撃する」という口実だったのに、アンティ・タリバン側まで爆撃するにいたっては、もはや「口実の面ですら」何の正当性もない。将来的にタリバン、元タリバンは、おとなしくなるかもしれないが、戦闘しか知らない元アンティ・タリバン側のゲリラ兵は、満足な発言力を確保できなかった場合、タリバン側のしわざに見せかけてとんでもないことをしかねない。これまでの口実の使い方からすると、各国はアンティ・タリバン組織の犯罪を非常に取り締まりにくい状況だからだ。――

付記


(参考)1分で分かる!パレスティナ問題

一年前(2000.10.02)に書いた記事でパレスティナ問題とアフガン紛争は舞台も経緯もぜんぜん別の話ですが、参考までにコピペ。

「ユダヤ教徒とイスラム教徒が宗教上の理由で何千年も争ってる」って信じてる人も多いでしょう? 西欧キリスト教国としては、そういうことにしときたいでしょうけど、事実は、ぜんぜん違う。パレスティナは、ちょっとまえまでトルコ領。それを奪ったのはイギリス。実際に戦ったのはアラブ軍。イギリスはアラブに約束した、「トルコを破ればパレスティナは、あんたらにあげるよ」。そういってトルコ領のアラブ人たちを戦わせた(フサイン・マクマホン書簡)。同時にイギリスはユダヤ人にも約束した、「パレスティナは、あんたらにやるから、軍資金など協力してくれ」と(バルフォア宣言)。このイギリスの二枚舌が問題の本質。イギリスは、事実上の自分の持ち物となるパレスティナをダブルブッキングしちゃった。

ヤフーのオークションで、一枚しかない貴重なコンサートのチケットをふたりに売ってカネを巻き上げたようなもの。そんなことすれば、領有をめぐって争いになるのは当たり前。おれが買ったんだ、いやいやおれだってカネを払ったんだぞ。さあ、だれが問題の原因? 二重売りしたヤツがいちばん悪い、争ってる二人より!

比較的にだけど、ユダヤ教徒とイスラム教徒は、もともとけっこう仲が良かった。それにひきかえキリスト教徒は、ユダヤ教徒を虐殺し(ホロコースト)、イスラム教徒をも陵辱した(十字軍)。清らかなはずのキリスト教、かなしい歴史があります。そもそも、今世紀、ユダヤ人が住める土地を求めて世界をさまよい始めた原因は、だれですか?

というわけで、きょうの歴史のワンポイントレッスン。中東問題→イギリスの不誠実外交が発端。そのかげにいるのはフランス。「イスラム過激派」→キリスト教国の自己弁護(と後ろめたさ)のプロパガンダ。もっともアラブに(主権国家をもった経験が浅いことなどで)いとけない面があるのも事実。


2002年6月: 写真家の久保田がアフガニスタンから出国しました。アフガニスタンのフォトレポートをお読みください。


2001.09.16

[af]アフガニスタン memo

米ロがアフガニスタンに侵攻したがっていて、いつあってもおかしくなかったこと、多国籍軍の話、そして、ことあるごとにラディンが口実にされること。アフガニスタンのページをごらんになったかたなら、これらは、すべて前々からのことで、珍しくも何ともない話だとご存知でしょう。

また、ホンネが破壊活動家(テロリスト)との戦いなどでないことも、ご承知の通りです(アメリカの場合。ロシアは、ある理由から政府への抗議活動を行う人々を叩くことそれ自体をホンネの目的のひとつとしている)。

アフガニスタンのページ13に数日前にメモしたように、アメリカが戦争とか言っているのも、もう今年の初めからのことで、今さら驚くことでもありません。コール事件のときも、こうなるのではとの不安が広まりました。

オサマをターゲットに、オサマがいそうなところだけを叩くなら分かります(というか、すでにアメリカは、それをやったことがあります)。しかし、「オサマ」がアフガニスタンという国それ自体と戦争することの口実になるとは驚きました。アフガニスタン政府のトップであるオマル師と、単にアフガニスタンに潜伏しているだけのオサマを混同していませんか?

口実だから何でもいいようなものの、この口実を議論の前提にして、「テロリストは許せないが戦争は良くない」だの「いや戦争もやむない」だの話しているのは、まったく理解できません。アフガニスタン政府は、少なくとも現時点では、今回の「テロ活動」とまったく無関係でしょう。「凶悪犯罪の実行犯とつながりがある疑いのあるフランス人が兵庫県西脇市に潜伏しているので、日本と戦争する、東京を叩く、日本政府関係者を戦犯として皆殺しにする」というのと同じくらい、ちんぷんかんぷんです。口実にすらなっていない。

アフガニスタンって、日本より広い国なんですよ。最高地点は富士山の倍くらいの標高あるし。

これまでの安保理制裁、追加制裁も「客人のオサマを引き渡せ。さもなくんば経済制裁で飢えさせる」という内容で、それすら非人道的としてアナンからすら非難されていた(国連事務総長や国連加盟国の多数派が反対していることを5つの国が「国連の名において」実行できてしまうという構造)。客人を引き渡さなければ、お前の国を全滅させる、みたいな発想は、まったく理解できません。ちからによる強制、脅迫、まさにテロ。

しかも、オサマですら、単に「もしかすると事件と関係あるかもしれない」というだけで(コールのときもそうでしたが)プロパガンダにあるような「黒幕」である物証は、皆無。たとえ容疑者ないし重要参考人だとしても――疑わしきは被告の利益にとまでは言わないにしても、動かぬ証拠があるわけでもないのに、アメリカが「オサマがあやしい」と言い張るだけで、前回のミサイル攻撃(モニカ・ミサイル)が正当化されるのかどうか。アメリカが「オサマがあやしい」と言い張るだけで、それをうのみにしていいかどうか。湾岸戦争のときの「イラクの環境テロ」と称するあのヤラセの「油まみれの鳥」の映像に象徴されるような、これまでの宣伝工作をお忘れですか? パトリオットだって命中率は大本営発表の数十分の一だったし「ピンポイント爆撃」だって実際にはデタラメで多くの民間人が劣化ウランで白血病になっている現実。戦争は良くないとは思うが‥‥というかたですら、オサマは悪いということは無批判の前提にされているようですが、戦争の口実をほしがっている国の「発表」以外に、オサマについて、何かご存知なのですか? どの解説をみても「黒幕“と言われている”」だの「”とみられる”」などと変な受動態が並んでいるだけで、受動態の動作主は「そう言い張りたい人々」なのだから、結局、説得力のある証拠などないのにそう繰り返して人々を洗脳しているとでも言わざるを得ません。

そして何より、アフガニスタン人ですらないオサマは、アフガニスタンという国とは本質的には無関係でしょう。(関係あるのは、アフガニスタンという国のなかのほんの少数の政府関係者だけ。しかもアフガニスタン政府が、オサマの活動の活動資金を援助してるわけですらない。オサマ自身のほうがアフガン政府より金持ちなのでは?

多くの人々が、アフガニスタンをイスラム教国というだけでアラブと勘違いしてみたり(それじゃインドネシアもアラブ? もしやアフガニスタンではアラビア語が公用語だとか思ってる?)、アフガニスタンが地理的に中東地域でイスラエルの隣のへんにあると思ってみたり(パレスティナ問題と混同?)、なんか議論の基本的枠組みもゆがんでるような‥‥検索エンジンは分類のエキスパートのハズだが、妖精現実のアフガニスタンのページを「イスラエル」に入れてる無知まるだしなディレクトリ検索もある。「韓国旅行の情報リンク集」に「アイヌ民族博物館」が入ってるようなもの。となりの国と混同するならまだしもイスラエル、ヨルダン、イラク、イラン、アフガニスタン、4つくらい国境を越えた何千キロも離れたぜんぜんべつの国。日本、中国、アフガニスタン、イラン、イラクと見れば、日本とイラクをごっちゃにするのと同じレベル。お話にならない。

もちろん、Lycos のこのページのように、もっとまともで役立つリンク集もあります。

そもそも、アフガニスタンなんて、世界で一二を争うといっていいくらい、弱い国だよ。世界最貧国だよ。今だってアメリカの食糧援助を受けて、それでも飢え死にしてるんだよ。ぶくぶくに太ったライオンと利己的なシロクマとどう猛なパンダとぬけめないトラとぬらくらした巨大電気ウナギが、よってたかって、すでに半殺しになってるネズミを取り囲み、もてあそぶみたいなもんだよ。事実上「言うことを聞くか、死ぬか選べ」って言ってることだよ。こんな不条理、すんなり認めて降伏するのかなあ。不条理だけど、降伏すれば虐殺されず水と食べ物もらえるしなあ。うーーーん。結果的には、アフガニスタン人にとって物質的には福祉向上につながるのかもねえ(こころには深い屈辱とトラウマを負うとしても)。国民全員が抵抗もできずに虐殺されるよりは降伏するんだろうなあ。まあ、死なばもろともと猫をかむ窮鼠(きゅうそ)も出るでしょうが。

まあ、敗戦の屈辱のトラウマがあると、猛烈に働いて高度経済成長の原動力にもなるかもね。劣化ウラン除去装置コスモクリーナーを求めて宇宙へ飛び立つアフガン製アニメが国内でヒットするし。

米ロの代理戦争のコマにされてから二十年以上、戦争しか知らないで育った人たち。「戦争でない状態」というのがどんなものか知らない。一度も安心して本当にぐっすり眠れた夜などないような、失うべき財産もない貧しい人たち。叩くって、すでに内戦で倒壊してる建物の上に爆弾まくんですか。難民キャンプで飢えている人々に、野戦病院でうめいている少年兵の上に、またぞろ劣化ウランでもばらまくんですか。

竹槍とは言わないまでも、せいぜい旧式のロケット弾程度にカラシニコフしかなかろうに、アメリカの宇宙兵器だかなんだか湾岸のときみたいに最新電子兵器のテスト場にされちゃかなわんよ。泥の壁、天井は星空、電話なんて使ったことない、電気もないのでテレビもないという寒い「町」を、電子のかたまりみたいな最新鋭爆撃機で成層圏あたりから鼻くそほじりながら叩くわけ?

――それは戦争じゃないよ。

病気の赤ん坊の顔を土足で踏みつけるようなものだよ。サディスティックな笑みにくちびるゆがめつつ重みかけてく。支持できるかできないかという以前だよ。いわゆる普通にいう親米的、反米的なんていうくくりですらくくれない、「蛮行」とすら言えない。平和維持軍の米兵がコソボで現地の女の子をレイプ殺人したときだって、それは悪いことだけれどありえる事件だという意味で理解できた。しかし「アメリカの飛行機がハイジャックされた、犯人はオサマと関係あるらしい、“だから”アフガニスタンと戦争する」なんて、支離滅裂とか、ナンセンスとか、そんなコトバで言い表せないくらい分からない。

オサマ・ビン・ラディンは、もしそんなことになれば、自分から死刑判決のでっちあげ裁判を受けにアメリカに行くかも知れない。じつは前にも一度「わたしがいるとアフガニスタンの人に迷惑がかかるから」と言ってオサマがアフガンを去るというニュース(結局、ただのウワサだったらしいが)があって、そのときも、ありえることだなぁと思ったものだ。遠くにいるから勝手に一方的に悪者にできるけど、オサマの素顔を見、目の前で語るコトバが伝えられたとき――(ソ連時代、アメリカが何兆円もかけて反政府テロを全面支援してたことを証言したとしたら――)。やっぱりアメリカは、もう口実としての用済みになったオサマは喋らせないで殺すしかあるまい。裁判なんてやったら自分のほうがやばいもの。でもオサマがそんなふうに殺されたら、それを殉教だとか言って、またもえ〜の若者が出たりして。

べつに中央アジアのどこか遠くに、イスラム教ガチガチの古くさい国がひとつふたつあってもいいじゃん。あったからって日本に不利益になるわけでもなかろうに。無理やり抑えつけ人命を取引材料に内政干渉するからケンカになるのでは? 古くさいキリスト教な国とかいっぱいあるんだから。イスラム教ガチガチでスタートしたって、その国の国民の考えが変われば自然と文化が変わって国も変わるよ。アメリカ流の権益至上主義が良いものなら、無理やり押しつけなくても、自然と広まるでしょうし。またアラブやイスラムの文化のなかにも――たとえその大半は、ほかの文化圏からみて変だとしても――きっと、独自のうつくしさみたいな面も多少は、あるかもしれないし。ドビュッシーの「アラベスク」なんて繊細で美しいピアノ曲だよね、アラベスク様式の文様からインスピレーションを得ているのでしょうけど。コーヒー文化も今じゃ人類共有の財産だし。イスラム教関連だから全面的に間違いというのは、キリスト教徒のやることだからすべて正しいというくらい頭悪すぎ。

想像してごらん。この世に国境なんてないと。
地球上どの国に行っても安心して同じ味のビッグマックが食べられて
同じ味のげっぷがでると。
世界のコトバ、マクドナルド。
でも、モスバーガーのほうがおいしいよね☆

ニュース速報板で見つけたカキコ

http://us.news2.yimg.com/f/42/31/7m/
dailynews.yahoo.com/h/p/nm/20010915/ts/mdf53133.html

たった一度でいいから、この少年に、靴をはかせてやりたい、
アイスクリームを食べさせて、ゲームボーイをさせて、
ネズミーランドに連れていって、サッカーをさせて、
なによりお腹いっぱい食事させてやりたい、、、
もう永久に無理。

"You may say I'm a dreamer" -- JOHN LENNON|へきる

(photo)

わたしは、戦車、カラシニコフ、じらいを知っています。でも、「平和」というのがどんなものか知りません。見たことがないからです。でも、他の人から聞いたことがあります。

わたしは、たくさんの武器を知っています。武器は、バザールや、街や、学校のかべや、家の前や、バスの中や、どこでも見られるからです。

「平和」というのは鳥のようなものだと教えてくれた人がいます。また、「平和」というのは運だと教えてくれた人もいました。でも、それがどうやってやってくるのかは知りません。でも、「平和」が来ると、じらいの代わりに花が植えられると思います。 学校も休みにならず、家も潰されなく、死んだ人のことを泣くことがなくなると思います。

「平和」が来たら、家に帰るのも自分の家に住むのも簡単になると思います。銃を持った人が「ここで何をしている?」とかきかなくなると思います。

Image quoted from UNHCR Chief Sadako Ogata's Visit To Afghanistan, Afghan Network iNteractive, AP Photo, Text based on http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/no2.html.


「(二十年に渡る内戦、異常気象、米ロのごり押し制裁による貧困等で)どっちにしても生きていてもつらいことばかり。だから爆弾が降ってきて子どもたちといっしょに死ぬハメになったとしても、かまわない。」レイラマさんは言う。アフガニスタンの首都カブールに住む。6人の子の母親だ。「でもね、アメリカの皆さんに、ひとつだけ知ってほしい――アフガン人がやったことじゃないんですよ」

From Las Vegas SUN: Fearing Strike, Afghans Flee Kabul


2001.09.19

ハイジャック事件との「関連」FAQ

「戦争は悪いから悪い」では意味がない。そんな一般論は、どうでもいい。個々の事例の問題だ。「戦争は悪くないから悪くない」も同じ。日本地域の人々の多くは、たぶん歴史的経験から「戦争→負けた→悲惨な結果→良くないこと」という集合的無意識があるのだろう。そしてだからこそ「戦争=良くないこと」と断定することに敗戦のコンプレックスを刺激され、そのコンプレックスを克服したいからこそ「わたしは戦争を支持する」と言ってみるのだろう。「戦争はいけません」なんて甘いとか「平和ボケ」と、ことさら偽悪的にふるまって「自分は、もう一人前なのだ」と誇示して見せるのだろう。――どっちにしても、「父親」(アメリカ)の権威への怯え、または、怯える自分へのやるせなさ、怯えの裏返しである父親への反発にとらわれている。

「戦争=良くない」と短絡して思考停止して実質的な判断をしないのも敗戦コンプレックスなら、「戦争=良くない」を否定することそれ自体を目的として実質的な判断が鈍るのも敗戦コンプレックスの裏返しだ。「反動誇張」だ。

「新しい歴史教科書」の話も、根元は、むしろ共感できる。敗戦の無意識的トラウマをいつまでも引きずらず、精神的に自立したいという本質においては。しかし、自分自身の本当の感じ方から目をそらし、自分を偽り、過去の行為が正しかったと言い張ることではトラウマは断ち切れない。克服するためには、イヤというほど直視しなければならない。内面的な問題なのだ。

もう子どもでないという意味で、もっとべつの意味で、親離れしてほしい。

親米的な友好国として、真の「親友」であればこそできること、すべきことは、相手がやりたいということをすべて手放しで「大賛成」と請け合うことでは、あるまい。自分自身の意見を持ち、率直に伝えるのが友人の態度だ。

経済的な損得も大事だが、経済的に繁栄しても心が満たされなければいつまでも荒廃は続くだろう。

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